Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

平凡な12日

いつもの家事に追われて一日が終わる。
布団を干し、掃除機を掛け、買い物に行き、食事を作る。
もって帰っていた仕事で片付けようか、せめて手をつけようかと
算段していたことはどんどん後回しになる。
いじましく時間があれば等と思って、持ち帰ってきた仕事は
さっぱりも手が付かないままもう、見るのも嫌になる。


昨日のお土産のラザニアを暖めて、娘と2人で食べる朝。
ほんの少し、ゆっくり出来るのも束の間。
娘は冬休みの講習のために公開テストだとか。
1日家にいると、食事を作るだけで時間が経っていく。
これを幸せと言うべきなのか、つつがなくと言うべきなのか。
年末を目の前にしながら、年賀状の準備もせぬまま、
訃報の葉書のみ間違いがあってはならないと控えてはいるが。

たのしきわが家 (中公文庫)

たのしきわが家 (中公文庫)


昨日一昨日、久しぶりに文庫本で読んでみた田辺聖子
『たのしきわが家』結構昔の本なのに、ここに描かれた家庭ドラマ、
自分にとっては、いかにもうなずける事ばかり。
団地族ではないけれど、両親が社宅一戸建てに住まうまでは、
団地に住んでいた。結婚後も偶然同じような団地に住んでいた。
社宅と言えば聞こえはいいが、リビングキッチンなんぞありはしない。


それでも住めば楽しき都、団地から始まる夢がある。
私も結婚後は小さな住まい。庭はなくとも1階に住んでいたので、
目の前の景色は借景と思えば腹も立たない。
次の引っ越し先も、マンションと言われればマンション、
団地と言われれば団地。社宅という名の集合住宅。


いつも電車の窓から見るマンションの窓は、色とりどりの照明。
カーテンをすかして見える電球色、蛍光色。
ゆるりと動く影もあり、窓越し筒抜けの景色あり、
薄い壁を間に隔てて、家族ドラマはあっちでもこっちでも展開。
ゾルとゲル。壁は細胞膜。そこで生まれては消えるドラマ。
細胞分裂するが如く育ち行く家族? 
小説の舞台も団地なのでいっそう、思い重ねてあれこれ想像する。

老いてこそ上機嫌

老いてこそ上機嫌

田辺聖子の人生あまから川柳 (集英社新書)

田辺聖子の人生あまから川柳 (集英社新書)



物語の世界は20代ならば少々判じ難いところもある、
いわば大人の世界の機微を通じて表現されているものの、
大阪人というもののものの感じ方考え方、
言葉遣い、中年の物思い、夫婦の在り方、団地族、
色んな角度から楽しめる内容なれど、
独身時代に読んで、はたしてこの醍醐味は味わい得たか?


実際分からんかったろうなあ・・・。
四半世紀以上昔の本でも、普遍的な人情は変わらないとしみじみ。
干した布団を取り込みながら、人の世の当たり前の年の瀬。
人の親としての当たり前の心配。
家人と電話で話せば、居間に炬燵を出したとのこと。


しなければならないこと、家の内外。
時間はあっという間に過ぎる。楽しければ楽しいほど。
明日からはいつも以上のきりきり舞いの忙しさが始まる。
嵐の前のひと時のような、今日の日曜。
あれこれと家の中を少しずつ片付けただけで
あっという間に終わる。全くもう。
出かけても出かけなくても、あっという間の1日。

女のおっさん箴言集(しんげんしゅう) (PHP文庫)

女のおっさん箴言集(しんげんしゅう) (PHP文庫)

上機嫌な言葉366日

上機嫌な言葉366日