Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

嵯峨野を歩いて

短い冬の日も傾いてきたが、冬至なのだから当たり前。
急ぎ足で御髪神社、常寂光寺、落柿舎を巡り歩いた。
本当はこんなに沢山あちらこちら歩くはずではなかったのに、
もう少しもう少しと欲張って由緒ありげな場所を散策するうちに、
真っ暗になるまで歩き回る羽目になってしまった。

   

   


何故か猫がいる御髪神社は、理容師美容師が詣でる神社。
少し歩いて、常寂光寺。紅葉散り敷く情緒というよりも、
ごみと化した落ち葉、惨状を清掃中というところ?
箒でかき寄せたりせずに、苔などを傷めぬ様空気砲の様な
太い大きな筒で風を送って掃除をしていた。なあるほど。
1週間早ければ、絵葉書にあるよう案綺麗な庭園を散策できたのだろうが。

   

   


藤原定家の時雨亭があったとされる場所、
小倉山から嵯峨野を一望に見渡せるこの土地を、
角倉了以が寄進し、小早川秀秋が伽藍を整備したという。
運慶作と伝えられる仁王門。さてもさても由緒ある常寂光寺。

   

   


日蓮宗の寺だとは知らなかったが、多宝塔を見た瞬間、
どういうわけか高野山を連想してしまった。
それにしても大河内山荘といい、この寺といい、
アップダウンの激しい庭園散策で、やや足元が・・・。

      


ここで帰ろうと思っていたが、道端の地図を目にした家人、
ほんの少し先だからと、芭蕉の弟子、向井去来の別荘で有名な落柿舎へ。
昔は柿の木が沢山植わっていたのだという。
それよりも、隣に皇女の墓所があったりして、
どういう土地柄なのかと、その方が気になった。
墓所、墓の横に別荘? 別邸、別宅?
何とも奇妙な取り合わせに。

   

    


もはや辺りの景色も判然としない中、着物姿の観光客あり。
やはり京都だなあと実感する。
庭の鹿嚇しとトロッコ列車の汽笛と常寂光寺の鐘が響き合い、
俳聖にゆかりの場所は、何とも風情ある音の景色。
「落柿舎に 汽笛 鐘の音 鹿嚇し」

      


ライトアップ期間が終わってしまった真っ暗な竹林を歩いて、
夕闇の中を、嵐電の嵐山駅の足湯を目指して歩いたのに、
こともあろうに、18時でおしまいとは。
疲れた足を癒すことも出来ず、がっくりしたかーちゃん。
観光地とは思えない、閑散とした駅。
紅葉の頃が終わったから?
食事はしたものの、18時半閉店の慌ただしさ。

   

    


途中、成城石井でクリスマスのお弁当のおかずを買った。
そして、娘へのしゃばけ読本としゃばけカレンダー。
クリスマスの賑わい、思い出すのは今日のプチトリップではなく、
娘へのプレゼントの追加。
クリスマスイブイブの今日。明日は24日。

嵯峨野明月記 (中公文庫)

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嵯峨野紀行―山本建三写真集 10 (TOHO ART BOOKS 20)

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