夢見の元は？

昨夜はTVで映画『ハッピー・フライト』を見て、すぐに寝たのに。
（家族全員映画館で見ているにもかかわらず、もう一度見てしまった）
ぐっすり朝まで眠ったはずなのに・・・、夢見が悪い。
縁起でもなく悪い。一体何が原因なんだろう。
どんな夢を見たかって？　細かい部分は忘れてしまったけれど、
とにかく焦っていた、逃げていた、迷っていた、苛々していた、
そして困っていた。誰かに付け狙われて、700万ほどのお金を守って、
じたばたした挙句、取られてしまって途方に暮れている。
そんな内容の夢だった。お金が一挙になくなってどうしようと。
何で10万でもなく、100万でもなく700万足らずの中途半端な現金？

あれこれと思い描く。何が影響していたか。
お金に問題があった内容、一つ二つ。
思い当たらないでもない。
嬉しくないニュース、何かあったっけ？
サリンジャーの死？　いや、それほどショックではない。
強い感慨を持って読み耽った世代でもなく、
思い入れを持った本でもなく。

昨日、イザベラ・バードの話を老父とした。
でも、それは嬉しかった話題。
お腹や足が痛いのはしょっちゅうで、どうしていいものか。
研修はハードで楽しくない。それは仕方が無い。
遊びでは無いのだから。では何が？
もしかして、いや、やはり、そうかも。
昔懐かしい学びの場に久しぶりに顔を出した、研修後。
でも、それは起業を勧めるプレ説明会だった。

日本奥地紀行 (平凡社ライブラリー)

働く人の夢―33人のしごと、夢、きっかけ

鶏が先か、卵が先か。相談されるか、相談するか。
お金をかけるか、お金を集めるか。
お金を取られる側か、お金を取る側か。
仕事の内容をもって、お金を取る。それが対価だから。
しかし・・・。起業のうち、成功するものと失敗するものがある。
失敗しないようなノウハウやバックアップは有料の保険に相当する、
何かが必要。フランチャイズのような、一定量一定の質、マニュアル、
規定、ルール、最低ラインのお約束が。
どんな名で呼ぼうと、フランチャイズはフランチャイズ。
それを意識するかしないかは、ともかく。

通い慣れた路地を半年振りに歩くと、
あっという間に店の顔ぶれが変わり、
見知らぬ店が増えた。コンビニでさえも、自宅の周囲でも消え、
街中のここでもまた消え、根を張っていたかに見えた食べ物やも様変わり、
同じように、業界で生き残っていくために、新しい知を、
看板となる人材を、人寄せパンダを、操業資金を、集めては吐き出し、
吐き出すと見せかけて回収し、リサイクルする。
ミニマネーロンダリング。

夢を叶えよう。理想を実現しよう。潰してはならない。
万全のバックアップ。多年に渡る構想。慎重な審査の結果、選抜。
相談して下さい。私たちの思いを日本に世界に広げましょう。
輝く自分を手に入れよう、今よりも更に輝こう。
うーむ、なるほどねえ。「巻き込み｣の技法鮮やか。
しゃべる人間を権威付けの3段階。焦らして、もう少しお待ち下さい。
次回は計画内容はここまで明らかになります。
積極的に自分を高める貴方だから、描ける未来。
共に高め合いながら作れる世界。

・・・よくやるよなあ、起業の世界。その導入。
巻き込む限り、その人に連なる家族や経済状況、
諸々を掛けての大勝負になるというのになあ。
ゼロからのスタートを打ち上げるだけのバックアップがあると、
言い切れるだけ凄いことだと思う。そして怖い。
こんなご時世だから、親方日の丸が安全だとは言わないけれど、
なけなしの虎の子を、一切合財さらって行きそうな勢い。
この企画に乗せよう乗せようと誘導するあたり
そして、損益が出ても個人の裁量、力量、見通しの甘さ、
なんだろうなあ・・・。

そう、学びの課程ではある程度まで知識の裏打ちを持つ、
実用的な体裁を整えている。しかし、企業の誘いとなると、
自己啓発セミナーの勧誘そのもの、（贔屓目に見てもその模倣）
危険極まりないことは間違いない。
ただ、自分の資金をその仕事に掛けたい、その夢に掛けたいと、
心からそう思う（思わされている）ならば、話は別だ。
学ぼうと思う人間に悪気は無い。真剣に自分を変えたい、
人への理解を深めたい、自分に何が出来るのか知りたい、
自分という人間を通して人の世に働きかけたい、
そんな風に、真剣に考えている人が多いのは確かだ。

仕事という名前を持ち、学ぶという形をとり、
何がしかの餌を撒き散らして、それを達成感と思い込ませ、
自分にも出来ることがあると吹き込む、
それは形を変えた新興宗教のようにさえ思える。
行き場が無い、今のままの自分に満足できない人間の、
満たされない思い、負のエネルギーを
正のエネルギーに転換しましょう、そのためにはまず自己投資を、
そして、それを足がかりに起業を。

やりたいことがないヤツは社会起業家になれ

未来を変える80人　僕らが出会った社会起業家

確かに起業はブームだが、商売の裏側には持ちつ持たれつではなく、
やらずぶったくりの場合も少なくない。
ましてや目に見えないものをやり取りするとなれば、
一歩間違えば、効くか効かないかわからないマッサージよりも、
人の心を弄ぶたちの悪いものになりかねない。
だからこそ、吟味して資格を持った然るべき人間、
（然るべき自己資金を持つ子飼いの兵士）育成に力を注ぐ。
この手の業界の常套手段。淘汰される９５％に入らないように、
とは言うものの、それは何の保証も無い。

恐らくこの出来事は私にとっては衝撃的だったのだろう。
それを自分への投資、自己の夢を開拓・実現という言葉で
表現していいのかどうか、激しく疑問に感じたから。
巻き込まれることへの恐怖。
恐ろしさ。
エンロールは、熱い情熱ばかりを生み出すわけではない。
その恐ろしさを感じた一瞬。
多分、それが夢見の元凶。

講習、登録、審査、全てにお金が掛かり、
それを上回る業績は自分の営業次第、
自己満足は得られるかもしれないけれど、
生活費を維持できるかどうかはわからない。
物凄い賭け。そんな印象が間違っているならそれでもいい。
でも、私の心ははそんな風に感じたのだろう。
だから、虎の子が狙われ奪われるような感覚に襲われたのだ。
やれやれ。
私は狭量？　私は臆病？　
それにしても、余りにも神経質で気の小さな夢。
今朝の夢見の悪さよ。

験直しにクィーンの「ボヘンミアン・ラプソディー」を
娘のリクエストで見る昼下がり。

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