娘よ、いずこ？

昨夜、待ち合わせの場所に娘がいない。
それですったもんだした。そして・・・、
今日は帰っているはずの娘が家にいない。
どうなっているのだ？

それは昨日のこと。
大阪市内でのワークショップも、寄り道せずに帰宅。
駅に車を止めてあるので、習い事から帰る娘をピックアップするため、
いつもの予定時間、待ち合わせの場所、何の変更もない、
日々の習慣、その場所にかーちゃんはいるというのに・・・。
娘は来ない。電車から吐き出される休日の乗客。
通勤客よりも少ないので、娘の姿は見つけやすいはず。

電車に乗り遅れたのかもしれない。何かあって。
地下鉄から在来線に乗り継いだ私。
たまにはそういうこともあるよねと、真っ暗な外を避け、
明るい改札口付近の椅子に腰掛ける。
立って待つのはしんどい。
かーちゃんも2日間続きのワークショップで疲労困憊。

手作り弁当をいつもしっかり平らげてくる娘も、
今日は一緒に食べても・・・。夜は二人でのんびり。
そんなことを考えながら時間は過ぎて、娘は来ない。
30分を過ぎた時点で待ちきれず、心当たりに電話。
習い事先に電話するも通じず。留守番電話設定。あれ？
いったい何が？　　結局何を考えていたんだか、
待ち合わせをしたことのない地下鉄の駅前を、
それも改札口をウロウロしていたらしいことが判明。

何故？　確かにかーちゃんはそこから在来線に乗り換えるけれど、
そんな所で待ち合わせしたこと、無いでしょ？
待ち合わせは家の最寄りの駅前、決して人の通らない暗い場所は駄目、
明るい駅の電気の下。もしくは指定した店の中。
かーちゃんが迎えに来るまで絶対動いてはいけない。
そういう決まりに、約束になっていたはずだが・・・。

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人は、なぜ約束の時間に遅れるのか 素朴な疑問から考える「行動の原因」 (光文社新書)

そして、昨日の翌日。今日、再び本日は出張。
その帰り、昨夜ご迷惑を掛けた習い事先に申し訳なく、御礼に。
さて、本日は先に娘は自分で帰っているはずの今日。
娘の姿が見えない・・・。
水泳教室からは自分でも自転車で帰れる、歩いてでも大丈夫。
もう、６年生になったのだから。それに昨日の今日。
お迎えの約束はしていないのに・・・。

20時過ぎても帰ってくる様子がない。普段は19時に拾う約束だが、
今日は出張なので、その約束はしていないはず。
・・・おかしい。だいたい、こんな遅くまでどこに？
実は最近お年玉を漫画につぎ込んで本屋で立ち読み買い漁り、
早く帰って来られるはずをサバを読み、ほっつき歩き、
ウロウロすることを覚え始めた娘。
友達の影響もあって、小学校で禁止されている校区外の場所、
商店街等に興味を持ちだしている。

小遣い帳をきちんと付けず、親の目を盗んで心配を掛けずに、
遊び回れる才覚があるのかどうかはともかく、
昨夜に引きつつ付き今日、如何なる故あって帰宅せず？
ケータイは使わないことになっている我が家。
テレフォンカードは持たせている。でも、家にも電話はない。
見守りケータイを持たせる年齢でもない。
それにしても今までにないケース。
昨夜といい今晩といい。

結果、8時過ぎてもぼーっと水泳教室のロビーに。
何を考えているんだか。人を心配させて、こんな遅くまで。
こんな遅い時間まで一人で外に、あり得ない。
（近隣の市で帰宅途中に掠われ、
　未だに行方不明の少女がいて、親としてはピリピリ）

待ち合わせの場所、連絡、約束。
一歩間違えば、大事に繋がる。
今まで、こういうミスやすれ違いが一度もなかっただけに、
2日続きでこういうことが起こると、娘の頭の中に何が？
いったいどうして？　ただでさえ、気がかりなのに、
静かな反抗期が、密やかに進行中？

かーちゃんは混乱する。
それよりも、行方不明の時間が、30分であろうと、1時間であろうと、
心配を通り越して、激怒する。
想定外の不安に切れる。
不安でぶち切れる。
前後の見境が付かなくなる。
一回噴火すると、手が付けられなくなるのはかーちゃんの方。
再び昨日と同じく、かわいさ余って憎さ百倍。
心配が沸騰して、激怒に変わるのはたやすい。
それがどんなに傍目から見て滑稽であろうと。
そうなると、止められない。

娘よ、君に何があった？
かーちゃんには考える余裕は無いぞ？
色々思い当たることを探るけれど、身内を診ることはできん。
探ることも出来ん。そんな余裕は無い。
紺屋の白袴、医者の不養生、だだ漏れに漏れていく手の中の水。
君が目の前にいない、となると・・・。
約束した場所や時間にいないとなると、かーちゃんのタガは、
いとも簡単に、外れて飛ぶだけ。
吹けば飛ぶよな理性だからね。

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迷子の自由