Festina Lente2

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久しぶりに「タルカス」

題名のない音楽会。本日はまた一風変わったお膳立て。
オーケストレーションされた「タルカス」。
重厚なELPのシンセサウンドととエキセントリックなジャケットで、
一世を風靡したプログレの名曲「タルカス」を交響曲で聞く。
あれは何時だったか、還暦のキース・エマーソンのコンサートで
かつてオリジナルの「タルカス」の一部をを聞いた日。
今や古びたモーグシンセサイザーの時代を思い起こして、感涙。


管弦楽でこの曲の雰囲気を再現しようにも、
叩き込むような破裂音を弦楽器で演奏しきれない。
だから、何とも魔が抜けた感じになるのは否めないが、
ファンとしては愛すべきELPの「タルカス」が、
この21世紀、どんな仕上がりになっているのか
全曲聴いてみたいので、早速アマゾンで注文。

タルカス~クラシック meets ロック

タルカス~クラシック meets ロック

タルカス+1(SHM-CD紙ジャケット仕様)

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きっと日本全国こんなファンがいるに違いない。
プログレファンとはこういうものだ。
大体にして音楽が好きで、クラシックが好きで、
楽器を演奏することも好き。
今日のこの番組を見て、かつてのプログレ熱を思い出し、
若かりし頃の思い出に浸ったアラフィフは多いに違いない。
プログレ万歳! 私の10代から20代に掛けて。


高校時代から大学に掛けて、長い長い曲を飽きもせず聞きまくった。
クラシック畑のピアノから入って行った私は、キーボードに惹かれた。
ピアノ弾きでなくても憧れただろう、ハードロックの華麗なギター。
ギター弾きでなくても夢中になっただろう、プログレの華麗なキーボード。
エスリック・ウェイクマンELPキース・エマーソンは、
憧れの頂、プログレ山脈の巨大な頂点だった。

危機

危機

こわれもの

こわれもの



「タルカス」はある意味ファンタジックで、SFもどき、宗教スパイス。
私が「エンブリヨ」という単語の意味を覚えた歌詞、
そして、・・・高校時代に好きだった人から借りたアルバム。
当時はレコードジャケットはラブレターにも等しい。
絵でありメッセージボードであり、ステイタス。
自分自身を証明するアイデンティティの一部だった。


プログレを愛すること。プログレファンの特徴。
一味捻ったものも好きで、おまけに長い曲を聞き込むことが好き。
音楽の世界に浸ることで見出した志向性が、天啓のように脳内に響く。
ロックかクラシックかという二者択一は存在せず、
ロックとクラシックは常に共存できると信じていた。

展覧会の絵<スペシャル・エディション>[国内初DVD化]

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展覧会の絵+1(紙ジャケット仕様)

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特にキース・エマーソンのファンならば、
彼が銀行員の時代からひたすらピアノを弾き込み、
趣味の楽譜集めが高じ、念願の交響曲を作曲し、
とうとうロックコンサートツアーがオーケストラを連れた大々的なものとなり、
スコアの難しさに奏者が逃げ出したという噂を耳にした。
そのピアノコンチェルトを目覚まし代わりにタイマーに繋いでいた、大学時代。

ジーザス・クライスト・スーパースター ― オリジナル・サウンドトラック

ジーザス・クライスト・スーパースター ― オリジナル・サウンドトラック


ジーザス・クライスト・スーパスター」が中学時代の目覚ましの音だった。
それは何時しか、プログレの数々の楽曲となり、青春時代の私の朝を開いた。
音楽は、心の安らぎ、活力の源。この音楽から得るエネルギーが尽きることなど、
当時は考えることさえ出来なかった。
今では一日音楽なぞ聞かずに過ごすことは、珍しくも何とも無いが。


「タルカス」をかつてピアノで弾いた女性がいた。
その時もCDを手に入れた。
しかし、ファンというものはそういうものだ。
自分の好きな色の洋服を着るように、自分の好きな楽曲にまつわるものを、
手に入れたくなってしまう。「タルカス」色に染まった世界を覗き見たい。
無論この場合は、聞いてみたい「音色」であるのだが。


手に入れたものの仕事が余りに忙しくて聞く暇が無い。
というか、雑念に惑わされず聞く時間を持ちたい。
中断されず、じっくりと。
かつてのように、ひたすらレコードの前に座り続けて、
実家の応接間が、音楽の殿堂のように感じた頃のように。
日常の中の「非日常」を孵化させたいのだろうか、私は。
そんな思いにとらわれながら、如月は最後の10日間に突入。

タルカス&展覧会の絵

タルカス&展覧会の絵

恐怖の頭脳改革+3(紙ジャケット仕様)

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