Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

娘は初潮干狩り 

朝釣りをするも釣果なし。とーちゃんかーちゃん、共に丸坊主
昨夕に続いて、全くこれだけ釣れない釣りも初めて。
もっとも、これだけ水が澄み切っていたら、
人間が来てるぞって魚にばればれだし・・・。
何度もこの海に来ているけれど、こんなに水が綺麗なのは初めて。
磯の「臭い」もしない。磯の「香り」もしない。


良くも悪くも海に来た! って感じがしないのは何故? 
今回妙に清潔すぎる? 
それとも記憶の中の海が余りにも汚くて、臭いのするものだった? 
はこふぐや時には鯖のような大きな魚、
舌平目のようなひらひらした魚も見える。
こんなに魚影が底の方に沢山見える一方、疑似餌も何もかも見え過ぎ。
朝五時からの早起きも虚しく、娘を寝かせておいて正解だった朝釣り。


朝食は昨夜の残りのカレー。おかずをバイキングで取っている際に、
ウィンナーを焼いていた電気調理器の線から、突如花火のような火花。
あたり一面焼けたゴムの臭い。いや、びっくりした。
ちょっとしたハプニング。それにしても、もう少し食事場所、
どうにかならんかねえ・・・。食堂が使えないから?


さあ、本日の本命。潮干狩り。実はずっと娘を連れてきたかったのだが、
何故か余り機会が無かった。企画すると潰れたり、
家族が余り乗り気ではなかったり、どうしてなんだ!と
心の底で憤慨していた浜育ちのかーちゃんだった。
小さな子どものうちに磯浜遊びを体験させずして、どうする!?
大人になってから、恥ずかしがる年齢になってからでは遅い。
そんな危惧も合ったのだが・・・どうやら楽しんでくれる年齢に間に合ったよう。


管理された浜辺、つまり貝を撒いてある浜辺ではそれなりに工夫が必要。
みんな濡れてもいい格好、ある意味海に入ってもいい格好で来ているが、
濡れたり汚れたり、体力の消耗はできるだけ避けたいかーちゃん。
炎天下、しゃがみながら砂浜を掘るのは結構体力を使う。
取る気満々の人は、柄の長い竹箒のようなくまでを持参。
貝を採るよりも、砂浜で遊ぶのに夢中になっている子どもも。


さて、人が掘り返していない、どちらかと言うと波打ち際から内陸寄り。
海草が打ち寄せられているような所をサクサク。
「鉱脈」を掘り当てては、かーちゃんはザックザックと浅利をゲット。
ここ掘れワンワン状態で、籠の中にずっしりと浅利が溜まっていく。
久々に娘の尊敬を勝ち得た感。わっはっはっは。
浜育ちを馬鹿にするでない。
小学校の遠足にも潮干狩りがあった頃、
「今夜のおかず」の為に砂浜で遊んだ経験を持つ私。


海の中に入ってまで、ずぶ濡れになりながら潮干狩りしたくない年齢。
どこぞのおじいさんが、孫の為に背中まで海に浸かっているけれど、
この水の冷たさでそんなことしていいの? 
もっとも、今日は夏日と言ってもいいくらい暑い。
だからこそ、油断すると風邪ひいちゃうよ、冷えておなか壊すよ。
他人事ながら冷や冷やしてしまう。



いくら掘り返しても無いとみんなが言っている場所から離れて掘ると、
これが不思議と出てくる。どうやら引き潮で洗われ流されてしまわないように、
かなり波打ち際から奥、砂浜の奥手に貝をばら撒いている様子。
アバウトな撒き方のせいか、こんなにかたまって浅利が取れていいのかって感じ。
周囲を見てみると、貝と石ころ、貝と砂の区別がつかず、掘り返しても、
そこに貝があると気が付いていない人も。うーん、まあ、保護色だからね。
今までに何度も浅利を食べさせて来ているのに、自分で掘った貝を海水でゆすぎ、
まじまじと眺めて「本当に一つ一つ模様が違うの?」を目を丸くしている。
やれやれ。人間の顔だってみんな違うでしょ。


そういう私も小学校の頃は妄想染みた想像力で、貝の文字に似た模様は、
海からのメッセージを刻んであるので特殊な方法を用いれば、
何らかの情報を解読できるのでは・・・なーんて思っていたっけな。
貝そのもののDNA研究なんぞすれば、
何処で取れた貝かぐらいはわかるだろうけれど、
海からのメッセージねえ。貝の模様に魅せられていたあの頃、
頭の中は実にファンタジーだったなあ。
ムーだのアトランティスだのに憧れていた小学生の頃、
海が埋め立てられていっていても、自分の庭のようだった頃。


浅利を掘りあて、「海の水でゆすいでくる」と喜んで足を濡らしながら、
砂浜を行ったりきたりする娘を見ていると、
かーちゃん連れて来た甲斐があったと満足感ひしひし。
3つ半まで過ごした阿南の浜辺では、こういうことは出来なかった。
というよりも、残念ながら海辺の記憶があまり残っていない娘。
埋め立て前の大阪湾、松の林が続いた浜辺を知るかーちゃんは、
自分の記憶や思い出を掘り返すが如くの勢いで、サクサク潮干狩り。

 


思い出の再生産、再体験。そんな時間が過ぎて、
取った数だけ持って帰れないのがお約束の管理された砂浜。
漁業権侵害・資源乱獲にならぬように、人数分だけ一定量が貰えるシステム。
残りの時間は、長い鎌を使って若布取り。
そしてお約束の白鳥号ミニクルーズ。
関空からの飛行機の爆音が響いてくる砂浜。
魚よりもくらげの数を数えながら船に乗っていた子どもたち。


海風は心地よく、心は楽しく、体は・・・予想以上に疲れ、
直射日光にすっかり弱くなった体力不足のかーちゃんは、
ヘルペスと歯茎の腫れ、頭痛、発熱に悩まされる午後となり、
ロキソニンクラリスで、何とか熱と痛みの暴発を食い止めた。
年は取りたくないもの、病気持ちにはなりたくないもの。
ヘロヘロしながらも、しっかり料理。


取ってきた若布を干し、砂だしをした浅利の酒蒸し。浅利の味噌汁。
新鮮な貝の旨みをたっぷり摂取。体力は食い意地で確保。
大型連休の最終日を、何とか維持したかーちゃん。
楽しかったね。また潮干狩り行きたいね。
美味しそうにご馳走にぱくつく家族を見ながら大満足。
こうして、ファミリー海洋キャンプは幕を閉じた。