Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

心に積もる雪

朝から上機嫌で娘が起きてくるかと思えば、お寝坊さん。
かーちゃんが出かける時間になっても、起きて来ない。
小学校は冬休み、のんびりできるとたかをくくって目覚ましも止め、
規則正しいリズムのある生活なんて、何処吹く風。
先生から渡された「冬休みの過ごし方」「冬休みの目標」「お手伝い」
等のプリントは炬燵の上でくちゃくちゃになっている。
あーあ。我が娘ながら、本当に情けない。


起きてこない娘に痺れを切らし、優しく起こす余裕も時間も無く、
怒鳴り散らすことになるクリスマスの朝。
一緒に朝食を食べるどころではない。
クリスマスプレゼントの感想を聞くどころでもない。
「自分で起きて来ない」「プレゼントへの感謝もない」で、
今朝のかーちゃんにとっては、脳天が切れるほど「激怒」。


普通子供はクリスマスの朝、わくわくしながら起きてくるものだ、とか。
早起きして楽しみにしているものだ、とかいう先入観が強すぎるのか、
自分の子供時代と異なる娘に苛付いてしまう私。
学童がなくなってからというもの、勝手気ままに過ごす時間の楽しさに耽溺。
塾も行かせていないので勉強が進むはずもなく、
ピアノはクリスマス発表会も終わったので、自分から弾くはずもなく。
何も心配せず眠ることができるのは子供の特権だが、
肝心の親であるかーちゃんは、いつになく緊張と苛立ちの朝。


自分が働いていて、(肉体労働というより感情労働だが)
周囲の身近な存在が、だらだら寛いでいることくらい、
苛々して神経に障るものはない。
ましてや今日は私にとっては特別な日。
仕事の内容や方向を変えることができるかどうか、交渉する日。
緊張はいや増し、苛々は募る。


馬小屋で生まれたキリストは、神のご加護もあって
母マリアはさぞかし安産だったことだろう。
娘よ、君も2週間遅れではあったけれど、不惑初産の私にとっては安産だった。
その点はありがたかった。
かーちゃんが今、最もてこずっているのは、
今の職場の仕事が常に「難産」だということ。
(人が見たらそうは思わないかもしれないけれど、
 かーちゃんの理想とする所と比べれば・・・という点で)

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思い通りの結果が出れば万歳。出なければ、どうするか。どうなるか。
組んだチームを一方的に解散させられたり、無謀な人員配置が続いたり、
ありもしないうわさや中傷、足を引っ張る言動、今時の若手の
「どうでもいい」雰囲気的な仕事。


染まりたくないと思っていても、職場の中に漂う臭気に麻痺するように、
自分の仕事もたるんでいくのがわかる。
思い通りに出来ないというのは、自分の努力が足らないから?
それだけではない部分からの影響。周囲のせいにしてはいけない、
でも、頑として跳ね除ける強さを保つのが難しくなってきた。


慣れなのか、狎れなのか、このいい加減差に自分が染まっている。
そのことをはっきりと意識し始めたら、腐っていく自分を切り捨てたい。
切り離したいと感じてしまう。ここに長く居続けたら、どうなってしまうのか。
ぬるま湯の麻痺した感覚で、今の状態を当たり前に思ったまま、
ここであと何年? それは恐怖に近い苛立ち。諦めに近い憤り。


画像を補正するようにキャリアをトリミング、補正加工できれば
どんなにいいだろう。しかし、切り貼りできるどころか、
繋ぎ合わせる事も至難の業。何故なら実績が実績だもの。
でも、賭けに出なければどうしようもない。
「山を動かす」ためには、勝負に出る事も。
交渉? そんなものではない。選ぶのは相手であって、私ではない。
それは重々承知の上。
ふるいに掛けられ、試されるのは自分自身。

その結果・・・気分は玉砕。白い灰になって燃え尽きるどころか、
リングの上にも出られなかった。実力を発揮する?
とんでもない。またまた、冬の時代に逆戻りって感じ。
心に降り積もる失敗、敗北の雪は冷たい。
クリスマス気分どころか、よりにも寄ってこの時期に、
こういう状態で過ごすこと、試される日だったことが。


本日を持って「死んだ気分で仕事」に元の仕事に戻るか、
再度チャンスを待って、続けるか。
もう、私にはチャンスは何度も巡ってこない年齢なのに。
自分を変えたい、変わりたい。その気持ちは幾つになっても変わらない。
土台は変わらない、実績を積み上げるのに必要な土壌が欲しい。
蒔いた種が芽を出さない畑よりも、耕し甲斐のある畑で花を育ててみたい。
土を改良し続ける、耕作地を広げ続ける作業ばかり繰り返す日々、
いわば不毛な大地にエネルギーを吸い取られるような生活に、
疲れている私。


仕事は難産だと、つくづく思う。子育ての喜びと比較して、
見返りなく奉仕できる仕事など、綺麗事では済まされない。
収入が減らされていく一方、労働条件に差がありすぎるのでは、気力も萎える。
「あと少し、勇気を出して きっと世界がかわるから」とたんぽぽの絵葉書。
でも、仕事で何処まで飛んでいけるか、種を蒔けるか、
時間的に限られてきた私には、焦りばかりが意識されるようになった。


『ウェルかめ』でも、主人公の親友がお産をしていたけれど、
誰かが側で見守っていてくれるのは心強い。
仕事は一人では出来ない。しかし、最終的に「結果」は一人に持って行かれる。
そのなかで、「なんでも屋」になって行きそうな自分が嫌だ。
だから、いつも雪が降る。この時期春になるまで、
キャリア畑は雪の下に埋もれていくだけだ。


そうは、させたくないけれど、とにかく仕事納め。
明日からは、10日間痛めた指を休め、頭を休め、仕事を忘れたい。

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