心をテストする

自分の心の中を見つめる時、色んなバイアスが掛かる。
人の話を聞く、小説を読む、音楽を聞く、どんな時でも考え方の癖がある。
自分にどんなものの見方パターン、感じ方パターンがあるか、
わかっているようで、わかっていない場合も、
わかっていないようで、実は的を得ている場合も、それなりに･･･。

自分の心の中を覗く、人の気持ちを推し量る、それなりに慮（おもんぱか）る、
でも、占いではないから当たるようで当たらない時も、
当たっていないようで結構図星かもという時も。
それは本人の受け止め方次第だと言われればそれまで、
信じ易い人は安易に暗示に掛かるように思い込む、結果。
最初から当てにしないまでも遊び心で試してみる、そんな人も。
絶対信じないと思いながら、悪いことは信じるもんかと肩に力を入れながら、
言われてみると、書かれたら尚更、気になってしまう。

それが、心理的な分析や投影の結果だと知らずに、
素直に自分の未来の指針にする人もいれば、
心のうちを見透かされたかのような後味の悪さを感じながらも、
認めざるを得ない結果に愕然とする人も、
自分に嘘を付きながらの結果だから、最初から当てにならないと、
自分もごまかし、結果もごまかし、最初から何も受け入れない、
そんな人は、別に誰の何の言葉も真剣に受け入れることが出来ずにいて、
何が目の前にあっても、ヒントにも助けにもしないのかもしれない。

目の前にある、ものの考え方を学びながら、
自分自身を省みながら、人のための「幸いなるかな」に繋がる啓示を、
啓示に繋がる言葉を、言葉に繋がる道しるべをちりばめる、
そんな碁盤の目の、ホップステップジャンプにも似た枠組みを、
構想を、アイデアを、イメージをまさぐりながら、机の前に座っている。

自分がわかる心理テスト―知らない自分が見えてくる (ブルーバックス)

自分がわかる心理テストPART2―エゴグラム243パターン全解説 (ブルーバックス)

例えば、深い海の中をダイビングして、海底を歩いている。
目の前に見えるものは何か？
あなたの目の前に見えるのは、･･･？
様々な選択肢が示されて、どれかを選択。
その背景に隠れているものは･･･？

詳しく書くことは出来ないが、正直に答えると不思議に良く当たる。
よくできているテストというわけか、万人向けだから当たり前なのか、
分析された内容、投影される意識、そういう気持ち･心の動きの、
当たり前と言えば当たり前の反応に頷きながらも、つくづく不思議。
ちなみに、私は「仕事を自分から沢山抱え込んでしまって、
しんどくなってしまうタイプ」らしく、確かに上手に人に振れず、
何でも自分で片付けたほうが早いやと思っているので、
当たっていると言えば、当たっている。・・・苦笑い。

しかし、隠れた問題がある。それこそが問題だ。
何故人は、心理テストや占いが好きなのか。
（むろん心理テストと占いは全く別物なのだが）
それを試そうとすることで、何が知りたいのかどうしたいのか、
本当に何もしたくないのならば、それは最初から無視されるだろうから、
何故「ここ」に近付いてくるのか･･･。

それほどまでに隠れている自分を知りたいのか、
知っている自分を再確認したいのか、
「ジョハリの窓」の全てを開けてみたいのか。
ちょっとした簡単な心理テストの向こうに見え隠れする自分、
その自分をどう受け止めていくか、心の準備ができているのか、
いないのか。（そこまで真剣にしない人、気にしない人はいいのだろうけれど）

人に何がしかのプラスのメッセージ、ストロークを与えることが出来る、
そういうものでなければ、本来の意味を成さない心理テスト、
分析の世界への遠い道のりを短縮して、切り取られたある側面、
心の断面、いつもと違った自分、本当はいつもの自分を、
どんなふうに受け入れていくかの手助けにしなければならない、
その設計図の麓に立つ自分はどうなのか。

改めで学びながら自分を問わねばならぬと意識する、夜。
新しく、目新しく、それでいて古い、学びの世界。
いつもと同じなのに、本当は違う、おなじみの世界に見出す、
新たな部分、意外な所、本来は隠れている私を探しながら、
その自分の向こうにいる誰かに繋がっている、
その事を忘れないようにしないといけない。

心理テストの設計図の前に立って、水鏡に自分を映す。
風で揺れるのか、地面が揺れるのか、自分で触って壊すのか、
水面（みなも）は安定せずに自分の顔をはっきり見ることが出来ない。
そんな水鏡の前に立っている気分、今日の私。
そんな私はどんな動物かと問われる。
だから、強いて言えば人間という名の動物の私。

精神科医、心理学者、セラピストが使う本物の心理テスト 1問1答編

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