Festina Lente2

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時間に羽が生えて

時間に羽が生えて飛んでいってしまうようだ。
ゴールデンウィークだから時間が金の粉をふいているように、
まぶしく光って見えてしまうのだが、
現実は無為に過ごしてしまった日々。


1泊旅行を除けば、のんべんだらりと休暇の延長、
さし当たって達成感に近いものを挙げれば、
新しいノートパソコンをセッティングしたことぐらいか。
しかし、思い立ったが吉日のチラシで購入した製品、
安物買いの銭失いとまでは行かないが、
今時のテレビのように、横長過ぎて画面が見辛い。
結果、2階で新しいものを、1階では古いものを使っている。


新しい新参者が気に食わないのに、カードを入れなくても、
内蔵無線LANのさくさく動く雰囲気にはまあ満足。
接続速度が速いのではなく、パソコンの処理能力が高い、
それだけでも世界はこんなに変わるのだと思うと、
まあ、現金なことに画面に見入ってしまう。
しかし、キーボードの並びが使いにくくてならない。
10キーが付いているので数字の入力は便利だが、
使い慣れた古いパソコンのキーボードにすっかり馴染んだ指は、
新しいキーボードのピカピカ光る感触さえも拒否している。


打っても打っても思うように文章が打てず、
結局古いパソコンで書く。本末転倒。
でも、ただネットサーフィンをするだけで、
ボーっと眺めているのならば、新しいパソコンの方が画面が綺麗。
そんなこんなを繰り返しているうちにあっという間に時間が過ぎる。


時間に羽が生えたように大切な何かも飛び去っていく。
再び週末が目の前に迫っている。
仕事の予定さえなければ、逢いたい人もいるというのに、
その時間を、気持ちや気力を搾り出すことが出来ない。
うまく時間のやりくりをする以前に、
気持ちと体のバランスが取れていないことに苛立つ。


まるで新しいノートパソコンの横長の画面が、
スタイリッシュとでも言うべき、お洒落でも薄っぺらい外見の、
自分とは世代間格差のある画面と思えて来てならない。
一体こいつと仲良く出来るんだろうか、そんな気持ちにさえなってしまう。
能力的にも優れているはずの新しい機械、スペックを
素直に認めて使いこなすことが出来ない自分が疎ましく、
腹立たしいだけかもしれないのだが・・・。

カミング・オブ・エイジ(紙ジャケット仕様)

カミング・オブ・エイジ(紙ジャケット仕様)


映像処理をするでもなく、必要最低限の文書作成以外に、
駄文を綴るだけでは機械が泣こう。
そんな思いに囚われながら、あっという間に時間は過ぎ去る。
時間には羽が生えている。翼が生えている。
私の頭は古いまま、軽くて薄いノートPCは宝の持ち腐れ、
とは行かないまでも、何処まで「使いでがある」存在として、
我が家に君臨できるのか、はなはだ不安なこの1週間。
新しいノートパソコンが鎮座増しましてから、今日で1週間。
時間は羽が生えて飛ぶが如く過ぎ去っていく。
風薫る五月ははや半ば。明日は一日出張日。
されど、場所が場所だけに、ねえ。


最近、職場でも新しいノートPC。
どれもこれも使いこなせぬまま、終わってしまいそう。
出来ること、したいことは限られているし、
新しいことをしようとすればするほど、余計な仕事が増える。
この悪循環の途中には必ずパソコンが鎮座まします。
入力して出力、その基本に鎮座ましますこの機械に、
莫大な時間を吸い取られて、あっという間に1週間。
再び週末を目前に控えながら、可もなく不可もなく、
これでいいのかと、自嘲的になる夜。

雨のシルエット+7(紙ジャケット仕様)

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Stationary Traveller

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