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人権歴史館を訪ねて 

差別 部落 坂田三吉 水平社宣言 水平社運動、
悲惨な貧困の連鎖、識字運動、
そこにある文章や記事が何を意味しているのか、
残念ながら初めて見るものが多く、殆ど実感を持たない。
しかし、わからないからこそ学ばなくてはならないのだと思う。
知らないことは恥ではない。でも、わからないから放っておく、
知らないから放っておく、それが怖い。


親から聞いたこともない話。周りでどんな風に?
仕事をしていて、どうしてもかかわらざるを得ない様々な研修がある。
その中に必ず入ってくる、人権の問題。
それは、例えば今話題になりがちな、セクシュアル・マイノリティの問題。
12月1日世界エイズデーだというのに、
余りにも話題にされていないHIV・AIDSの問題。
ハンセン氏病やその他、様々な病気や障害が「迫害」「異端視」されてきた歴史。


職業上の分業や、支配階級社会の仕組みの中に巧妙に組み込まれて、
いつの間にか専門的な仕事、特殊な領域、特別扱いが区別ではなく、
差別・蔑視となり、綺麗事の棲み分けや見て見ぬ振りになる。
そういうことが子供の頃はトンと分からなかった。
今でも生理的に受け付けない、ではなく、
生理的に何を意味しているのか分からない、そんな感覚。


研修や講演が繰り返されても、実感が遠いところにある。
どうしてみんなそういうことを知っているのか、
どこで学んできているのか、不思議なのだけれど、
知ることが知らないことよりも本当にいいのかどうか、
戸惑ってしまうことさえある現実を、博物館や資料館の展示で、
改めて知らされることになる。

人権でめぐる博物館ガイド

人権でめぐる博物館ガイド

人権学習プログラムと博物館

人権学習プログラムと博物館



街の中に、再開発の中に、美々しく整備された建物の向こうに、
新しい街づくりの、わざとらしいネーミングのありように、
どれ程違うか、差異があるか、近寄り難いのか、
みんなが貧しかった頃の昭和の30年代を知っているだけに、
(それ以前は直接見聞きしていないのだから)
棲み分けを強制された人々の歴史を、見てきたような嘘をつきながら
一つ一つ掘り起こすことなぞできないのだけれど、
博物館で初めて知ることは強烈だ。


最後に、講演の講師の先生は熱く語っておられたけれど、
1週間前奥様を亡くされたばかりだという。
仕事とはいえ、まだ外を出歩くのも辛い時期に、
貴重な時間を割いての実践報告、講話、講演。
人間にとって当たり前のことが、捻じ曲げられて今に至る、
その背景を、実態をほんの少しばかり聞きかじり、見て回る今日。

ビジュアル部落史

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人権で世界を変える30の方法

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