Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

『四季の野草手帖』

あちらこちらで秋を競うように美しい景色や花が披露されている。
そう、写真自慢腕自慢の渾身の一枚は、
自然の移ろいに疎い生活の私でさえ感動できる素晴らしい一枚。
なるほど、普段生活に取り紛れて顧みることのない自然の景色、
もしくは大切に育て上げた花々、公園や街中のふとした出会い、
ささやかに慎ましやかに咲く花、目立つこともない木々の間の蜘蛛の巣、
踏みしだかれてちりぢりになる前の落ち葉、色づき始めた街の、
ちょっとした「センチメンタル」気分な様子、空気の色などが、
それぞれの感性で切り取られ、披露される。誠に電脳玉手箱の面目躍如。
残念ながら、今年の大阪。
ひんやりとした秋にはほど遠く、日中は半袖でも大丈夫なぐらいなのだが。


四季の野草手帖―野の花たちのひとりごと

四季の野草手帖―野の花たちのひとりごと


ガサゴソ整理をしていると、いつ買ったかも定かではない、
それも2300円もする割には特別美しい写真か? という値段の本、
滅多に買わないと思われる『四季の野草手帖』なる本が出てきた。
最近流行のバーゲンブックとやらで買ったのかも知れないが、とんと記憶がない。
ぱらぱらとめくってみると、お友達ブログや先輩ブログで見覚えのあるものばかり。
それにしても古めかしい雰囲気だと思って奥付を見ると、やはり10年ほど前の本。
誰が買ったのか、こんな所にしまい込んでいたのか。


文章もブログ風。10年前、私はブログなんぞ知りもしなかったし、
書くことも読むこともなく、ただただ子育てに追われていた。
二つになったばかりの娘はただただかわいくて、
それでも仕事と両立させるには大変で・・・。
どうしても、何かを捨てなければ何かを得ることは出来ず、
私は自分から仕事を削っていったのだった。


それを後悔しているわけではないが、全く後悔しないと言えば嘘だ。
本来、人が、殆どの人が結婚するような年に結婚し、
子供を産むような時期に産み、両親が健在であるならば助けを求め、
当たり前に仕事をこなすよりも控えめに、何事も控えめに、
ぐっと押さえていれば良かったものを。


「野の花たちのひとりごと」と言う副題の付いたこの本は、
少々なれなれしい軽さを持つもものの、語り口が面白く、
10年前の私であれば振り向きもしなかっただろう言葉遣い、
物言いで綴られたページが連なっている。
読めるような年になったので、本の方がどこからか出てきたのか。
とにかく、気分や衝動で本を買ったり借りたりするので、
どんなご縁で部屋の片隅に転がっていたり積まれたりしているのか、
皆目見当が付かない雑踏に等しい乱雑な中で生活している。


布が重なっただけの、襤褸袋のようなベッドの上で、
まだまだ寒くないのを幸いに、寝っ転がっているうちに眠れる。
本が睡眠剤代わりになるよりも、今は、横になればすぐに眠れる。
それくらい、体が、体力が持たなくなってきている今年。
運動を止めてしまい、だらだら過ごす毎日が、
それなのに、去年より遙かに忙しい一日が、
自分の中で、何かを麻痺させてしまうことさえ、
「是」と諦めることさえ日常。


そんな中に投げ込まれてくる、見覚えのない本が、
今現在のブログの友、先輩の言葉を通して語りかけてくるように、
独特の物言いで開いたページにあれこれ蘊蓄を語っている。
そんな本を手にした今日。

野草の力をいただいて 若杉ばあちゃん食養のおしえ

野草の力をいただいて 若杉ばあちゃん食養のおしえ

  • 作者: 若杉友子
  • 出版社/メーカー: 五月書房
  • 発売日: 2011/06/27
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