Festina Lente2

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ワークショップの背景

ワークショップの一日が朝早くから始まる。
泊まりがけの参加者も少なくない。
遠方からはもちろん、近隣でも自宅からの往復となると、
二日間の交通費を思えば、少し足せば一泊分。
そうなると、時間を取るかお金を取るか。
この年齢になると、体の楽な方を取りたいがそうはいかない。


娘の昼ご飯のお弁当を作って、自分は駅前の店で買い物。
ここは、舶来品(古めかしい言い方ね)も含めて、こだわりの品揃え。
ちょっと上等のチーズ、炭酸水、サンドイッチ、ノンアルコールのビール。
え? おまえさん、何をしに行っているんだって?
休日を2日間返上してなんだから、好きなもの買って食べても、ねえ。


割高に思えるかもしれないが、慣れない場所をあちらこちら、
目当てもなくランチの場所を探すよりも、ゆとりができる。
ケータイを持たない私は、その場で情報や割引サービスにはありつけない。
お気に入りか掘り出し物の店でランチができないとなると、自衛。
最近のミニバッグは優れもので少々の時間なら、冷えたままお持ち込み。
おかげでのんびりランチタイムを楽しみながら、人間観察、場内観察。


ああ、やっぱりスタッフのサポートメンバーは、打ち合わせも兼ねて、
持ち込み弁当でおしゃべりしているのねとか、予め誘い合って、
もしくは久しぶりに会うので会食も兼ねてランチなど、
それぞれいろんな予定・打ち合わせ・事情・相談、短時間で直接顔が見られる、
昨日今日が貴重な情報交換の場と思い定めて行動しているのだろう。
私のような人間は、そんな中、どんな位置?


食後の時間、ワークショップ関連の雑談というのは少々遠慮したい。
頭の中を整理したり、空っぽにしておきたい。
親が死んでも食休みとは、昔の人は凄いことわざを言ったもんだ。
私は娘がお勧めの本を斜め読み。8巻目がまだ読めていないが、
昨日は9巻、今日は10巻と電車の時間は読書タイムだ。
子供向けの本、といっても10年も20年も残る名作になるのかどうか、
なかなか漫画チックな仕上がりで、いわゆる腐女子系の萌え路線もあり、
どないなもんかいな、これって? と親の目からは思うのだが。
今時の子供である娘にとってはそれが面白い上に、
親に勧めてくるぐらいだから、話題を共有するためにも読まねばと、
かーちゃん路線。

参加型ワークショップ入門

参加型ワークショップ入門

ワークショップ入門 (日経文庫)

ワークショップ入門 (日経文庫)

 

午後。一度会ったことのある人と一緒にワークが始まる。
その、何とも言えぬ柔らかな物言い、雰囲気は前回も憧れたが、
今回は更に、こういう方が同僚だったら色々教えて頂けるだろうにと、
甘えたことを思ってしまう。
そう、幾つになっても教えられたい。助けが欲しい。
そんな風に考えてしまう私は、他人に厳しく自分に甘い人間。


ワークショップ。今までも数限りなく経験してきたであろうはずの、
ワークショップ。技能の問題? 理論上の? 
回数をこなせば(適当に)できるようになる慣れの問題?
自分の知っていることは、実行できることではない。
自分がやってみたいことが、実現可能なわけではない。
でも、いつかどこかで何かできるようになるためには、それまでに、
知っておきたいこと、試してみたいこと、覚えておかなければならないことがある。


飛ぶために低くかがむ。しかし、かがむには少々年齢も体力もくたびれてきた。
飛ぼうと思っても、心の脚力は萎えていく速度の方が早い。
飛ぶための翼を鍛えようにも、心の贅肉が重い。
心身共に重くて仕方がない状況を見据えての、めげてはならじ。
ワークショップは、自分の落としどころを探す場でもある。


単なるモチベーションでどうこうというわけではなく、年齢相応、
斜めに走りがちな、落ち込み路線の偏りがちなものの見方を、
どうにかこうにか軌道修正かけられるように、ある意味ショック療法に近い、
そんな短期「心の筋トレ」に近いものなのだが、自己管理が基本。
どこまで自分を詰められるか。ある程度の理想を持って臨んでいるか。
詰めの甘い人間にとっては、痛し痒しのことも多い。
もちろん、自己責任。


戦い済んで日が暮れて、そんな殺伐としたものではないが、
会うは別れの初めなりの一期一会。
それぞれの2日間は濃密でもあり、ちょっとした熟成期間が必要。
そう、ワークショップの熱気は知恵熱にも似ている。
熱しやすく冷めやすい。だから、醒めた目で何が見えてくるか、
その先、時間が経っても澱のように沈んでくるものが何か、
自分の心から消えないものは何か、何を意識して残しておきたいのか。
それが大事。
意識化させるということが。


ワークショップ三昧の、水無月最初の土日は終わり、
明日からはまた日常生活。ふぅ。

協同と表現のワークショップ―学びのための環境のデザイン

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アイスブレイク入門

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