結婚記念日のテーブル

結婚13周年(明後日）の記念を祝ってくれるつもりらしい。
家人が近所のレストランの葉書を持参。
最近この店は余り好きじゃないと言っていたくせに・・・。
さて、歯科医で貰った痛み止めと抗生物質、
相性が悪いのか私の胃腸が弱いのか、前回の兆候が出た時点で、
ホームドクターに相談と思いきや仕事に終われ、帰宅は20時過。
そこへソウルマッコリ持参のとーちゃんとTV三昧。

一見自堕落に見えがちな土曜日、とーちゃんは大学病院へ。
かーちゃんはせっせと掃除洗濯。大物洗いも兼ねて
乾燥機のあるコインランドリーへ向かう。
待つ間ホームドクターにて、飲むと下す抗生物質のフォローを。
ドンだけ色んな薬を一緒に飲めばいいのか、食後と食間。
とりあえず、気を引き締めて帰宅。
ふと振り返れば、今まで何十回も見てきた表札が斬新に見える。
ああ、待合室の中を模様替えしたせいかもしれない。

随分沢山肩書きがあるんだなあ。
日本内科学会認定内科医、日本消化器学会認定医、
日本消化器内視鏡学会認定医、医学博士、
社会保険・国民健康保険取扱機関、
結核予防法・生活保護法・原爆医療指定機関。
20代の頃からお世話になってきたけれど、気が付かなかった。

あれから○十年、年月分体重が増えてしまった。
そんな私に、一ヶ月に一キロ減量しろですと。
そう、腹痛が無ければ食欲は衰えない。
食べたくないなあ、そう思って晩御飯を抜いた日が3日ほど続けば、
あっという間に顎が痛み噛み辛くなり、感染症病態に。
これで熱が38度越したりしたら観念するが、でなければ、
薬頼みよりも体力勝負の裏づけ、食欲で持ちこたえねば。

そんな私たちの午後。と約束していた「パイレーツ・オブ・カリビアン」。
そして、マンネリ化してきたとはいえジューン・ブライドだった、
遥か昔への自分への思い出を寄せ集めるが如く、お食事会。
最近は、老親は一緒に出向いてくれなくなったので、
お馴染みのベーカリーレストランでの食事会は少し寂しい。
いずれにしても、好きなだけ飲もうとする老父は食事会には向かない。

ロマンチックの「ロ」を共有する相手を、
娘もいつかは持つことが出来るのだろうか。
お互いの瞳を見詰め合ってキャンドル越しに幸せを願う。
そんな相手を、遠からず。

ちょっとサーブの具合が？　アルバイトが多いのか、
梅雨のせいでみんな行く所がないから、こんなに人が集まっているのか。
田舎の都会、都会の田舎のレストランは大賑わい。
裏方はどうしているのだろう。
『幸せのレシピ』のどの格式のあるレストランではないはずだが、
きちんとしたサーブが無いと、それはそれで苛立つ私。

焼き立てのパンをほおばりながらも、やはり両親の姿の無い食事会は寂しい。
結婚記念日の食事会、家族みんなで揃いたいのに。
だって、あちらこちらのテーブルは誕生日の赤いろうそく。
そして結婚記念日のピンクのろうそく。みんな華やかなテーブル。
大勢で囲むのが相応しいような、そんな雰囲気。

食欲や体調のせいばかりではなくて、雨に降り込められて乾ききらない洗濯物のように、
味も盛り付けも薄ぼんやりした明かりの中で、今ひとつぴりりと来ない。
写真は後から幾らでも細工しようと思えばできるけれど、
思い出に味付けや色付けをするのは難しい。
だから、共にあることは難しいし、共にあることを貴重なことだと、
大切なことだと慈しまなければならないのだけれど、娘よ。