Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

ナカノシマ大学

本日のお話。仏教と落語の接点。これは面白かった。
但し場所が悪い。R銀行にけちを付ける気は無いが、
雨の中余りにも寒く、会場設営にもう少し工夫ができなかったものかと、
仮に雨が降らなくても、何の寒さ対策も無いロビー。
屋根があるだけで、屋外と変わらぬ寒さ。
もし、今度からこの場所を使う企画を聞いたら、
知り合いには駄目出しもの。
大体この企画に(毎回)参加する年齢層を見よ。
居心地・健康にこだわりたい年齢層の・・・。


場所提供の企業側に問題があるのではなく、
設定した側の問題か? 読みの甘さか。
雨と隙間風の惨憺たる会場に、
よくもまあ2000円もふんだくったなという感じ。
司会がマイク無しで話し始めた挙句に、
声が響くので耳を澄ましてお聞き下さいと言った時には、
隣の人も「え、このまま始まるの?」と驚愕。
そう、耳を澄ますも何も、後ろの席にはちゃんと語尾が聞こえない。


うるさい学生相手ならばいざしらず、
行儀のよい(目も耳も老化を辿る)熟年層ばかりの集団に、
何という失礼な物言い。さすがに後部席側ののスタッフが慌てて
マイクを用意しに行った模様。そうでなくちゃ。
講演が始まる前から、待たされるわ、寒いわ、
聞こえないわの3拍子にむかつき、血圧が上がりかけた。


前置きの愚痴が長くなった。本日は月刊『島民』から、
ナカノシマ大学3月講座〜仏教がわかれば、落語がわかる!
R銀行大阪本社1階ロビー 19:00
 ・釈 徹宗 講演「落語と仏教」
 ・桂 文鹿 淀川


結論から言えば、釈撤宗氏の「仏教がわかれば落語がわかる!」は、
下手な大学の講義よりもよっぼど文学と歴史、宗教に興味が持てる内容。
お坊さんならではの説教上手と見たが、
大学でも講義を持っておられるとかで、そちらも是非聞いてみたいもの。
確かに仏教説話も娯楽に近いとなれば、節を付けて面白おかしく
教義内容や例え話を行うのは、もっともな話で、
講和上手説教上手の見目麗しく声のよい僧が、
今で言うアイドル並に貴族や民衆からもてはやされたのも、
納得がいく話。(それを匂わせる話は「枕草子」にあるしね)


学識豊かでよろづごと相談も行い、カウンセラーも兼ねた僧が
難しい事を易しく面白く語る話術に長けていた。
それ故、ある時からある僧が出現したので、その宗派は信者を獲得。
わかりやすい説明。心揺さぶる教義よりも、人情話。
泣き、笑い、面白うてやがて哀しき心境になれる、
その瞬間仏性に巡りあう。そんな説教話が、いつしか・・・、
何時しか落語に向かっていった。さも、ありなん。

ゼロからの宗教の授業

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現代霊性論

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ナカノシマ大学。そんな大学は何処にも無い。
ミニコミ誌から大阪を盛り上げる、その拠点が中之島
私にとっては中之島は鬼門だった。何しろ自分を拒絶した大学の、
(不)合格発表を見にいった屈辱的な場所だったから。
中之島。青春も恋も手塚治虫の講演会の思い出も、
遠い遠いback to the futuerの彼方だというのに。


ナカノシマ大学。新手のカルチャークラブ、
職場からの息抜き、もう、仕事に掛ける情熱よりも、
一歩も二歩も仕事から遠ざかりたいと、
勉強や研修・出張の合間、終業後、物理的にも精神的にも
距離を置くのにもってこい?の催しといえようか。
自由な時間と体力がもっとあれば、
中之島周辺の大学や中之島に基盤をおく企業と連携した
「街歩きツアー」、「ワークショップ」などにも参加したいくらい。


今回の「仏教がわかれば、落語がわかる!」は講演と落語のジョイント。
出演は今をときめく?「宗教学者釈徹宗氏の講演と、
龍谷大学出身のの落語家桂文鹿の落語。
「落語のルーツが仏教?」等と言われると興味津々。
無粋な私も『ちりとてちん』以来、落語が好きになって来た私。
家人は以前からお笑いや落語好き。
今ある落語がそれぞれ何宗に関わるものか。
そんな視点から物事を考えてみたことさえなかった。


釈氏は元々浄土真宗の跡継ぎ。
小さな頃から仏教の素養があったわけで、
落語好きが物事を見る新しい視点になったのだろう。
世の中でもっとも生臭いお金と人の死に関わる、
葬式仏教徒さえ揶揄される日本の仏教界にあって、
人寄せパンダでは無いけれど、なかなかに影響力を持って
活躍されている御仁らしい。


お堅い宗派ではなく、在家結婚OKの自由な浄土真宗の僧侶なればこそ、
世の中の酸いも甘いも噛み分けて、世間と関わる事が出来る。
遠い高みから距離を置くのではなく、
ある意味生臭く生きていけるからこそ、庶民の気持ちもわかる。
そこから落語との接点を見出して話していく、
その話芸・話術はなかなか小気味よく、ロビーの寒さをしのがせてくれた。

落語は門外漢の私にとっては申し訳ないが全く知らない方。
落語家さんは沢山いても、繁盛亭にはまだ行ったことも無いし、
TVで見ない人は覚えられないし、何よりもみな似たような名前。
一人一人の話芸を覚えるほど聞き比べ見比べしている生活を送っていない。
今回かかった『淀川』は、関東では『後生鰻』というらしい。
題名の淀川は店の名前。


ストーリーはこちらを参考にどうぞ。


帰りも雨の中。すっかり冷え切った体を温める場所は・・・と
美味しいどころを期待したのに、個人で行くのにはあまりに高い
会社のおじちゃんが集まる「止まり木」に連れて行かれ、
美味しさよりもお値段が気になり、さっぱりも楽しめなかった私。
とーちゃん、見栄を張らなくてもいいから安心会計の店にしよう。
お酒や雰囲気が好きな私でも、お財布の景気が一番。
知的好奇心は何とか満たされたものの、雨にたたられた1日。
明日は朝一で歯医者だ・・・。

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親鸞の思想構造―比較宗教の立場から

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