Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

マンドリンの中川弦楽器

さて、昨日16日、実際に見学して回ったのは順番に、
中川弦楽器、ソハマミュージック、Liuteria BATO、青山ハープ、
そして締めが鈴木弦楽器という順番だった。
しかし、せっかく沢山写真も取ったことだし、
今日・明日・明後日と記事を分けて載せたいと思う。
本来ならば昨日の午後、一日の出来事なのだが、どうぞお許しを。


さて、真っ先にマンドリンが沢山ぶら下がったマンションの一室、
インパクトの強かった中川弦楽器がトップ。
まず部屋の外で迎えてくれるのがかわいい蛙と素敵なテーブル。

  


当たり前のマンションの玄関から中は、ちょっと別世界。
靴を脱いであがって唖然。マンドリン、知っていますよ、音色は。
でも、間近に見たのは生まれて初めてといってもいい。
演奏会は聞きに行ったことがあるけれど・・・。


仕事場だから、色んな工具や修理中の楽器、様々な大きさ、
飾り、仕様のものが無造作に置かれているのが何とも言えない。
それでも、上品で知的な雰囲気が漂う素敵なお部屋のあちらこちら、
マンドリン関係の絵や置物、額に入った設計図など、
心惹かれる美術品や洗練された調度品にうっとり。
普段目にすることのない螺鈿や鼈甲の施された楽器類にびっくり。



隣室というかお向かいというか、お店兼工房はマンションの階、
一室だけではなく、複数の部屋に分かれている。
ガラスケースの飾り棚、マンドリン以外の弦楽器、
あれに見ゆるはバラライカ、向こうはシタール
調弦のための機器、そういった裏方の機械はもちろん、
音楽会・演奏会・習いたい人のためのレッスン案内、
マンドリンを中心にした弦楽器の楽譜、CDなど。

昔の同僚が好きだったビュッフェの絵を見つけ、懐かしくなり。
ああ、こんな絵も描いていたのかと。


マンドリンと聞くと何故か訳もなく妙に甘い音色とロマンチックな、
南国の雰囲気がするのは何故だろう。
いや、別に『コレリ大佐のマンドリン』、
映画の影響ではないけれど、連想してしまうから?
それとも昔読んだ音楽関係の本の挿絵のせい?
本場イタリアでは大事に世界大戦後演奏文化が衰退したのに、
日本は世界屈指のマンドリン大国だったとは知らなんだ。



かつて高校時代の友人が大学でマンドリン同好会に所属。
そのため卒業記念のコンサートに招かれて聞いた昔。
そういう学生が練習するために、3、4年で通常の20年分ぐらい
フレット(ネックの一部)が磨り減ってしまうことがあるとか。
そして工房の人間の常として、「そういう楽器を見ることが楽しい」
という仕事人の弁。なるほどねえ。



ちなみに詳しいお値段のことは訊かなかったが、
昔の貴族の嗜みとしてもてはやされた音楽の才、
それを引き立たせる役目を担って創られた豪華な楽器、
一見華やかで派手な意匠を凝らした楽器は、えてして音が悪いそう。
地味でもしっかりした作りの方が、良質の音を奏でるとか。
何だか楽器も人間とそっくりではありませんか。


その楽器を支える工房の工具たち、頼もしい限り。
職人の机を見せていただく貴重な機会、お時間を頂いて、
興奮冷めやらず名残は尽きねど、次の工房へと急かされ、
お暇(いとま)することに。
本当はもっとじっくり眺めていたかった。



もう少し丁寧に写真を並べられたら良かったのだけれど、
色んなものがあり過ぎて、何処から見たらよいのか、
あちらこちら目移りしている私の気分を一緒に味わって下さい。

コレリ大尉のマンドリン [DVD]

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目で見てわかる やさしいマンドリンの弾き方 宮田蝶子著

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