Festina Lente2

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佐野洋子逝く

決して大好きな作家というわけではない。
『百万回生きたねこ』のファンではあるが。
あ、そうだ、走っていくクリスマスツリーの話も好きだった。

100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)

100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)

新装版 わたし クリスマスツリー (講談社の創作絵本)

新装版 わたし クリスマスツリー (講談社の創作絵本)


それでも大人になってから読んだ絵本、エッセイだったので、
子供の感性で読み解いた本は一冊も無い。
オマケに、谷川俊太郎の奥さんだったことを知った時、
ああそうなんだと思い、そうだったのかとも思い、
割り切れないような、それでいて納得できるような、
複雑な気持ちになったことも確か。

ふつうがえらい (新潮文庫)

ふつうがえらい (新潮文庫)

日本の名随筆 (別巻48) 夫婦

日本の名随筆 (別巻48) 夫婦


工藤直子を知った時、その詩集の挿絵が佐野洋子だった。
これって子供の本じゃないよね、何だか自分が毒されていくようで怖い、
そう思って読んだ佐野洋子のエッセイ。
生々しく、静かな迫力のある読後感は、私にとっては力を得るような、
さわやかなものは何一つ無く、考えさせられるしんどさばかり、
どさっと投げ出されて、ため息を付きたくなる、
そんな内容が多かった。

はだか―谷川俊太郎詩集

はだか―谷川俊太郎詩集

クク氏の結婚、キキ夫人の幸福

クク氏の結婚、キキ夫人の幸福


私が若すぎるから付いていけないだけなのか。
厳しい時代を生きて来た、そんな人の後姿を眺めながら、
自分には到底理解できない、したくも無い世界だ・・・と半ば諦め、
距離を置いてきた。それくらい、その個性に巻き込まれ影響されることに、
抵抗を覚え、抗いたいものを感じさせた存在。

役にたたない日々

役にたたない日々

わたしが妹だったとき

わたしが妹だったとき


乳がんだった。それにしても早すぎる。72歳。
ただでさえ女性の平均寿命が長い今の時代に、この年齢では。
早過ぎる。いや、よく分からない。
闘病を公表していた人間は、戦う姿勢と同時に諦観を併せ持つ。
どこかで終点が来ることを意識しつつ、毎日を生きること。
それが、望んだ生活だったのだろうから。
いや、望まなかったとしても、生き方だったのだろうから。

がんばりません (新潮文庫)

がんばりません (新潮文庫)

覚えていない (新潮文庫)

覚えていない (新潮文庫)


あの、あくの強い、個性的な迫力は、永遠に彼方に逝ったのだ。
そう思う、今日の夕刊の前で。

神も仏もありませぬ (ちくま文庫)

神も仏もありませぬ (ちくま文庫)

問題があります

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