Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

京都大学白浜水族館

体調が思わしくない中、この旅行だけに焦点を当てて、何とか家族旅行強行。
せっかく宿を取って一泊二日。なんとしても楽しまなければ・・・。
春先体調を崩しやすい私は、このゴールデンウィーク
薬を飲み飲み何とかこの日に漕ぎ着けた、という感じ。
家人も休みを取ってくれて、久しぶりのドライブ。
家や職場から離れるかと思うと、嬉しくてたまらない。
ささやかな非日常を味わうための逃避行。(何て大げさ)

  


まさか実家から2時間余りで、温泉で有名な白浜まで行けるとは思わなかった。
連休中なのに思いのほか空いていて、阪和道を車で下るのは楽ちん。
(上るのに大変な思いをする羽目になるとは知らずにいた、
 一日目の今日)
まずは腹ごしらえ。マグロ丼!
ちなみに娘はトロマグロを食べてみたいという。
チャレンジしてその脂っこさに辟易。トロって霜降りのことなのよ。
今まで知らなかったみたい・・・。

  


さて、本日のお目当て。目的地の最初は水族館。といっても、遊び中心ではなくて、
まじめな学問的研究の拠点として由緒正しき水族館。それは・・・。

    

  


子供連れで泳げない季節に海に来るとなれば、船か磯遊び、水族館。
去年は家族で初潮干狩り体験()、今年は久しぶりに水族館。
高知は桂浜水族館、大阪はもちろん海遊館
東京は葛西臨海水族園しながわ水族館
そしてここ、和歌山は京都大学白浜水族館。
正しくは京都大学臨海実験所の附属施設。
親の自己満足であちらこちら小さい時に連れて行ったけれど、
保育園・小学校と何度も行った海遊館以外、記憶に余り残ってないみたい。
さて、久しぶりにお魚になった気分、いや人魚姫になった気分でお散歩。

    

  


縞模様のカゴカキダイは、水槽のイソギンチャクを食べてくれる。
道理であちこちの水槽に入っている訳か、お掃除やさん。
思いのほか綺麗な水槽は、実はエコで手間いらずというわけ。
大きな水槽でなくても一つ一つ説明を見ながら、ガラスの向こうを眺めるのは楽しい。
ここは近海の生物、この暖かい南紀白浜の魚たちの展示が中心。
世界中の珍しいものを見せるというよりも、身近な郷土の海、日本の海の生物を
子供から大人に知ってもらおうというアットホームな雰囲気に溢れている。

    

  


回転寿司が流行っていても、切り身しか知らないのは哀しすぎる。
どんな魚がどんな姿なのか、ほんの少しでも興味を持ってみれば世界は豊かだ。
寿司屋の湯飲みの魚編の漢字を覚えるのも結構だが、実物を知るのも必要。
娘は大好きな鰺が色んな種類があると知って、びっくりしていた。
おまけにでかいと・・・。かーちゃんが南蛮漬けにするのは豆あじ
君が昔釣ったのはまだ小さい部類だったんだよ。(

    

     


TVで活躍している「さかな君」ではないけれど、本当に魚が好きで、
生き物が好きで、命を大切にしたい研究したいという気持ちは、
大人になったから急に芽生えるのではなくて、幼い頃から育てなくては。
今のような時代だからこそ意識して、環境を整えて。
海に囲まれている日本なのだから、知っておいてほしい。
食べられる魚も、食べられないものも。見える生き物も、見えないものも。

    

    


大阪の海が埋め立てられる前の白砂青松の景色を記憶に留める私としては、
娘に少しでも「海」を感じてほしいのだが。何しろ彼女はスイミングプール育ち。
海で泳ぐ経験は殆ど無いに等しい。生後半年余りで徳島は阿南の海に浸かってはいるのだが。
海の側に住んでいても釣りをしようと思ったこともなかった家人、
泳げても海で遊ぶことを知らない娘、海辺育ちの私は両者が不憫で仕方ない。
それでも展示内容を熱心に眺めて娘なりに理解しようと努力している姿勢は嬉しい。

    

  


さて、今年の2月に捕獲されたというヒトデ。小豆状のぶつぶつがついている。
その名もそのまま、アズキイボヒトデ。和歌山よりもっと南の海で見つかるはずなのに、
地球温暖化が進んできたという証拠なのだろうか、この辺で見つかったというのは。
そしてゆらゆら揺れるオオカワリイソギンチャクは、うっすら蛍光色に光る。
生物多様性、光る生物、変わった形、見ているだけで癒される。
「みんな違ってみんないい」の世界。

  

  


白く光っているように見える、変な形の板のようなもの。
実はこれは卵。それもサメの卵。びっくり。
ナヌカザメというサメの卵だが、この卵殻の四隅の突起が海草や藻に絡み、
引っかかった形で固定され海中に浮かんでいる。
孵化するまで1年近く掛かるというから、更にびっくり。
その外観から「人魚の財布」などというネーミングを持つ卵だが、
自然界では流失を免れ孵化するのはなかなか難しいのだとか。
サメそのものは丈夫でおとなしく水族館飼育には向いているらしい。

    

  


ウツボの恐ろしい顔を見るにつけ、海の世界もそれなりに穏やかならず。
寄らば切るぞではないけれど、相容れぬ仲、如何ともし難い弱肉強食の世界。
食うか食われるかほどの殺伐とした関係はないにしろ、人間として生きること、
それなりに大変だものね・・・。

  


せっせとクイズを片手に・・・。ああ、だから熱心に説明を読んでいたのか。
感心感心。久しぶりに子供らしく生き生きと楽しそうにしているところを見たような。
出かける前はそんなところに行くの? という感じで心配したのだけれど。
人魚姫ではないけれど、クラス替えをした6年生の世界で、
今一つなんだろうなあというのはひしひし感じられるだけに。
(授業参観でやっぱりなあと思い知らされた感はあったのだけれど)
君もまた、大変なんだなあと思いながら、南国の陽光眩しい館外へ。
堪能したなあ、白浜水族館。

水族館をつくる―うおのぞきから環境展示へ (ベルソーブックス)

水族館をつくる―うおのぞきから環境展示へ (ベルソーブックス)

みんなの水族館

みんなの水族館