Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

交友範囲と年賀状

例年ならば、250枚ほどある年賀状を絞って200枚以下に抑えた。
しかし、図案は出来たものの、肝心の宛名印刷と図柄印刷に、
どれくらい時間が掛かるか皆目わからない。
新しいプリンターを動かすのに、ノートパソコンで別作業をしつつ、
印刷をする為に、物置のパソコンを動かすはめに。
ご存知の通り、キーボードの配列は製品によって異なる。
使い慣れていないとはかばかしく指が動かない。
事務作業にとっては命取り。


おまけに家人が入れてくれた筆まめの簡易版で宛名印刷を試みるも、
期待したフォントで印刷されてこない。
私が筆まめにこだわるのは、ソフトの使い易さもあるが
筆王や筆グルメよりは事務作業が早いと思おう)
筆記体の宛名が上品で美しいことにある。
流麗行書体・連綿体という書体は私のお気に入りのフォントの一つだ。


自筆の年賀状の宛名を書かなくなって久しいが、筆で書いていた頃同様、
美しい表書きが欲しい。いかにも印刷であるという字体ではなく、
おお、パソコンもここまで賢くなったかという字体が嬉しい。
ご存知の通り、最近のパソコンは賢い上に容量がでかい。
少々の種類のフォントを抱えてもサクサク動く。
しかし、少し前まではフォントは目盛りを食う存在で、
仕事に不必要なフォントを消して使ったりする乱暴な事も珍しくなく、
というのも、外国と異なり日本では漢字・平仮名・カタカナと字数が多く、
その全てを美しく表示する優れものフォントはなかなか無かったから。


なんとなれば外字で自分で作らないといけないという、それはもう昔の話。
漢和辞典首っ引きで仕事をするのでなければ、殆んどの網羅されている。
石川啄木の「たく」や、森鴎外の「おう」は無いので、不便。
でも、年賀状印刷となると[こんな字はあったか?」というのが人の名字。
一太郎をこよなく愛する私(最近の重たい複雑なものは嫌で、
一太郎11ぐらいまでしか理解できていない)
同じく筆まめも高いバージョンでなくても十分だと思っている。
但し、フォントはこだわる。


その肝心のフォントが物置のパソコンに入っていない。
自分のノートパソコンの普段は表示されないフォントのフォルダから、
USBにいったん移し変え、デスクトップ方に再度移し変える。
結構検索を掛けてファイルを限定し、必要な物を何種類かピックアップして移すのに、
予定外の時間を食った。やれやれ、これでプリンターが動くかと思うと・・・。

美しく書く かなの年賀状

美しく書く かなの年賀状

やさしい毛筆年賀状

やさしい毛筆年賀状


USBではなく、デジカメ写真用のカードを直接差し込み選択、印刷。
そういうプリンターは、家で写真を楽しみたい人のためのプリンターらしい。
老父の衝動買いの商品は、思いのほか宛名印刷が苦手だった。
ここで予定の印刷時間をオーバー、反対に心配だった裏面、つまり、
写真を多用した新年挨拶画面はすんなりとスピードアップ。
縦書きが苦手なのか? それとも色を塗ったくる作業は楽なのか?


あて先グループごとに文面を変え、一言ずつ書き添えていく。
気が付けばもう夕暮れが迫っていた。
昼食も食べず、トイレにも行かず昼前から物置に籠りっきり。
やれやれ、我ながら呆れる。
娘はとっくに家人の下に送り出し、図書館でのほんの貸し借りも済ませ、
両親には正月用の真新しい下着一式を揃えて贈り、
心残りは年賀状投函のみ。
どうやら、郵便局奨励の期日に遅れること一日で達成できそう。
元旦に無事付いてくれればいいのだが。


今年は振り返って考えれば、仕事のし易い年だった。
初めてのことばかりで戸惑った役職も、こなしてみれば過去のこと。
慣れてくればこれでいいのかという疑問点や問題点ばかり、
そしてそれを問題にしてまな板の上に乗せる事は、タブーだということ、
公にされない「小さな親切余計なお世話」である事もわかった。
突き詰めてみれば与えられた仕事は、やればやるほどやらなくても良いとされる、
そこそこにしておけレベルの「大義名分」レベルの仕事。
誰もする者がいなければ支障をきたすが、だからといってメインになる事は無い。


割り切って行ってきたが、もう仕事でやれる事は限られているし、
年齢的にも残された時間が少ないのであれば、
本来の仕事中心に戻って行きたい、生活をシフトさせたい、
兵隊でも構わないと考えてしまうのは贅沢なことなのだろうか。
中央に近い場所で会議に出たとて、それが何になろう。
10年前であればいざ知らず、今となってはそれも虚しい。


表に立ちたい人は立てばいい。
引きこもりたい人は引きこもればいい。
実績があり誰よりも専門的だと信じていることが、
独りよがりだと気づかずに過ごしているなんて、良くあること。
ましてや、専門知識をひけらかすことと現場の仕事とは、
イコールではないということを無視して、
「ここでの仕事」プラスアルファを求めるならば・・・。


仕事に理想は付き物、我侭は付き物、やりたいことをやろうとする前に、
根回しも、そこはかとない打ち合わせも、耳打ちも、ここだけの話も、
計画的に使うことが必要なのだろうけれど、そういう事から距離を取りたい。
静かになりたい。そんな気持ちから年賀状を一気に減らしてしまった。
まだまだ引退ではあるまいに・・・。
娘が小さいのだから、経済的にそんな事はできないのに。


年賀状を印刷するたびに、何処まで誰とどんなふうに付き合っていくか、
いちいち考える。それを実行に移している気分になる。
シミュレーションを兼ねながら、一言一言付け加える。
義理で出すものは極力削った。


19時前投函を済ませ、20時過ぎ家人宅に赴く。
午前中で書けた娘は家人と風呂を楽しんだはず。
韓国風の岩盤浴でリフレッシュして明日のスキーキャンプに備えているはず。
かーちゃんも行きたかったな、一緒にお風呂屋さん。


さあ、冬の休暇が始まる。不況に裏打ちされた長い休暇が。
あ、ちなみに我が家の年賀状の虎の写真は神農さんの虎です。
道修町少彦名神社の虎です。
無病息災、皆様の健康にご利益がありますように。

書の年賀状 2010

書の年賀状 2010

むかしの年賀状―十二支絵はがき万華鏡

むかしの年賀状―十二支絵はがき万華鏡