Festina Lente2

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友と会う

親友に久方ぶりに会う。親友、旧友、幼馴染み、
どんな言葉で呼んだらいいのだろう。
お互いを呼ぶときの言葉は決まっているのだけれど。
7年ぶり。娘が小さかった頃、埼玉に転勤した頃以来。
お互い大阪育ちだが、生粋の関西人なのに関東に暮らす彼女。
宮城県人2世のまま、関西人のようなじゃないような、
いつまでたっても生まれ育ちの点ではアイデンティティというか、
ルーツが揺らぐ思いの私。


待ち合わせ場所できょろきょろする私を見つけてくれたのは、彼女。
とりあえず、新しくなったなんば高島屋のレストラン街、
なんばダイニングで一服。
昔々の大衆的な家族向けレストランの時代は遠く去り、
見た目もお店もお洒落な感じに。


早速、香港スイーツの店「糖朝」で軽くお茶、
あっという間に2時間が経ち、
私の家族と合流して、みんなで台湾飲茶。
「鼎泰豊」なんばダイニングメゾン店で会食。
(京都店の方が、メニューもお味も雰囲気も上だと感じた)
あっさり味の熱々料理にほっとするひと時。


人の子供の成長は早く感じるもの。
彼女も娘の姿にびっくり仰天。前回会った時、あの頃は4つ。
娘もあと3ヶ月もすれば11歳になる。驚かれても当然。
身長はまだ勝っているものの、足の大きさでは追いつかれた。
このまま行くと、中学生になったら完全に抜かされそうだ。
彼女の子供たちも大学生と高校生。
私が会ったのはいつだったか、小学生と幼稚園ではなかったか。
出張ついでに泊めてもらった家は建て替え、新しくなったとか。
話題は尽きず、止まり木へ。

女ともだち

女ともだち

女ともだち

女ともだち



二人だけで久しぶりに夕暮れのミナミをそぞろ歩き、
ちょっと知られた70年以上歴史のあるバーの、
止まり木で昔懐かしい味を偲んで、カクテル。
そう、ショットバーが流行った頃は仕事や出張が忙しかった頃。
出向くたびに違うものを頼み、一つ一つ覚えて行った。
仕事帰りの一杯が美味しかった背伸びした思い出。


いわゆる酔客、おじさんたちが割り込んできて、
ちょっと気持ちが萎えたけれど、
(こんな時間まで外で飲んでいられるなんて、
 いい旦那を持っているねーだなんて、当たり前でしょ)
女性客二人連れは目立ったのかしら?


そんなお隣を、さらりと交わせる彼女と違って、
あからさまにうんざりしてしまう私。
代替わりした上に、土曜の夜とあって私の知る賑わいとは異なる、
私の舌が覚えている味とは異なるカクテルに、
通り過ぎていった年月を振り返ることができる、
お互いそんな年になってしまった。


人生の半分以上を知っている、中1からの付き合い。
それにしても「思えば遠く来たもんだ」の世界。
全く別の世界に住んでいるけれど、いつも彼女の言葉に驚かされる。私がなかなか言えない言葉を、さらりと吐いてくれるのだから。
「わたしは50を過ぎてから楽になったわ」だとか、
「もうこの年になると周りが羨ましいとか、
     あんまり比べなくなったわ」なんてね。


パン教室を開いている彼女は、師と仰ぐ人にパン作りを習った際、
厳しい駄目出しに、泣いて泣いて泣きながらパンをこねて、
発酵を見守るのに徹夜で過ごしパンを焼く日々だったという。
試行錯誤の長きに渡り、修行時代に汗だくになって
全身でパンをこねたので、腕に筋肉がつき、
太るどころじゃなかったわとにこやかに微笑む。
確かに昔のまま、学生時代のままに細くて美しい。
色白の彼女は昔から「おひいさま」と呼ばれていたが、そのままだ。


俗事にまみれた月日をさらりとさりげなくまとう姿、
私のように仕事でぐったり、体はずっしりの醜態を晒すことなく
年月を重ねてきたよう。いやはや何とも羨ましい。
もっとも、そういう風に見せることができるというのも大人のたしなみ。
殺伐と仕事にかまけたのを言い訳に、立ち居振る舞いも荒々しい
私なんぞは、彼女に会うと我とわが身を振り返り、赤面の至り。
生まれもっったもの培って来たものは
一朝一夕で身に付くものではなく。


自分が創ってきた自分を恥じることなく人を羨むことなく、
「飄々と生きて今ある」という風情に憧れながらも、
最も遠い場所にいる、そんな自分に呆れ返ってしまう瞬間。
それでも、旧友の前にいると素に戻れる自分がある。
だから気にならない。落ち込まない。
あれこれと年月の隔たりを忘れ、話し込むことができる時間。


女友達はいいもんだ。彼女がどんな風に思ってくれているか、
それは定かではないのだけれど。
仕事にかまけて家庭を持つのが遅かった私は、
いつも人生の一歩先を行く殆どの同級生たち、
妻として母としての先輩たちに情報は貰ってばかりの日々。


人生には経験したくなくても、襲ってくる大波小波が誰にでもある。
誰しも一つ二つは隠し持って生きている。
何も無いような顔をして世間を渡る。渡らざるを得ないことが多い。
もしくは何も無いような顔をしたくてもできないので、
大騒ぎしてしまうことも。
そんなこんなの一幕すったもんだを話し合って、
お互いの上を通り過ぎて行った時間、過去を振り返る時間。


そしてまだまだ残っているはずの、未来を夢見る時間。
そう、まだまだやりたいこと見たいこと聴きたいことしたいこと、
子供のこと、家族のこと、親のこと、
職場ではなかなか話すことのできない話題一から十まで。
楽しい時間はあっという間に過ぎる。
いつかまた会えるといいね。
大阪に里帰りしたら遠慮なく言ってね。
貴重な時間。会えて良かった。


本日土曜日、午前、家事全般。昼、スポーツジム。
午後から夜、旧友と会う。お茶、食事、止まり木。
いやあ、よくもまあ話し込んだもんだ。
お酒の後は甘いもの。
ミスド上級店cafe andonandで最後の一服。
久方ぶりに相見れば食べて飲んで食べて、
ひたすらしゃべって愚痴を言い合って、
幼馴染みはいいもんだ。友達はいいもんだ。
またね、また会おうね。会いに行くからね。

マンマ・ミーア! ザ・ムーヴィー・サウンドトラック

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魔法のカクテル

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