Festina Lente2

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夏目友人帳を待つ日々

娘が余りに執着しているので、とうとうかーちゃんまでお付き合い。
引きずり込まれたアニメ。
元々存在は知っていたが、はまらないように注意していたのに、
類は友を呼ぶというのか、この手の話に弱いのは親子だからか。
猛暑の夏、一昨年は『蟲師』にはまっていたのだが、
やはり原作とアニメがそれほど大きな不一致がないため、受け入れやすい。

夏目友人帳 (1) (花とゆめCOMICS)

夏目友人帳 (1) (花とゆめCOMICS)


娘が低学年の頃、まだ原作が読めない幼い頃は『十二国記』にはまっていた。
もちろんNHKアニメのせいだが、『獣の奏者』などには興味を示さないのに。
ぬらりひょんの孫』と『夏目友人帳』は娘がはまっている漫画の中でも、
特に受け入れやすい素地があるのはわかっている。
それは思春期には誰もが抱きやすい感覚、感情。

蟲師 全10巻 完結セット (アフタヌーンKC)

蟲師 全10巻 完結セット (アフタヌーンKC)


自分だけが違うような、そうではないような、
人から相手にされないような、されたくないような、
周りと全く同じでありたくないけれど、完全な孤独は嫌で、
かといって誰ともつるみたくもないが、親友は欲しい。
説明しなくても自分を受け入れて、理解してくれるような、
そんな存在が、仲間がいればいいのに。

十二国記公式アニメガイド (KCデラックス)

十二国記公式アニメガイド (KCデラックス)


一人であることの気楽さを好ましく思いながらも、
何となく人を求めたくなる気持ち。
そういう感情を持て余して彷徨い続ける、
そんな季節にもう差し掛かっているから。
人と異なる自分でありたい、自我の確立に至るまでの葛藤。
それを写し取って共感しやすい形にしてくれる漫画やアニメ。
オタクでもオタクでなくてもみんなが知る所となる流行の物語。

ぬらりひょんの孫 1 (ジャンプコミックス)

ぬらりひょんの孫 1 (ジャンプコミックス)


どこに同感情移入するというものでもないが、
いつの間にか心に深く食い込んできて、自分から離れない、
そんなストーリーはいつの時代にも思春期の世代の心を掴む。
この私でも、忘れていた苦い日々を思い出し重ね合わせたくなる。
それは昔は純然たる文学作品だったのかも知れないが、
今の時代ではそれはもう古いのかも知れない。
文章で表しきれない表現媒体が、心を鷲づかみにすることも致し方ない。
それでも、単なる流行ではなく、奥深いものであって欲しいのだが。
(ちなみに絵や文章が汚いものは、当然嫌いな私)


半世紀近い年の差を埋めてくれる、話題の接点が、
孤独でありながらも、自分の大切なものを守ろうとする、
それ故に決して一人ではない自分自身と周囲の大切さに、
改めて気付き、癒され、前向きに生きていこうとする。
そんな主人公の話ならば、親子してはまらずばなるまいて。
そういうわけで、9月でアニメ放映がいったん終わってしまったと、
嘆く娘の気持ちがわからないでもない『夏目友人帳』が見られない日々。
来年1月までしばしのお別れだ。

夏目友人帳 Blu-ray Disc BOX

夏目友人帳 Blu-ray Disc BOX


先週終わってしまった『アリアドネの弾丸』同様、
お気に入りのドラマやアニメが一段落を付けて、番組表から姿を消し、
再編成される10月を目前に控え・・・。
自分の仕事は後半戦に入ったというのに、気ぜわしく、もやもや。
淡々と仕事をこなし、世界を見つめる柳沢教授の
爪の垢でも煎じて飲んでみたい。


行事や予定の多い10月を、乗り切る力はほのぼの心を打たれる、
そういう世界とは対極にあるのかも知れない。
優先順位がばっさりと現実世界を仕切っていく。
そういう世界から逃避したいかーちゃんだから、
娘と一緒にアニメを読んで憂さを晴らしているのかも知れない。
そんな長月の終わり。明日はもう晦日(つごもり)。

夏目友人帳 音楽集 おとのけの捧げもの

夏目友人帳 音楽集 おとのけの捧げもの