Festina Lente2

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砂消しゴムを知らない?

ブログのデザインを頻繁に変えているのは、
字の大きさが大きい物を選んでいるから。
新年早々愚痴ブログになりそうで怖い。
年々怒りや苛立ちがすぐに沸騰、
これは更年期の為せる業なのか、
賞味期限切れの忍耐力がいよいよもって、
己の本性、修行の足らぬ人間性、馬脚を現してきたせいか。
以前ならば笑って許せたり、そうだったよね、まだ出来なかった、
知らなかったよね、単なる遊び・冗談・ちょっとしたミスと、
鷹揚に笑って許せることが許せなかったり、
訳もわからないほどトサカに来たりする。我ながら情けなや。


例えばお正月。とあるパチンコ店のCM。振袖姿の女性が走っている。
何故ゆえ男ではなく女なのかというところが問題視されるべき点でもあり、
それがまた普通の服ではなく、わざわざ振袖を着せている所に、
季節性以外の問題を露呈させているのではあるが・・・。
ともかく裾を乱してあられもなく足を見せ、振袖で走っている。
そこまでして新年初パチンコに急がなくてはならないものか?
その下品な視線の引き付け方に苛立つ。
今は亡き若桑みどり氏であれば、何故ゆえにデザインの中に、
無意味に扇情的に女性が多用されるか、解説してくれるだろうなあ。


例えばとあるファーストフードの宣伝。
正月からチキンを食べる。何を食べようと人の勝手だが、
振袖着物姿でチキンの唐揚げに食いついている姿は頂けない。
非現実的な食の風景。油の付いたその手をどうする?
着物に油染みでも付ける気か?
それとも宣伝用の着物は安物の化繊だから構わないのか?
着物で油ものを食べるその有様に、訳もなく苛立ってしまう。


例えば朝。一緒に出かける予定なので、起こす。
電波時計の目覚ましがあるにもかかわらず、起きない。起きてこない。
仕方なく起こしに行く。2階から降りてこない。2度寝をしている。
既に7時半。私は瞬間湯沸かし器となる。
朝の一分一秒を争う時に、惰眠をむさぼる心地よさは知ってはいるが、
情けを掛けていられる様な状況ではない。
とろけるような甘い囁きで起こす義理もない。叩き起こさざるを得ない。
非常に気分が悪い。

早起き力

早起き力



例えば午後。娘と一緒にいる時、知人に出会う。
きちんと新年の挨拶が出来てほっと一安心の胸を撫で下ろすも束の間、
「お正月は初詣に行った?」と訊かれて
娘は「えーと、あのう」と思案顔。何故、行きましたと即答できないのか。
かーちゃんは思わず不思議になる。じじばば叔父叔母従兄弟たちと行ったのに。
「二日に出かけても初詣と言うのかどうかわからないので」だと?
かーちゃんは、思わず体から力が抜ける。何ですと?
そんなことで口ごもって、「はい」も「いいえ」も言わずにモゴモゴ?
そういう疑問を持つことは悪いことではない。
何なら親でも誰でも訊くのも悪いことではない。
しかし、正月も過ぎて普通の生活に戻っている今もその事を気にしていた?
わからずにいた? 今この期に及んで訊かれて戸惑う姿に苛立つ。


この子が、娘が小学校低学年、保育園幼稚園であれば気にしない。
もう4年生、春になれば5年生なのにこの体たらく。
この頓珍漢は自分の産物なのだと思うと顔から火が出る。
常々両親から「孫が不出来なのは親のせい、私らのせいだと恥をかく」と
吹き込まれた言葉に反発しながら生きてきたのに、
「この有様はどうよ」と心の中で嘲笑う私がいて、余計に髪が逆立つ。


例えば読書。あれもこれも読むのならば気にならない。
でも、4年生になるまで待っても、軽い読書ばかり。
「名作」と言われるようなものを側に置いていても駄目。
漫画の延長線上のような、会話で成り立つ物語ばかり。
風景描写や情緒的なものはまだまだ駄目で、
忍玉乱太郎」お姉さん版のような、はやみねかおるラインばかり。
冬休みも結局きちんとした読書は出来ていない。
自由研究もない。それでなくても宿題のない小学校なのに・・・。


例えば今日の夜。普段お付き合いのない遠い親戚のお姉ちゃんから、
何を思ったのか、娘宛に年賀状。ここは返事を書かなくては・・・。
何を思ったのか、作文の授業でもあるまいし、下書きに1時間、
清書に・・・いつまで掛かっている? 当然、こちらも苛立ってくる。
小学校で校内年賀状という催しもあり、宛名の書き方、差出人の書き方、
習っているはずなのに、「わからない」という。
見本に山ほどある年賀状を見せても、バランスよく字を書くどころか、
「様」の字が漢字で書けない。それどころか、書き損じた。


子供の失敗は良くあることだ。申し訳ないが、様の字を消して綺麗に直そう。
娘は一生懸命消したけれど消えないと、5分以上消している。
そりゃ、プラスチック消しゴムだもの。
「砂消し持っておいで」「?」「砂消しゴムでないとボールペンは消えないよ」
「砂消しって何?」・・・引き出しの中に入れてあるはずなのに、
使っているのを見せたことはなかったか? 修正液でないとわからないのか?
いや、最近の子は修正テープ。だが、小学校では使わないだろうし・・・。


砂消しゴムの説明をしながら、情けなくなる。
こんなこと、親から教えて貰ったことなかった。
いつの間にかどこからか覚えてきたものだった。
砂消しゴムがあるはずなのに、キャラクター消しゴムじゃないから、
捨ててしまったのか、沢山あった消しゴムの山の中に見つからない。
「剃刀持っておいで」「?」「いいから早く持っておいで」
目の前で、摩擦を掛けるように刃でこすって紙を薄く削る。
その昔、木片の墨の書き損じを小刀で削ったように。


出来ないことが沢山ある。私は箸の持ち方が下手だ。
肥後守」は知っていても、それで鉛筆を削る生活はしていない。
ジャイロスコープは回せても、普通の独楽をもはや回す事は出来ない。
私に出来ないことが沢山あるように、娘も出来ないこと、
知らないことが沢山あって当たり前だとわかっていても、
その瞬間、逆上、脱力、愕然、仰天、心臓に宜しくないことが、
がっくり呆然、後味の悪いことが1日中続く日がある。


だから、そんな日だったから一緒に仲良くお風呂に入って
お休みなさい、冬休みは残り明日一日だよ。娘よ。