Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

庭の秋 2010

色々思い悩みながら仕事は続くよ、どこまでも。
野を越え山越え、谷超えて・・・。
時間に不規則な生活は、根性なしの自分の不摂生。
気が付けば、朝11時。出勤しなくてもいいと休日の安心感?
いえいえ、少々風邪気味、微熱でふらふらしている。
微熱が一番だるい時。
今日は・・・娘とハリポタを見に行く約束の日なのに。


仕事を終えて週末になると、疲れがどっと出る。
いやいや、週末だから休日だからと気弱になると体がばてる。
ただそれだけのこと、それに負けてはいけない。
そう言い聞かせて、活動? 開始。
掃除をせねば、ゴミを出さねば。布団を干さねば。
実家で過ごす休日は、家政婦と化さねばならぬ。
されど、実家には庭の楽しみがある。


やや、萎れ気味のピンクのバラ。
白や黄色のバラたちはどんどん自然消滅してしまった、
実家の四季咲きのバラの中で、ピンクが一番長命。
勝手口の残飯という自然の肥料のなせる業か?

  

 


昔は菊の花もあれこれ丹精して大輪を育てていたが、
今となっては、それも昔。
勝手に咲き零れている小菊ばかりが庭のあちこちに。
色も様々だったのに、白と黄色ばかりが残っているとは。
株分けもせずほったらかしの菊たちは、バラ同様、
年々小ぶりになっていって、先祖帰りしているような。

  


大きく高く育てていた筈のローズマリーの小垣は、
壊されて一部が残るのみ。青いかわいい小花を付けている。
薫り高く虫除けにと植えていた筈なのに、しばらく見ない間にどうして?
これから冬の料理、煮物鍋物に洋風の香りが欲しい時、
市販のパンを自家製のように薫り高くしたい時、
じっくり焼く肉の香り付けに、何かと便利なハーブ。
このローズマリーをほんの少し散らすと、たちまち豪華になるのに。


庭の片隅にひっそりというにはやや大きめの、黄色いツワブキの花。
無節操に伸び放題の庭にも、秋の実りを思わせるものも。
小鳥たちに突付かれてしまう木の実、正月まで取っておきたい南天
小さな石榴? にょきにょき伸びたアロエ
今年初めて実がなった柿。勝手に自生した細い木なのに、
誇らしげにどっしりと実を付けている。

  

  


あれは枳殻(からたち)、いや違った、喉の薬になる
小さな黄金色の金柑、その隣、あれは何? 何の実だっけ?
実家の庭にある草木の名前がわからない情けなさ。
ただただ実りの秋の草花や木々に見とれる。
風邪などひかぬ自然のありのままの移ろいに。

  


外に一歩出ると、落ち葉の掃除が忙しくなってくる。
なので、暖かい時期に切り落としてしまった蔦も、
なかなかの生命力でしぶとく張り付いている。
大きな葉はあっという間に落ちていくのに対し、
小さな葉はまだまだ元気に壁を這い、しがみついている。
そのタフな姿に胸と突かれる思い。

  


観賞用の庭というよりも、両親が忙しい合間を縫って、
家計の足し、家族の健康を考えて家庭菜園として維持してきた庭、
その愛情の賜物の庭を、私は世話し維持することは出来るだろうか?
老父がかつかつ耕し、園芸療法実践? 母が雑草を引いている庭。
この庭の恵みをたまに頂く、ついばむだけの私。
野菜不足は風邪の元。緑の野菜が裏庭で微笑んでいる。


ただただ、秋の憂いを身に秘めてせっせと巣繕いしている蜘蛛。
昨年詠んだ歌を思い出した。
大好きなブログに詠んだ、この歌。

病葉(わくらば)の衣片敷き揺れる蜘蛛 
          弱る日差しこそ愛ほしけれ    寧夢


わが実家の裏庭の蜘蛛は何を考え糸を紡いでいることか。


メモリー~夢想~

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スクリャービン:プロメテウス、 ピアノ協奏曲

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