Festina Lente2

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再生の在り方

本日のNHK「地球ドラマチック」はちょっと衝撃的。
サブタイトルが「永遠の命は実現できるか」
永遠の命は望まないけれど、死ぬのはやっぱり怖い。
ただ、達観とまでは行かなくても諦めのようなものが、
子どもの頃よりも次第に大きくなってきていることは確か。
不死の命、永遠の命、若いままでい続けること、
そういうものに憧れたのは思春期の頃の話だ。
バンパネラの伝説にわくわくしたりしたのも。

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現実はあちこちガタが来た体を補修しながら生活している。
老化というと大げさに聞こえるが、実際そうなのだから仕方がない。
壮年だの熟年だの言葉を換えても、老化の過程にあることには違いない。
心の若さと体の若さは関連があるとはいえ、
「若いままでい続ける」はもはや望めない年齢。
「若返ることが出来る」のならば、話は別だが。


自分が望むままの年齢でいられたら、若返ることが出来るなら、
どんなにか素晴らしいだろうと思わないではない。
でも、子供を産み育ててみると、
それも笑止千万な自然に反することだと思わざるを得ない。
もっとも、成人になれば一定以上年を取らない社会、
生命維持が可能な社会というものが実現できれば、
それまでの常識など覆されるのだろうが。


体の組織を培養し、交換可能な組織や臓器の生産。
一部では実現されていることを知っていても、番組で見る映像、
再生医療の最前線。ネズミの背中に人間の耳の景色はさすがにシュール。
人体に直接行う以前に動物実験は当たり前だとわかっていても。
昔、高校の頃、そういうの風景に似たSFを読んだことがあった。
流刑地では特殊な麻薬によって痛みは感じないが、
人体を持って各組織や臓器等の培養を行う。
確か体に頭や手足がは何本も生えているという、そんな世界が描かれていた。
あれは、誰のどんな話だったっけ・・・?


よくよく考えてみれば、自分のDNAが組み込まれていなければ、
生体の拒否反応が懸念されるのに、そういう概念を無視して、
パーツ製造過程として描かれたSFだったのかな。
それとも免疫抑制剤が発達した未来の医療を前提にしているのか。
今時のSFなど読まないから、さっぱりもわからない。
どんな未来が描かれているのか。相変わらず世紀末的な暴力ファンタジーや、
逃避的非リア充な世界で満ちあふれているのだろうか。


遺伝子研究の分野では、生き物の寿命を左右する遺伝子の存在が
明らかになってきているのだそう。でも、長命は有り難いが、
どれほど明晰な意識を、体力を、頑健な体を保っていられるのか。
そこが問題。それに、長命=若いではないからね。
コンピューターネットワークの仮想現実の中では
「分身=アバター」として生き続けることで、
「永遠の命」を実現させようというユニークな研究も。


これは仮想現実が大好きな世代にはしっくり来る研究なのだろう。
それが仮の姿でも、自分が生き続けることに執着する。
自分とそっくりであれば、なお嬉しいのだろうか?
アバター」が存在し続けることが。
SFの世界では「脳だけが生き続ける」のは珍しくなかったし、
機械に組み込まれて生前の意識を保ち続ける設定も普通だった。
幾つもの脳が生きているコンピューターとして都市機能を管理、
そんなスーパーコンピューターを「脳」の働きに帰結させる設定。
それでは飽きたらず、自分の体を求める。
この設定もずっと以前から存在した。
アバターではなく、ロボットやアンドロイドのリアルな設定で。

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逆にロボットが心を持つように至る、そんな設定も。
人間と交流するということ、共にあるとはどういうことか、
それを考えさせる内容もあった。
でも、人間は機械になりたいのか、機械が人間になりたいのか。
どちらが切実な問題かと問われると、それはわからない。

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仕事で精神的な疲労著しく、殆ど寝たり起きたりの一日。
苛々して眠れないという状況よりもいいと考えるべきか。
体が動かない、それほど疲れていると言うべきか。
疲れない体、というものがあったとしても、
心が疲労、疲弊すると、つまり脳が疲れると、
どんな体をもってしても自由がきかないのではないかな・・・。
再生医療の最前線をもってしても、脳を回復させる、
創り変えてリフレッシュさせることなど・・・。
TVを見ながらぼんやり考える。
ES細胞の話から遠く跳んでいく意識。


道の駅で新鮮な野菜を仕入れてきたことだけ、
心和む今日の出来事。
美味しいものを作って食べる。
何を作って食べようか。
体にいいもの、心にいいもの。
最も身近な再生の在り方。
自分の生活に密着した、医学の最前線からは遠かろうとも。

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