Festina Lente2

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10月は黄昏の国

そんな題名の本を読んだことがあった。
まだ高校生の頃。あの頃は良かった。
毎日が単純。学校行って、勉強して、青春ぽく悩んで、
でも、その悩みは今振り返ればカワイイ悩みで。
行き帰りに無駄な時間が過ぎていくことに悩み、
せっせと単語カードを見たりしていたけれど、
本当は学校から遠い私と一緒に帰る人は殆ど無く、
孤独に登下校しなければならないから、
「勉強している」ポーズでも取っておかなければ、
格好が付かなかった。そんな時代。
ふと気付くと、制服の袖口がすり切れていた高3の秋。


私の頭の中はプログレッシブロックで一杯。
毎日毎日LPレコードを掛けていた。
私の頭の中は好きな男の子のことで一杯。
受験なんて無ければいいのにと思っていた。
行きたい大学はあったけれど、ちっとも形のない夢ばかり。
「肺病たかりの文学者養成所」と時代錯誤の非難を浴びつつ、
後先考えずに文学部以外頭になく・・・。

プログレッシヴ・ロックの名盤100

プログレッシヴ・ロックの名盤100


脳天気な秋、ブラッドベリを読んでいた。
星新一ショートショートは卒業していた。
ショーペンハウエルも、アランも、背伸びをして読み終わっていた。
中身がどれほどわかっていたか、知れたもんじゃなかったが。
YESの『海洋地形学の物語』のシュールなLPが、
癒し系のグリーンのジャケットなのに『危機』という題名のLPが、
そして、大好きなキャメルのアルバムを次々に掛けまくっていた。
特にポールギャリコの原作から作られた『白雁(スノーグース)』を。

海洋地形学の物語

海洋地形学の物語

スノー・グース

スノー・グース


大好きな男の子に借りていた『タルカス』『恐怖の頭脳改革』。
ギーガーの描いたこの絵は、盗難にあって行方不明らしいが。
CDなんて無い頃、あのでかいLPを、
豪華なイラストのジャケットを持ち歩くのが、
どれほど誇らしいことだったか。
でも、10月の終わりは結構受験に向けて本腰の時期、
心にすきま風が吹き始める季節でもあったっけ。

Tarkus

Tarkus

恐怖の頭脳改革+3(紙ジャケット仕様)

恐怖の頭脳改革+3(紙ジャケット仕様)


ブログを読んでいると、暖かい国から帰国した人がいる。
家族全員で大変な秋を迎えることになる、そんな人にエール。
昔住んでいた四国は徳島の、那賀川の地名を抱いた菊があると知った。
そんな話を知ることが出来るのも、先輩ブロガーのお陰。
この菊は有名らしく、あちらこちらのブログでも紹介されていた。
でも、四国に住んでいた私は、全然知らなかった。


あちらこちらにはハロウィンの記事が載り、ご馳走やお菓子、
催し物や関連記事なども賑やかに紹介されていた。
何しろ先々週辺りから通勤する傍らお迎えバスを待つ保育園?
幼稚園児が仮装してバスに乗る姿をしょっちゅう見かけた。
カツラや衣装、最近のお子様業界は何かにつけて
お祭り騒ぎが好きだから、この機会を逃すはずもなく。


でも、ハロウィンではなく、「万聖節」という言い方の方が好きなのだが。
黄昏れていく向こうに、闇の中でしか会えない人々、存在がある。
鬼籍に入った友人知人、親戚縁者、共に旅した人々、
様々な人が一瞬通り過ぎていくような気がする、そんな日。
10月は黄昏の国。黄昏れていくのは人々の方なのか、
それとも自分なのか。



少し、酩酊したい気分の今日。
まだ、月曜日。週は始まったばかり。

10月はたそがれの国 (創元SF文庫)

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ウは宇宙船のウ【新版】 (創元SF文庫)

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