Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

来週は幼馴染みと

 
とにかく残業で疲れている。
書類仕事に追われて疲れまくり。
食事も不規則なら、精神状態も今ひとつ。
そんな夜、突然幼馴染みからの電話。
久々に実家に用事で大阪に戻ってくるという。
来週末、食事でもしようかということになった。


考えてみれば長い付き合い。中1からの付き合い。
中1からでは幼馴染みとは言わないものかな?


そう言えば、赤坂プリンスホテルが閉じられると聞いて、
君の結婚式のことを思い出したんだよ・・・。
あの時は青春だったねー。
電話の向こうとこちらとで声を合わせて笑った。
そんな風に、直接声を聞くのは7年ぶりぐらいなのにすぐに話せる。
友達、親友、幼馴染みっていうのはいいもんだ。
すぐに昔の関係に戻れる。
(赤坂プリンス記事の思い出の記事はこちら


もっとも、彼女は結婚前も結婚後も冷静で、
「あたしたちには利害関係が無いから、付き合っていられるのよ」と
さらりと言っていたが。

親友のつくり方

親友のつくり方

なによりも大切なこと (心の友だち)

なによりも大切なこと (心の友だち)



彼女は、我々の間では「おひいさま」というあだ名を持つご令嬢だ。
むろん、本人はご令嬢だなんて思ってはいない。
しかし、家も庭も持たずに(社宅に庭があってもそれは借り物)
転々と居を移して育った人間と、テニスコートが取れるほどの庭を持ち、
離れや蔵があり、音楽や書物に溢れた環境で成長した人間が、
我々の間で「おひいさま」でなくてなんだろう。
色白の彼女を見ながらいつも思っていた。


屈託無く、前向きで、妬み嫉みの向こうにあるような、
そんな世界を背景に成長できる、自分の世界を持てる。
それこそが特権階級。
お金や家の心配をせずに、真っ当に成長している、
当時の私が彼女にそんな印象を持ってしまっていたのは、
親の内職姿や、共働きの忙しいサラリーマン家庭、
後に単身赴任家庭となる、どこかいびつで欠けている家庭環境、
我が家の欠損家庭的な側面に、引け目を感じていたからだろうか。


社宅族に付き物の、見えない競争やいじめの檻のせいで、
鬱屈して育ってきた人間には手に入り難い鷹揚さ。
自分自身に欠けている、人間的な温かみ、
悠々と趣味の海を泳いでいる雰囲気。
彼女は自分に無いものを持っている。
そう感じていたのは、私。
思春期、友人を作るのに持って来いの条件。
自分には無いものを持つ、友人の存在。


さて、彼女は「当時の私」の中に、
何を見出して今までずっとお付き合い?
実は、一緒に机を並べて過ごしたのはわずか1年。
私は中2で転校し、お互い別々の高校に通い、
それでも付かず離れず連絡を取り合い、現在に至る。
今はお互い「当時の自分たちの感じ方」とは異なるものを、
お互いに感じられるように、年をとってきているはず。


結婚前、「残された独身の時間を色々なことに使ってみたい」
と言う彼女に誘われ、20代半ばで始めたテニスは、
その後10年間、私の健康を支え続ける(暇を消費する)原動力になった。
漫画好きだった私たち。でも、ただ本を読むだけの自分に比べ、
オタクという言葉さえなかった遥か昔、
むろんアニメ世代いなかった時代、
ファンクラブや同人誌の世界を垣間見せてくれたのは、彼女だ。
手塚治虫にファンレターを書いて返事を貰った。
そんなきっかけを作ってくれたのは、彼女だ。


その彼女も、いまや大学生・高校生の母。
やっと自分の時間が取れるのよ、会いましょうとのお誘い。
うーん、先々月の赤坂プリンス記事の余韻が蘇る。
仕事に追われて余裕の無い時に、幼馴染みからの音信。
「朋遠方より来(きた)る」を心待ちに来週まで頑張ろうか。
ダイエットはお預けで。

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手塚治虫の世界

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