Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

ハーベストの丘の昼


昨夜と全く異なる景色が眼前に広がる。せっかくだから10周年、
昼間の景色も見ておこうとやって来た。なあるほど、駐車場混雑のわけ。
施設の中に入らなくても野菜の産直所がある。ある意味、道の駅。
道理で買い物をしている人が多いわけだ。


イギリスの丘陵地帯? 
どう見ても外国の景色を模倣した昼間の世界。
日本の田園とは別世界を造っているから人気?
似たような施設は神戸の方にもあったはずだが、
近場でこんな所があるとは。勿体無い事をした。
桜の頃に来れば、芝生の上でお弁当を食べられただろうに。


老若男女、みんな思い思いに寛いでいる。
派手な音を立てるでもなく、のんびりと音楽を楽しむ一角。
芝生の向こうからはブラスバンドの響き。
思い思いにあちらこちら散策。

 
        

吊り橋を渡ると向こうは牧場地帯? 羊やうさぎに餌やりができる。
動物と触れ合うことが少ない現代、こういう場所は人気だ。
娘も早速手袋をはめて羊に餌を。黒い顔、白い顔、
みんなお腹を空かせている? めえめえと催促する鳴き声が凄い。
そのうち本日待望の羊の毛刈りショー。
一度ナマで見たいと思っていた。

 

  


やや逞しいお姉さんが、羊の着ぐるみを着た人と会話。
子どもも大人も楽しませる工夫を盛り込んで、さあ、今日のメインイベント!
羊の毛刈りショー!! 羊の毛はどうして刈るのか、
どこから刈るのか、そんな説明を背景に、ワクワクドキドキ。
鋏ではなくて電動バリカンであっというかに刈り込まれ、
あっという間に痩せ細り、丸1匹の羊が別の動物になったかのような感じ。
1年で再びこんなふうにモコモコになるのかと思うと、妙な感じ。

  


40年以上も前、父親の勤める紡績工場、この羊の毛の匂いが充満していた。
家族招待の工場内見学の記憶が蘇る。
出稼ぎの女学生を採用し、隔週定時制に通学させ、
毛織物産業が大阪の工業を支えていた頃の思い出が蘇る。


 


正面、横倒し、お腹や背中足の周り、どんどん刈られてあっという間に丸裸。
そしてこの1頭分の毛からスーツ一着しか作れない。
お腹近くの内側の毛の白くて柔らかなこと。
そして、外側は黒くて汚れていること。

 

 


ああ、母が幼少の頃、田舎では羊を飼っていて毛を刈っては毛糸を紡ぎ、
家族のセーターを編んでいたと言ってたっけ。
編み物も洋裁も上手だった母は、今は訳のわからない繕い物を手に握り締め、
人とコミュニケーションをとることも少なく、小さな世界で生きている。
羊の毛の向こうに、親から与えてもらった手編みのセーター、手袋、
手作りの品々が思い出から蘇ってくる。

 


季節は春、花畑は整備され、ハーブがあちらこちらに。
この菜の花の一角は秋にはコスモス畑になるのだそう。
真っ赤な葉の垣根、池に浮かぶ足漕ぎボートの白鳥。
親子して散策する後姿。娘の背は本当に高くなった。
もう少ししたら後姿だけは恋人同士のように見えるかもしれない、
父と娘の姿にちょっとした感慨。

 

 


空気を入れて中で遊ぶ昔は無かった遊具。申し込めず残念顔の娘。
斜面を滑るのも、ゴーカートも沢山人が並んでいて、あっさりと諦めてしまった。
その代わり、焼きたての胡桃パンを買って帰ることに。
色んな手作りの体験はまたの機会に。
今日は欲張りをせず、景色を楽しみ、のんびり過ごした。
六甲まで行かなくても、ここで山の雰囲気を楽しめるね。
ちょっと高度は足りないけれど・・・。

 


新学期、新年度。こんな所でのんびりするのもいいね。
仕事を忘れて、宿題を忘れて、人ごみを離れて、ね。
ハーベストの丘。時間を見つけてまた来たい。
近くて楽しめる場所。
娘がもっと小さいうちから連れて来てやればよかった。
ゴメンよ。大きくなると遊具で遊ぶのも恥ずかしい。
興味があっても飛び込んではいけない。
もっと無心に遊べるうちに、来れば良かったね。