娘とのお喋りで
さて、何で昨日はあんなに機嫌が悪くなったのか、私。
『食堂かたつむり』のイメージ、自分とのずれ、
それだけであんなにもご機嫌斜め? 自分でも不思議。
職場で同僚と話。いつも沈着冷静すぎるほどの彼女、
さらりと「まあ、最近は食堂もんの話が流行りやからねえ。
かもめ食堂とか話題になったし、食べ物の話は分かり易いし、
柴咲コウでないと若い子は呼ばれへんし、
無名の新人では映画は儲からんからねえ。」とのたもうた。
確かに、私も分かっているけれど。
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豚のエルメスを食べる云々のくだりで、
「余りにもひどい・かわいそう論」にうんざりしていたのと、と、
「豚の背中に乗って世界旅行が泣ける」という意見が多かったので、
その感覚・感性・感想へのずれに落ち込んで、気分が悪くなったのだろう。
映画の中で良かったと思った場面を探してみて・・・
主人公のエスニック調の衣装。
かたつむりの刺繍を施していた所。
壁のタイル、モザイクのかたつむり、ステンドガラスの窓、
手作りのビラに色を塗るシーン。祈る場面。
少年のような初々しさを残している三浦友和。
和服の似合う女性、江波杏子。
厨房に入る柔らかい光。泡立つミルクボウル。
ふくろうの時計を見つける場面。
エルメスの料理説明場面と料理で世界旅行。
まだあったと思うけれど、思い出せない。
おっぱいの形に描かれた醜いCGの山、「あの子は誰」の音楽。
豚を乗せて走り回る母、ルリ子。喋る豚シーン。。
虫を入れた張本人が結婚式に参列している不気味さ。
豚を食べるシーンが無くて、豚に乗っかっていたのは駄目。
空になった皿を並べるだけでは、納得できない。
娘はシネコンが嫌と言っていたけれど、白馬を用意した所は○。
ちなみに娘のお気に入り場面。ふくろう爺のエピソード。
夜の仕事に出るルリ子が、ふくろうの時計を隠していたこと。
これは娘を一人きりにして寝かせている自分に返ってきて、心苦しい。
娘の中では豚に乗っかるハネムーンシーンが、
ルリ子と倫子の二人乗りに変化している、
そのことに泣けたらしい。
これも我が家の毎日の暮らしを思うと、複雑な心境。
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水泳教室の娘をピックアップして図書館へ。
相変わらず、軽いノベルばかりを借りている娘。
学校の勉強が面白くないのいつもの話題になる。
手応えや面白さを、小学校の日々の授業に求めるのは、ねえ。
捕まえられそうで掴めなかった吊革に手が届く、
爪先立ちでやっと手が届いた時の嬉しさ。
そういう楽しさ、スリル、わくわく感、
はまるツボ、人それぞれ異なるものの、娘には乏しい小学校。
うん、なかなか解けそうで解けない算数の問題が解けたときが嬉しい。
お、そう来たか・・・。
すぐに分かる、十分分かる、当たり前に分かる、易し過ぎる、
それは面白くない。何かに挑戦している時、それが楽しい。
そういう感覚がもっともっと身に付いてくれれば、かーちゃんは嬉しい。
娘とお喋りをしながら、解けなかった問題が解けた中学生の頃、
まだ数学が嫌いじゃなかった頃を思い出す。
ずっと引っかかっている。
何故、食べ物の話題に敏感になったのか。
学生時代は何を食べるか、どんな風に食べるか、
それは自分の身近な話題ではなかったのに・・・。
愛情と食べ物が、食べ物と感情が絡まった問題に、
引っかかるようになったのは何時からなのか。
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手が届きそうで届かない問題。
ああ、それは、私が料理を作っても、
母の手の込んだ料理を食べるなどということは、
トンとご無沙汰の毎日だから?
「自分を満たす料理=母の味」が恋しいから?
私の作る料理は娘にとっては母の味、
私の家族の味。しかし、私が求めている味は、
もっと違うものなのかもしれない。
家人と娘は私に、引退したら小料理屋を開けばと言う。
そんな冗談。家族の為だからあれこれ作れる。
料理を作るが、料理人ではないし、調理師でもない。
お客の為に料理を作ることは出来ない。
家に招いた人の為ならば、別だけれど。
お金の為に料理は出来ない。
それを仕事にしている人は別だが・・・。
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そうか、お金か。
何で昨日嫌気がさしたか。
商業ベースにのっとった料理本の出版、
人気女優、話題の新人、ベテランの脇役、斬新な演出、
でも、物語性以前に酔狂な仕上がりのバックに動くお金。
それが見え隠れして、嫌だったのか?
ロハスだのスローフードだの流行の言葉が、
商業ベース商業ベースと言うおまじないを呟く。
その言葉が見え隠れていて嫌だったのか。嫌悪したのか。
10日前、似たような話を聞いた。仕事の話。
仕事で、利潤を追求してはいけないとは言わない。
でも、人の心を取り扱うデリケートな問題に関して、
決して表に出さないように、商業ベース商業ベースという、
隠れたカリキュラムのようなお題目が聞こえてきて、
物凄く疲れる。特化して換金作業のように言い含められる、
そのペースに巻き込まれる事を良しとしない世界に生きていると。
娘とお喋りしていると、何も話題を振らないのに、
『食堂かたつむり』って、『豚のいた教室』を思い出すねと言う。
私がもう少し聞き上手であれば、どんな風に二つの作品を感じているか、
その差異をどのようにイメージしているか聞きだせるのだろうが、
娘の意識は休憩で遊ぶDSに飛んでいるようだった。
娘が友達と一緒に映画を見に行くようになるのは何時の日か。
たった一人で映画を見に行くようになるのは何時の日か。
それこそかたつむりではないけれど、ゆっくいいそげ。
日々の生活を露骨な商業ベースに載せられないように、
それなりに載せられつつも、自分の感じ方を大切にしていこうね、
娘よ。時には荒れて、時には落ち込み、のほほんとしつつ。
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