Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

目玉の見る夢

どうも先週から夢見が悪く、朝方から変な気分が続く。
度忘れという物忘れ以外に、何か別の力が働いているような。
鍼を打って貰う夢、それが目玉だったり、
(厳密にいうと自分で目ん玉を取り外して、その裏側に鍼を打って貰うという)
縁起でもなく、シュールでひたすら不気味な治療風景を見た先週の土曜日、
よほど研修兼勉強会が心の負担だったのか、
はたまた、幾つか気に掛かっていることのせいなのか。


私の夢はいつもオールカラーで、鮮明だ。
それでも、昔よりは忘れ易くなったし、思い出せなくなった。
でも、夢は体調は気がかりを暗示する、拡大解釈する、
クローズアップする、シミュレーションする。
年が明けてから、週に一度ほど夢の中に出てくる人がいる。
自分や家人のの健康同様、彼の健康も気掛かりなのだが、
たまたま職場の同僚が、8時間もの心臓の大手術を終え、
ICUから出てきたという今週の話題がベースなのか、
「早く治療しないと手遅れになる」という、
焦りが根底にある夢ばかり見る。


暗い夜道、青い車が一台停まっている。
高校時代の友人が乗っているはずだ。
彼は無事なのか、その車に乗って確かめなければ。
青い車がそこにある、乗って行かなければ、病院へ。
気掛かりな昔の友人のこと、そして自分の体調のこと。
それがミックスして、何かしなければ、行かなければ、
その繰り返しで明け方の夢を見る。


夜はいつでも眠い。持ち帰り仕事は、もはや手が付けられない。
手を付ける気力がない。仕事―それは、やり甲斐よりは義務。
抜け道を持つ者だけが、人を足蹴に別世界に駆け上がっていく。
家族が、家人も私も健康を害した時から世間的な上昇志向は捨てた。
管理職、出世や昇進というものに見切りを付けて、
子育てのためにもよかれと、時間を作った。
この不況ゆえ収入は減っても社宅住まい。
これは例えようもなくありがたいこと。


だから、不安や苛立ちはもう少し後回しに、
穏やかに老いる世界に片足を突っ込んでしまえと囁く声。
抵抗するからしんどいんだ、健康を守るのではなく、
病気を忘れず、かつ病気と付き合うんだ、
手術ではなく服薬で済むように、
入院ではなく通院で済むように。


元気そうに見えても年老いた両親、そして自分の家族。
厳密にコントロールされた中で保障される一定の健康。
行ったり来たりしながら、不安を下敷きに日常生活を清書。
平凡でも幸せな日々をなぞる。一気に筆を下ろすのではなく、
そろそろとなぞる。勢いで書き上げることの出来ない毎日。


気が付けば、眩暈のする壇上。
ふと夢の何かが、災いや不調を知らせたのではと不安になる。
夢見が気になる。何がこんなに私を気弱にさせるのか。
今日も2件も約束や期日を忘れて、気詰まりなことがあった。
晩のボランティアは、思いのほかスムーズにことが運んだ。
何事も一長一短なのだと言い聞かせながらも、
とても気になる。このアップダウンの行ったり来たりに。


電話で確かめる事もできない。昔馴染みの安否。
必要以上に心配しても仕方が無い、老い行く両親の日常。
家人の体調の検査結果、職場での自己申告、
出せないメール、書けない報告書。
重いからだ、重い気持ち。
思い通りにならない日常、けれど、どうにかこうにかこなせる
こなしていけるというささやかな幸せ。
その行ったり来たりに感謝しつつも、苛立つ情けなさ。


目玉は裏返しにされ、世界を覗く。
自分自身を、そして自分の周囲を。
目玉はひっくり返され自分を見回す。世界を見渡す。
きりきりと痛む左下腹部、
以前の痛みが3度(たび)復活しないよう祈りつつ
どきどきしている自分。
目玉は何を見ている?

とんぼの目玉―言の葉紀行

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目玉の学校 (ちくまプリマー新書)

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鬼太郎 目玉の親父(いろいろ) GE03

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