Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

今津郷巡り

 
一泊二日のキャンプに行く娘を送った後、プチ空の巣症候群の私たち。
フリーペーパーで見かけた今津へ。
初めて訪れた阪神今津駅があまりに綺麗なので驚く。
後で考えれば、この近辺でお安くランチを食べておけばよかった。


灘の清酒で有名な酒どころ、灘五郷の一つ今津郷
最近はお酒よりも「米ぬか美人」で有名?な日本盛。
紹介記事の酒蔵通り煉瓦館は、かなり若い人向けに造られた施設のよう。
レストランも一体何があったのいうのか、?な雰囲気。
残念ながら家人が期待していたメニューもなく、がっかり。


どうにか案内されれば出入り口から丸見えの席。
なかなか注文を取りに来てくれないばかりか、
片付けるのに精一杯。席を間違えてオーダー持って来たり。
連休かきいれ時の土曜日としては、珍しくない程度の混みよう、
なのに・・・。連休を想定しての営業日とは思えない。
特別な予約でもあったのか、何なのか。


若者向きの店内は、造り酒屋のイメージは全く無く、
ややお洒落なその辺のショッピングビルと変わらない。
というよりも、近辺の通りに背の高いビルは少なく、
花水木の続く道沿い、少々悪目立ちしているくらい。
ガラス工房を兼ねたガラスショップ、レストラン、御土産物、
そして化粧品のコーナー。何かしら雑然としたイメージ。
連休企画の手作り雑貨のコーナーが店開き。


たまたま10周年の記念イベント、お酒とケーキと音楽のコラボ、
2階のフロアでそんな催しがあるという。
不本意な食事の後、お口直しも兼ねて参加。
野口英世御一人様で、御土産2本ミニボトルに、
ケーキと和菓子と利き酒3種類とは嬉しい。
おまけに飲み物はお茶・コーヒー・レンジジュース・お冷やが自由。
マチュアのクラシックを聞きながら、ちょっと上品な時間。
(もう少し演奏に力が欲しかったけれど)


予想外はもう一つ。ケーキを選ぶ私をよそに、
家人が真っ先に利き酒コーナーに直行!?
下戸のはずが、何に目覚めたのか。
演奏が始まる前から恥ずかしいほど赤くなり、
昔取った(はずの)杵柄の弦楽器には細かいチェックが入る。
お酒と和菓子は絶妙に合うが、
油の味がするのが嫌で、フルーツケーキを選んだ私。
こってりクリームを選んだ方々は残している。勿体無い話。


予定外だったがもう少し足を伸ばすことに。
若者向け仕様の日本盛の煉瓦館の物足りなさに、
もう少し造り酒屋らしい風情を楽しみたかったから。
白鷹禄水苑で昔の暮らしぶりがうかがえる展示品。


昔ながらの酒造り道具、酒器、御料酒納めている伊勢神宮の関係資料
ミニ博物館の白鷹集古館で酒造りの歴史。

ミニバーで季節限定品の利き酒を、
晩春の緑美しい庭でのひととき。


  

やっぱり日本酒はこんなふうにしっとりした雰囲気の所で楽しみたい。
モダンな今風ではなく、何とはなく昔懐かしいゆかしい場所で。


  

                 
宮水を運んだという、そのかみの車。
著莪やどうだんつつじ等、青もみじの植え込み、
ほっこりお地蔵様や灯篭。静かな木陰、甍屋根。

  


何もかもが和風の小さな箱庭の中で寛ぐひと時、
酔いが醒めるまで濡れ縁で家人はまどろむ。

  


何故か心惹かれるわらぐつ、縄文土器の伝統を思わせるような、
網目、縄目、結び目も美しい。

 


はや日は傾きかけて、心は急ぐが足ははかどらない。
白鹿を訪れるのはまたの機会に。今日は時間がない。
母の日を意識して並べられた品々を横目に、帰途に。

 


今津から西宮までそんな距離ではないと思ったのに、
足底板を付けていても足の痛みは増し、
そんな遠出をしたつもりはなかったのに。


帰宅するまでにあれやこれやと些細なことから話がこじれ、
犬も食わない喧嘩になった。
食事を作る元気もなく、悪酔いしたわけでもない。
とにかく足が動かない。そんなに疲れるほど歩いた?
これから始まる連休の第一日目。
娘は今頃杉の香りのする昔の校舎に泊まっていることだろう。
山の精気を吸っていることだろう。
吉野離宮の地、豊かな自然が残る所で。


かーちゃん、足が痛くて疲れてダウン。
お休みなさい。今津郷はまだまだ。
いつかもっともっと西宮郷まで。
早く、足、普通に歩けるようにならないかなあ。
ひたすら寝たい。娘がいないとやたら寂しい。
大人の時間と灘の利き酒も娘がいない寂しさと、
心の通い合わない時間に薄められ、
当たり前の生活の平凡な幸せに酔えない。
一日が走馬灯のよう。5日間の休みの1日目。