Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

三たび彦根へ

本日はイースター。しかし我々は全く関係なくお出かけ。
琵琶湖一周、お花見列車の旅。何と春めいた響きであることか。
3度目の彦根と家族では初めての長浜へお花見列車で出発。
と言っても、車内に宴席があるわけでなく、湖国の春は桜に今一つ、
蕾ばかりを見て帰ってくる羽目になったのだが。


年を取ったというのだろうか、楽をしたくなったということか。
縛りのきつい団体旅行ではあるのだが、幾分のんびりしたスケジュールと、
琵琶湖を、もとい湖国の春をぐるりと電車で一周出来ると聞いて、
貸切列車の旅に家族全員で参加。家人はてっちゃん。
我が家の長距離ドライバー。(私の運転は安全性・機能性、共に問題あり)
家族旅行で長距離は堪える御年頃? 
いや、長浜には日本で最も古い駅舎、長浜鉄道スクエアもある。
という訳で、3度目の彦根と家族での初長浜へとミニトリップ。


新大阪の千成瓢箪のもとに集合。年輩者が多いのは予想していたが、
団体貸し切り列車に乗った瞬間、朝の8時半から飲み出すとは。
まあ、皆さん健康で健啖家であられるということですね。
某旅行者のお昼の花見弁当付き(夕食はオプションわっぱめし)。
朝のうちにお茶付きで配られて、ゆるゆると電車に揺られ、
(団体貸切列車なんて修学旅行以来とはしゃぐ家人)
ダイヤの隙間を抜けて、かなり昔の車両と思しき貸しきり列車は一路、彦根へ。
(昨年の記事はこちら→http://d.hatena.ne.jp/neimu/20090329
           http://d.hatena.ne.jp/neimu/20090506


3度目の彦根城を拝む私たち。昨春目に付かなかったものを幾つか写真に。
歌碑や、牧野富太郎氏が見つけた植物とか・・・。新たな発見。
彦根城にしか生えていないオオトックリイチゴの葉っぱだけをどうぞ。
登城する途中の休憩所、茶店の赤い日傘が眩しい。

 

 

お城の前ではひこにゃんがファンを集めて元気に踊っていた。
チケットを貰ったものの、待っていたら自由時間が無くなる。
昨年既に拝観した40分待ちの天守閣を素通りし、彼岸桜の下でゆっくり舌鼓。
ソメイヨシノには早かったが、この桜は繊細な花びらを見せてくれた。
御弁当も美味しく、上げ膳据え膳の旅行の恩恵をたっぷり。
やっぱり桜とお城って絵になるわぁ・・・。

 

 


思う存分一服し、改修中の欅御殿の思い出を胸に蘇らせつつ、
花の少ない大名庭園を突っ切って、真っ直ぐに茶室へ。
銘菓埋もれ木で御抹茶を一服。目的地はその埋もれ木舎。
前回見ること適わなかった井伊直弼ゆかりの場所。
自らの在りようを埋もれ木に喩えたわけだが、運命のいたずらで、
幕末の1ページを飾る有名人に。1昨年の『篤姫』では悪役にされてしまったが、
どうしてどうして、地元では大人気の人物。


不況でやるせなき状況に追い立てられる企業戦士も数多の昨今。
やるべき事をやればやるほど、居場所がなくなり、
身の丈に応じた生活どころか、理不尽な事を押し付けられることが多すぎ、
毎年3万人もの自殺者を抱える、斜陽としか言いようのない、日出ずる国日本。
今の日のもとの有様を見たら、開国か鎖国かの歴史の狭間を駆け抜けた大老は、
いかように思しめさるることか。

 


その埋もれ木舎から一歩出ると、御堀にはのんびり水鳥が遊び、
船がゆったりと進んでいく。何とものどかな春の景色。
大阪と比べてやや低めの気温ゆえ、春爛漫には程遠いが、
それでも湖国の春は伸びやかですがすがしい。
・・・されどその情緒を今風にしてしまうのが、かまびすしいひこにゃん音頭。
店先から『ひこにゃんひこにゃんひこにゃんにゃん」と連呼の歌声。
かわいいから許せるけれど、ちょっと活躍しすぎかなあ。

 

ひこにゃんがデビューしたての頃、福袋を買った時が一番初々しかった。
今では余りにも人気者になり過ぎて、食傷気味ではある。
それでも、これが地方都市の活性化に一役買っているのであれば、
よしとせねばなるまい。もとい、かわいいキャラクターであることは否めない。

 


13:10 彦根駅に再集合。再び列車の人となり、一路長浜へ。
昔々、ドライブで行ったことがある長浜。四半世紀も昔になった。
今、どんなふうに変わっていることか・・・。

彦根城 (PHPムック)

彦根城 (PHPムック)

大老井伊直弼 (光文社時代小説文庫)

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