Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

水木しげる展

念願の水木しげる展を見に神戸、兵庫県立美術館へ。
今日で『ゲゲゲの女房』も終わってしまったし。


朝の楽しみが減ったわぁ。それはともかく、戦地を生き抜くが如く、
21世紀になっても現役で、というか、何度も復活して人気を保ち、
漫画以外の部分、つまり20世紀を、戦争を、生き方・人生を伝える、
語り部的存在になってきているところが凄い、水木しげる
そういう人を支える家族も、おのずとその一翼を担っているわけだから、
今回の朝ドラは、共感できる部分が多くて楽しかった。
その余韻を引きずりながら、今回の美術館。

  


天気もよく、気持ちがいい。
ドラマのポスターの青空に負けないくらいの空模様。
その快晴の空の下、マイナーなようなメジャーなような、
妖かしの異形のもの達と過ごす私たち。

  


あ、一反木綿の顔が切れているけれど、記念撮影場所。
体重制限が書いてあったけれど、皆さん平気で載っていたので、私も。
本当に一反木綿がいたら、疲れた時に乗っけて空を飛んで欲しい。
目玉親父は見ている分にはいいけれど、本物がウロウロしていたら・・・。


家族全員この美術館はお気に入り、展示に見甲斐があるから。
難を言えば、レストランが今一つというところでしょうか。
それはともかく土曜の休日の割には余り混んでいなくて、のんびり鑑賞。
子供に帰って鬼太郎の世界、妖怪の世界を楽しんだ。
久しぶりに見てみれば、少年マガジン連載当時小学生だった私、
あの頃の思い出がオーバーラップしてくる。

  

  

  

そして忘れてはならないのは、今回水木しげる氏の体験した第2次世界大戦。
ほのぼのとした画風なので陰惨さは薄れているものの、
経験した人ではければわからない、戦地での日々。
ドラマでは戦争のことよりも、貧乏この上ない暮らしの方が強調されていたけれど、
悲惨な体験で落ち込んでしまい、人生を自ら潰してしまうことなく
日々画業に打ち込めたのは、奥様の力添えあっての事だろうと、
改めて色々考えてしまう。親子夫婦の縁(えにし)は不思議なものだ。


ゲゲゲの女房

ゲゲゲの女房

のんのんばあとオレ (ちくま文庫)

のんのんばあとオレ (ちくま文庫)


かつてNHKのドラマでは『のんのんばあとオレ』をやっていて、
鬼太郎の作者世界のルーツを垣間見たのだけれど、
今回は子供時代ではなく、成人後復員後の生活に焦点。
それでもさすがに自分が年を取って来ると、
人様の人生も俯瞰してあれこれ考えてしまう。

  


人と連れ添う年月の少ない自分だが、その夫婦夫婦ごとの在り方・
機微のようなものを、ドラマではさりげなく上手に演出していた。
何かに打ち込む連れ合いに、自分の時間を捧げる形で貢献する、
そういう生き方をしていない自分であるだけに、何かと考えさせられる。
人は一緒にいると似てくるものだという。
似たもの夫婦というが、さて、家人はどのように思っているだろうか。
縁あって連れ合いになってみたものの、妖怪と一緒になったと思ってはいないだろうか。

  


いつかは行きたい鬼太郎の町、境港の観光ポスター。
同僚は昨年の夏、子供を連れて行ってきたという。
私たちものんびり温泉に漬かりがてら、出雲の地に、
それこそ10月は唯一神有月と呼び慣わす、かの地に旅行したいものだ。

  


さて、娘は明後日が誕生日なので無礼講。かーちゃん共々、あれもこれもと
いつもにもまして「お土産」を買い込んだ。くじも引いてみた。
鬼太郎トランプ、花札、ストラップ、飴、ファイル、絵葉書、文庫本、などなど。
昔懐かしい、そう、郷愁と呼ぶものと、人生の先輩としての憧れと、
怖いもの見たさの妖怪の世界以外に、しみじみとさせられる20世紀を辿りながら、
後ろ髪引かれる思いで美術館を後にした。

  

  

水木しげるのラバウル戦記 (ちくま文庫)

水木しげるのラバウル戦記 (ちくま文庫)

総員玉砕せよ! (講談社文庫)

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