お弁当持参で

流動食は痛みには有効だが、体力維持には全くもって足りない。
歯応えの無い物は、胃の腑ばかりではなく心の中も素通りするよう。
お金を出せば、作る労無くして柔らかい食を得ることも出来る。
疼く痛みと顎の違和感と咀嚼時の異音のようなものは、
先週とは打って変わって楽になったのと同時に、
気持ちだけハイになって仕事をこなした分、
体力は燃え尽きていくような感覚に囚われる。

食べること、飲むこと。きちんと休憩を取ること。
なかなか難しい毎日。震災以降、日々の生活を思うに、
何故毎日が今までと殆ど変わりなく過ごせているのか、不思議。
体の中を嵐が通り過ぎていくように、体調も気分もアップダウン。
痛み激しく、仕事が忙し過ぎて、頭の中が整理整頓できぬまま、
気分転換も出来ぬ日々。

唯一心掛けているのは、家族の食事をどうにか確保。
それは圧力鍋で大量に手短に作ること。
時間も手間も節約節約。被災地を思うと心が痛む。
外食も買い物も控えて節約節約。平日の食事はお弁当。
職場の食堂に頼まずに、毎日自分で用意。

ともすれば、家で料理が出来ないことが、ある意味欲求不満。
気分転換がなかなか出来ないと思っていたが、
朝短い時間を使ってお弁当作りに精を出すと、意外と気が晴れる。
自分自身食べるものが余り無い、食べにくいものが多い食堂の料理。
それに比べると、ほんの少しの手間でお金も食材も節約できる、
お弁当作りは続けると意外と楽しい。

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新年度早々、食欲も味も分からないほど忙しかったが、
娘の遠足のためのお弁当や自分自身のためのランチは、
手作りだったからこそ、体調に合わせて作ることが出来たといえる。
人生万事塞翁が馬。抗菌剤の副作用、抗生物質の副作用で、
普段は行かぬ医者に行けば、新しく出来ているスーパーを見つけ、
買い物する場所を増やし、ささやかに得した気分。

何が災いとなり、何が福となるか、一寸先は闇の世の中。
自分で作るお弁当に、娘のためばかりではなく、
自分の健康のために、家族との食事にこだわるならば、
自分が一人で食べるお弁当も、もっと大切に。
何故今までこんなことに気付かずに？
気ままにコンビニ通い、食堂や外食、付き合いのために食べる。
そんな機会を減らせば、義援金も出せる。
一石二鳥だ。エネルギー、食費、節約は楽しい。
新しく、保温の効く、電子レンジであっためることも出来る弁当箱。

というわけで、抗生物質の副作用に悩んだ今週は、
気分転換に特に弁当作りに励んだ週でもあった次第。
夕食は思う存分作ることは叶わなかったけれど、
せめてもの昼ごはん。ばてないように食べる。
これに尽きる。食べられなくなったら、薬は効かない。
今以上にばてないように、食べる。

そして、やっと辿り付いた土曜。

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