Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

残照の舟遊び

楽器店巡りの話は明日にアップしましょう。
というのも、さすがに病み上がり、仕事疲れの体に、
5つの楽器店巡りはきつかったよう。
何しろずっと立っていたので。
普段も立ち仕事なのだけれど、今日は思いのほか寒く、
このところ流動食で痛み止めを飲んでいたので、
余計に体力が落ちている感じ。



一番最初のビルの1階、娘のお土産を探すのを兼ねて、
地元の音楽活動にも貢献している、今回のゲスト、
丸善ボタンさんのお店をちょっとだけ覗く。
いくつか買い物。時間のある時に、娘と一緒に手芸をするため。
でも、こんな時間は殆ど取れそうにない。
やりたいことはいっぱいだけれど、本当に行動を起こすには、
もっともっと気力体力が必要。それに十分な時間も。

 


本当はゆっくり座っておいしいご飯を食べたい。
けれども、楽器店めぐりから天満橋方面、駅へ向かうと、
八軒屋浜の向こうの桜、船が目に入って心が騒ぐ。
そう、たった今造幣局桜の通り抜けが終わった時間。
震災の影響で夜のライトアップがないために、
人の波は夕暮れ時がピーク。土産物屋も今が稼ぎ時。


久しぶりの二人だけのお出かけなので、船から桜を眺めることに。
今年は寒いので、(今も寒い)散り遅れたというか、
咲き残っている桜の木が多いのだとか。
かなり情緒をそぐ屋台の後ろ姿と人ごみを逃れて、
船の上から寒さをこらえて、川面を進む。


  

  


寒い寒いといいながら、塩サイダー片手に。
あれに見ゆるは大阪城中之島、川が二筋に分かれ、
小さな中州を抱え込む。川と橋と中州。それだけなのに
街の表情は「水都」然として見えるから不思議だ。
ちょうど中州は西日に照らされ、今日の余韻に浸っているよう。
ナカノシマ大学の楽器工房巡り、散策の締めくくりは
予定していた「音楽と会食」ではなかったけれど、
これはこれでよしとしよう。
少々肌寒かったけれど。


  

  


もちろん、風邪を引かないよう「鳥せい」であったまった。
久しぶりのお酒、家人の骨折で行けなかった京都伏見のお酒は、
ちょっとばかりしんみりと、この3ヶ月間を振り返らせてくれた。
お出かけ、楽しい思い出が一変する家人の怪我、
ほっとするまもなく、仕事仕事仕事。
後一月足らずで年度末も終わると思っていた矢先の震災。
自分が直接被災しなくても、心が枯れていく思いの日々。


  


残照の舟遊びの向こうに、暮れて行く自分自身を感じる。
名残の桜。川面に浮かぶ花筏。瞬時に去来する思いに、
拘泥することなく明日を思える潔さが欲しい、今日この頃。