Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

今年初めての蛍

蛍狩りに行きたしと思えど、蛍のいる場所は遠し。
車で山間地まで行くか、大都会の蛍イベントに出向くか。
私は知らないが、ホテルでは庭に蛍を放してディナーとかいう、
蛍の夕べがあるそうな。まあ、豪華だこと。


私と家人にとっては忘れられない蛍の夜というのは、
徳島美郷村での蛍。川に沿って信号のように点滅する蛍の群れ、
その光り輝く姿は神秘的で、愛らしい。
水田の上で群れ飛ぶ光を両手で掴んで蛍狩りをした、バリ島の夜。
「蛍=クナンクナン」を捕まえて楽しんだ、プリアタン村の水田の夜。
四半世紀以上も前の昔の思い出。


今年は蛍を見ることが出来るかなあ。
先週今週、毎日3時間以上も残業する日が続いている。
しんどいのなんのって、機械的なしんどさではなく、
精神的なしんどさが肉体的疲労に覆い被さって来て、どんより。
帰宅して腰を下ろすと、体が沈み込んでいくようだ。
いったん座ると、もう立ち上がれない。そんな感じ。

螢川・泥の河 (新潮文庫)

螢川・泥の河 (新潮文庫)

蛍―light of a firefly

蛍―light of a firefly


ぼーっとTVを付けている。
老父が庭で蛍を一匹見つけてきて、娘に。
真っ暗な応接室の中をゲンジボタルが飛んでいる。
いきなりけだるかった部屋が、たった一匹の蛍のお陰で、
幻想的な梅雨時の空間に。
たった一匹の蛍、影響力大。
闇の中でこの明るさ、ただ者ではない。
思わず、部屋の中に蛍がいるんだよと家人に電話。


源氏物語』で蚊帳の中に沢山の蛍を放して、
女性の姿を浮かび上がらせたとあったけれど、そりゃ美しかったことだろう。
闇が今よりも濃かった時代の自然の明かり。
どれほど幻想的で、魅惑的だったことか。


・・・しばし時を立つのも忘れ、部屋の壁が別世界のなるのを楽しむ。
娘と過ごす、月曜の夜。いったいどこから現れ出づる蛍一匹。
不思議な月曜の夜。仕事で人に会い過ぎて人疲れしている、
そんなかーちゃんの頭も危険信号が点滅しているのだが、
この明かりに少々癒され、睡眠を取ることが出来そう。
お休みなさい。

蛍 (中公文庫)

蛍 (中公文庫)

螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)

螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)