クリスマスベビーだった

会議は踊る、されど進まず。今日の午前中はそんな感じ。
予定を大幅に遅れてしまい、仕事がずれ込む。
早く帰りたい、というか、早く帰れれば食事ももう少しまともにできるかも？
そんな淡い期待をことごとく打ち砕いていく、小さなトラブルの積み重ね。
どうもちょっとしたボタンの掛け違いから、新入りの相方とも気まずく、
連絡事項伝達のみ、やり取りしている自分に嫌気が差してくる。
言っても聞かない人間に、その図太さに振り回されそう。
君が仕事をせんとこっちがその次の段階に回せんだろうと・・・。
ううう。全くのペーペーの方が一から何でも言えるのに。
ああ、だんだんおばちゃんは脱力だよ。

この苛立ちを表に出してはならぬと思いつつも、無愛想になってしまう。
慇懃無礼の応酬ではいけないと思いつつ、頭ごなしに叱るわけにも行かず、
トウだけ立っている新入りを如何せんと思いつつはや半年以上。
鬼が笑うという来年も近づきつつあるというに。
しかし、今は貴重な空き時間を、休み時間を確保せねば。
休み時間に振込みをと、郵便局を訪れれば機械が用紙を受け付けず、
再度書き直し。ううう。こんな所で時間を浪費。
硬いのは体だけではなく、自分の頭？と思っていたら、
振込機、お前もか？　どうやら先方から送られてきた振込用紙の折り目、
皺があると読み込めないらしい。

明日まで仕事。不況で工場関係が止まり強制的に給料を削られ、
土曜日から休みに入る家人とあわせて年休を取ることにした。
結婚以来、こんなに休める年末は初めてだ。
その、年末の休み前、クリスマスイブだというのに何も出来ない。
とうとう鳥の丸焼きどころか、焼き鳥もない食卓、
ケーキだけはあるものの、小さなショートケーキのみ。
帰宅後はノートＰＣに向かって年賀状図案作り。
・・・の予定だったのだが、あれこれ土壇場になって悩んだ挙句、
髪を染めることにした。この期に及んで何なのですが。

重要な案件を抱え、山姥の如きやつれた姿ではまずい、
明日、初対面の人に逢うのに、さすがに荒み切った白髪のザンバラ髪ではと
気弱になってしまった私。今更髪如き出契約内容が変わるとは思えんのに、
験を担ぎたいのか、気分転換をしたいのか。
逃げ出したい気持ちを鎮める方策か。急遽行動してお任せにしてみれば、
ただでさえ痩せて薄くなってきたと気にしている我が髪を、
「4センチほど短くしますねー」とばっさり切られた挙句に、
「色が入りやすいようにバランスよくそぎますねー」と鋏を入れられ、
老化現象で軽くなったおつむを更に軽くしますか？　されてしまったよ。

重心が下なんだから、こんな軽い頭だったら風で上半身だけ首だけ揺れる？
ああ、髪を切ると風邪をひくよりも歩くバランスが狂うわー。
ちなみに、某整体の本では、[風邪をひくのはいいこと」なんだそう。
体のバランスを整える為に、熱が出たりくしゃみや席が出るので、
体が丈夫だと思っている「風邪もひかないからだ」は危険なんだそう。
つまり、風邪もひかなくなったではなくて、風邪もひけなくなった状態。
至って不健康なんだそうな。
世の風邪ひきさんが聞いたら嬉しくなるような内容。

女性のからだの整体法―からだの悩みを解消する6つのテーマと四季のお手入れ

いや、単に風邪奨励と誤解してはいけない。
とにかく風邪をひかない体は硬いとか。
なるほど、今年かなり酷使しても熱も出ず、風邪もひかず、
あちこちに痛みはあれど何とかやってきて、
新型インフルエンザにもかからずにと喜んでいたけれど。
実際硬い体が仇になった年末。車を降りる際、引っかかって、
左ひとさし指1本がハンドルに絡まって反っただけで、激痛。
骨に異常はないと言われたので様子見でも、生活には支障。

柔軟に動けなくなっている、曲がらない体。硬いからだ。
うまく仕事の配分が出来ない頭。
そのお陰で、今年のクリスマスはばたばただ。

クリスマス・イヴ

クリスマス・イブのおはなしセット (日本傑作絵本シリーズ)

大急ぎで帰宅。せめてケーキだけは一緒に食べよう、娘よ。
ご機嫌取りなのか、何なのか。お茶は入れてくれるけれど、娘よ。
終業式を終えて、成績表を見せようともしない。
その代わりに「冬休みの宿題はお習字以外終わってるから」と。
まあね、君の成績は懇談会で見ているから。
学級などという単位でアップアップしているようじゃ、
長い人生この先困るから、目標はレベルアップして欲しいもんだ。

かーちゃんとしては・・・、字を綺麗に書いて欲しい。
算数にしろ国語にしろ、問題は繰り返し解いて欲しい。
反復練習ということが出来ない。というか、苦手な娘よ。
1度出来たらそれでおしまい、なんて事は許されない。
料理でも美味しい料理は一回きりなんて、台所切り盛りできないよ。
繰り返して同じ精度、正確さで再現できる能力、
その根気を養うのが今の時期だというのに・・・。ぶつぶつぶつ。

クリスマスイブは、イベントらしいイベントもなしに終わろうとしている。
「静かに過ごしたい」と「どこにも行きたくない」は、同義ではないが、
何となく同じように響く。蝋燭も、ツリーもない我が家。
とーちゃんとかーちゃんが揃ってクリスマスを祝った日に、
実は君がこの世にやってきたんだけれどね、10年前。
クリスマスベビーの君がやってきたのがわかったのは、
2000年問題の年末のすったもんだが終わり、年明けて元朝参りの薬王寺さん、
仕事に戻ろうという正月休みの終わる頃。

クリスマスベビーの君の寝顔を見ながら、大慌てで枕元にプレゼント。
年賀状の図案作りに時間を忘れて、もう25日になっている。
君の写真は沢山あって、どれを使おうか思案しているうちに、
どんどん思い出は雲の様に沸いてきて、かーちゃんは迷うよ。
さて、朝起きた時にプレゼントの山がないと寂しいと、贅沢をいう君。
その君を甘やかしている私。
何もない家に育ったからと、何もしてくれないとーちゃん。
この温度差を抱えるが故に、かーちゃん、一人で子育て気分に陥るイベント日。

毎年のこの葛藤を抱えながらも、救世主は生まれたもう。
すやすや眠るいとし子よ、君がこの世に生まれるその兆しを、
10年前のかーちゃんは知らなかったが、娘よ。
君の眠りは満ち足りているか。
10年後、君は何処で誰とこの日を過ごすか。

クリスマス・イブ

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