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「アリアドネの弾丸」を見る夜

アリアドネ」と聞くと、「糸」だと思うのだが、弾丸とはきな臭い。
これは推理もの、殺人事件が幾重にも絡んでいるから、糸ではなく、
意図だったのか、いやいや、何らかの繋がりがあるからやはり糸か。
そんなことを思いながら、毎回見ている。
今までの「チームバチスタシリーズ」と異なるのは、私が原作を読んでいないこと。
この所、しっかり作品を読みこなしてからドラマを見る
(もしくは映画を見る)という構図が崩れてきているのが哀しい。


しかし、そのお陰であーでもないこーでもないと、
アイスクリームを舐め舐め娘と二人してTVの前に陣取っている。
残す所、あと一月で最終回。一体どうなるんだろう。
もっとも、TVのシリーズは原作と違って主人公達がある程度かっこいいし、
でこぼこコンビなのはともかく、犯人は敢えて変えるのがお約束、らしい。
だから、まあ異なる結末を持つはずの原作もそれなりに楽しめるだろうと、
鷹揚に構えてドラマを見ている。それにしても、縦型MRIとはねえ・・・。


横になって寝ているにしろ、座っているにしろうるさいのには違いない。
昔の機械はずいぶん時間が掛かって、あんまりガンガン音がしているうちに、
慣れてきて寝てしまうということも珍しくなかったが、
最近はそれほど検査の時間が掛からないので、寝る前に終わってしまう。
そんなMRI。AIには不可欠の機械。
CTにしろMRIにしろ、日本人は機械が好きなのか、やたら沢山あるらしい。
外国に比べて小さな施設でも持っていると聞く。
まあ、買い取りではなく医療器具はレンタルだろうけれど。


死因を知るために、一つしか方法がないということはあり得ない。
あれもこれも、今は特にこういうものがあれば便利。
いや、医療の現実としては解剖率が・・・。
死因が全部心不全なんて、あり得ないでしょ、か。
解剖されることなんてあり得ないから、地方では犯罪は起こしやすい?
斜め読み、逆さ読み、深読み、色んなことが出来る医療と法律の背景。


事件は誰のものか。事件はどのように解決されるべきものなのか。
死者はその死を持って語らなくなるものか、語らせる方法を採るべきか。
選ぶ、どのような方法でも試す、可能性を諦めない。
そして、真実を? 遺されたものには心の平安は戻らなくても?
それともわかれば落としどころ、納得、慰めは必ずもたさられるもの?


ドラマの向こうに作り手は何を望んでいるのかな。
とうとう今日は主人公が撃たれてしまっていた。
原作にはこの場面はあるのだろうか? こんな危険なこと?
当たり所が悪ければ、一歩間違えば急所だと思うのだけれど?
なんて思いながら、主人公が死ぬはず無いからと安心しながら
ぼんやり見ていられるのも、シリーズもののドラマのありがたさ。

アリアドネの弾丸

アリアドネの弾丸

死因不明社会―Aiが拓く新しい医療 (ブルーバックス)

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棘一本刺しても、膝小僧をすりむいても、目にゴミが入っても、
それなりに大騒ぎするのが日常なのに、「撃たれる」なんて非日常的な。
そう、アメリカのように銃を携帯する国ならともかく、
日本で「撃たれる」ということは、○暴か警察か、猟の誤射か。
ということで、ずいぶん警察が黒幕になっているけれど、
悪役がまた、なかなか悪役らしくて宜しい。


オセロのコマのように、正義の白はひっくり返るとすぐ黒になる。
悪か、犯人か、それとも黒幕の黒か。
どんな風に展開するのか、何も知らずに待ち続けているというのも、
これはこれで有りかなあ・・・。
原作はこうではあるまい、と確信できる。
原作は読ませるもの、活字から考えさせるものだけれど、
TVドラマは内容のインパクトと続くか続かないかが命。
何匹でも柳の木の下に泥鰌を狙うのが、業界というもの。


医療ドラマか、警察ものか、殺人事件か、権力闘争か。
色んな側面をはらみながら、残す所一ヶ月。
チームバチスタシリーズと評判のTVドラマのいい所。
主人公が原作通り男であること。
映画は女に変えてしまっているので、「撃たれる」なんてあり得ない。
それはそれでまた、面白くないのかもしれない。


そんなことを考えながら、娘と二人、ドラマを見て宵っ張り。
親子の時間は、テレビに双方お守をされながら。

チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸 original soundtrack +

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