Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

アバター特別編 

アバター(特別編)』を見た後 満月の下を歩く
昨日は仕事絡みで京都へ。途中、ビールも飲み、ランチも食べ、
宇治の川沿いを眺め、ちょっとばかしハイキング気分で歩いた。
いやあ、毎日こんな仕事だったらいいのにな・・・。

帰宅して、しばし休憩。気が付けばやっぱり疲れて眠っていたらしい。
気を取り直して、残業を諦め、娘も家人も出かけて1人なのを幸いに、
22時からの「アバター特別編」を観にいった。
何故か今回は前回よりも眼鏡が楽で視野が綺麗で、
気持ちよく3時間過ごせた。色彩的にはイバラードに似ている世界。


蒼い蒼い世界の不可思議な浮遊感がイバラードを連想させる。
いや、あっちがイバラードのぱくりだよね。
浮遊している大地の映像を見ながら、やっぱりそう思った。
『耳を澄ませば』ではイバラードの住人は猫だったけれど、
この作品ではパンドラの人々がそうだ。


おや、そうか。
作家にとって作品世界が想像の限りを尽くす別世界。
アバター』もまた、特別編を作って公開するのは、
単に興行上の二匹目の泥鰌を狙っただけではなく、
9分間の未公開映像をお蔵入りさせたくなかったってことか。
分かる気もする。せっかく創り込んだものをごくごく一部の人だけが知るのみ。
そんな勿体無いこと、創り上げたからには公開せずにはおれない。
共有せずにはいられない。


そんな世界だったんだろうなあ・・・。
いいなあ・・・。
誰が? 作り手が? 作品世界の中で人間からパンドラの住人に
生まれ変わることが出来る主人公が?
前回公開時に『アバター』を見た時に余りにもベタな構成、
西洋人の罪滅ぼし的優越感の拠り所、未開人扱いしていた先住民の
自主独立、文化尊重の流れに辟易し、21世紀になっても
所詮作品の中でやることは変わらないとうんざりした私。
http://d.hatena.ne.jp/neimu/20091228/1262231161

The ART of AVATAR ジェームズ・キャメロン『アバター』の世界 (ShoPro Books)

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でも、今日は粗筋が分かっている上で、観に行った。
未公開映像も興味があったけれど、純粋に別世界に浸りたかった。
今宵満月、空は青い。
秋空の広がる、星は余り見えねど、大空の広がる、
その中空、その宇宙の彼方、ほんの少し夢を見る。
蒼い蒼い人間が森の中で、自然の中で狩をし、命を慈しみ、
空を翔び、愛を交わす姿を見てみたかった。


荒々しい人間の物欲ではないものが支配する青い星、パンドラ。
その夜の光の中に照らされて発光する生き物、植物動物、
夜の気配に息づく様々な生命の姿を、
作り物の世界の中の、されど、生き生きとした世界を
ゆっくり味わいたかった。


独り帰宅する私の頭の真上に煌々と満月。
月の青い光を浴びて若返りたい・・・。
パンドラの生命力を帯びたい。
そんな夜。

アバター 公式完全ガイド

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