Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

微かなる嗅覚

家族と過ごす時間や出かけることは嫌ではないが、
仕事とのバランスを考えると、やりくり上、時間的に大変。
帰宅すると何もしたくない、ぼーっとTVの前に座って、
倒れ込んで、そのまま寝てしまい、朝になる。
ふと気付くと職場のコーヒーの香りはなく、
「いい匂いだねえ」と娘がほめてくれる食事の支度、
その味は食してわかっていても、作りながら香りがわからない。


8月初めの頃のサイエンスフェスタ「匂いの科学」の頃は、
何ともなくて普通に香りが嗅ぎ分けられたというのに。
嗅覚異常は突然やって来て、どこか体調がおかしい、
何か無理していることを知らせてくれる。


夏の終わりは苦しいものだ。
これから先の長い長い秋、そして冬迄の予定、その後。
仕事の中身と進退と転勤と、あれこれ心に突きつけてくる。
何を求められているかわかっている。
何をしなければならないのかも。
わからない頃の方が無邪気に物事に取り組めたなと、若い頃が懐かしい。


副鼻腔炎の症状はない。鼻の詰まりや息苦しさなどは。
レントゲンでも何も見られない。
耳鼻科のアリナミンテストでは、微かに匂いがするものの急速に消えていく。
かつてテストした時は、結構早く匂いがわかり、その度合いも強かった。
今度はそれと同時かもしれないが、弱くしかわからない。
おまけに持続時間が短い。強いニンニク臭がもっとわかってもいいはずなのに、
短時間で匂いがわからなくなっていく。
「持続時間が短いねえ」と言われる。
というか、匂いの分子が集められていないのか、
匂いをかぎ分ける細胞、絶不調。
仕事を仕掛けて一瞬で止めてしまった、そんな感じ。


この半年、たまに異臭がした。
あの、例のものが焦げ付いたような匂い。強烈な違和感。
しかし、それは弱くて一瞬だったので体調のかと思っていた。
だが、じわじわと進行してきていたのかも。
以前はストレスのせいだったのがはっきりしていた。
今度は何だったのだろう。
細かく考えていくときりがないが、大丈夫だと思っていたことが、
意に反して体に悪影響を及ぼしていたのならやっかいだ。
やり過ごせると思っていたものが、実はそうではなかったのだとしたら。

においとかおりと環境―嗅覚とにおい問題 (ASAHI ECO BOOKS)

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味とにおい―感覚の科学-味覚と嗅覚の22章

味とにおい―感覚の科学-味覚と嗅覚の22章


八月葉月、再び鼻の調子が悪い。
匂いや香りが、暑さのさなかの草いきれや、
むんむんするような熱気の向こうにある、そんな自然の力も、
人も思いが交錯する街中の匂いも、家族のために作る料理の香りが、
希薄になっているのに愕然とする週末。
職場近くの耳鼻科は点鼻薬のみ。歯科大の時のように服薬はない。
これで大丈夫なのだろうか。長丁場のハードな9月を乗り切れるのか。
更にその先の神経戦が続くような10月を。
その予期不安が余計に自分を疲れさせているのだろうか。


その先に何が待っているか、想像が付くというのは良くない。
私の場合、仕事においては、この時期においては良くないということか。
そういえば、去年もいっとき調子が悪くなったっけ。
服薬と点鼻薬ですぐに良くなったが。あれも夏だった。
初めて症状が出たのは真冬、そして再発するのは夏。
いずれにせよ、まだまだ仕事のプレッシャーなら、やれやれ。
情けなくもトシだなあ・・・。
オルガドロンだけで大丈夫かねぇ。


夏の宵の口。仕事帰りの夕闇は濃く、週末の明日を残して落ち込む黄昏。

においの受容 アロマサイエンスシリーズ21 (1)

においの受容 アロマサイエンスシリーズ21 (1)