Festina Lente2

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旅のキーワード

遺跡・自然・グルメ・アクティビティ。
私なら緑の大自然の中に埋もれた古代の遺跡まで、
トレッキングや沢登りの体験をしながら近づき、
その土地でしか食べられない物でも食べるか。


遺跡を見に行くまで、美味しい物を食べながら旅行するか。
遺跡を見ることが体験になるのか。
自然そのものが地球に残された最後の遺跡だというのか、
自然を守ることが体験、アクティビティだと思えばいいのか。



食べることも大切だが、そこに辿り着くまでに飢え死にしたら困るが、
旅は困難が付きもの、遺跡は街中よりも寂れた場所にありがち、
遺跡は、旧所名跡は、今も昔も栄えているとは限らない。
今の姿とはかけ離れているから遺跡として実感できる。


遺跡、遺跡を求める人間は過去の遺物に対する強い憧れと、
先人の知恵、偉業に対する敬意と畏れ、
それを創り上げた権威、権力の源を想像し、
何故それがあっという間に潰え去ったのか不安を感じ。



過去に追憶に思い出、忘れがたきトラウマ、
記憶の中に刻み込まれた幾世代も前の営みが、
ふと蘇る瞬間。想像、幻影、幽霊?
目の前に、心の中に、本を開けば?


緑したたる人外境、水源を辿ればシャングリラ?
先立つものがなければ行き着けない場所だというのに、
そこでは役に立たないという人の世の通行証。
そこでは何が最も必要とされる?


遺跡と聞いて何を連想する?
私が欲しいのはどんな知恵? どんな権力? 力?
私が望むものは、行きたい遺跡はどんな場所にどんな形で?
それは脳の奥深く記憶の森を彷徨うような感じ?


投影されたものの向こうに見出すのは普遍的な人類の記憶?
それとも偏った自分の内心の影?
そうでしょうとも、個人の思いの投影された共通の思い出。
形となる時は、いつかどこかで見たことがあるデジャブ。


旅は誰もが通り過ぎるはずの道を自分だけの荒野に導き、
一匙のスープは疲れた心を癒す万能薬のように体に染み込み、
目にするもの耳にするもの、五感を刺激するもの全てが、
自分だけの癒し。自分を自分自身の殿堂にする。



旅立ちたいと思うのは今のままではいけないと前向きに捉えることか、
ここから逃げ出してしまいたい、どこかに行ってしまいたいという願望か、
コインの裏表のように、人の心は迷路のくせにどちらかに倒れる。
回り続けているコインは無い。いつかどちらかの側を見せて止まる。


旅をし、食べ、何かを見聞き、そして休む。その繰り返し、
心を活動させ、心身をメンテナンス、何事も体験、アクティビティ、自然の中に還る。
キーワードはぐるりと一周して現実的な生活を振り返らせる。
自分ではどうしようもなくても、可能性だけが「夢」として残る。

旅に出よう――世界にはいろんな生き方があふれてる (岩波ジュニア新書)

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旅はゲストルーム (知恵の森文庫)

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