Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

中華街に龍は舞えど

膝の調子が悪いので遠出したくない私。
ただ、神戸の中華街のプレ旧正月春節関連を一度も見たことのない私。
辰年の縁起物、龍が見たいと思い立ち・・・。
家人が車を出してくれて、何とか空いている駐車場を見つけ、
歩くことしばし。忘れもしない震災の爪痕を見ることに。


    
    
  


高速道路はその柱がぼっきりと折れて倒れてしまい・・・。
よもやここを通って歩くとは思わなんだ。
気を取り直して街中に向かい、春節を祝う中華街に出向いてみれば、
確かに爆竹の音、長い長い龍も煌びやかでほんの少し心が和らいだ。
されど、立ったまま見物はさすがに辛かった。


    
    
    
  


日本の獅子舞に相当するのだろう、かわいい毛むくじゃら。
私が中学生の頃は、こんな風に門付けに獅子舞が正月に家々を訪問する姿を、
見たことがあったものだが、中国のお獅子も幸福を授けるために人々の頭の上で、
口をぱくぱくしているように見える。何しろ人出も多く、後ろから見ているので、
余りはっきりしたことがわからない。手だけ伸ばしてデジカメ撮影。
そして、東北の震災への募金箱が回される。


    
    
  


龍舞も異国情緒溢れるものだ。やはり色彩が派手。
その長い長い全身がうねる様子が面白い。
ただ、宝玉を追いかけて歩き回る様子は、西洋の龍と同じで、
「光り物」が好きな、宝を守るドラゴンであることを思い出させてくれる。


    
    
   
  



疲れたのでランチと思って周囲を見渡すが、以前の面影はなく、というか、
自分が知っていた神戸の中華街は、こんなに屋台だらけの街だっただろうか。
春節関連とは思えない屋台の数々、観光客ずれした風情に驚かざるを得ない。
知っていた店はどうなったのか、昔調達できた食材も見当たらない。
どこへ行っても同じ冷凍食品を蒸したもの、値段も同じ。かわり映えなし。


    
  


商売っ気がないというか、無愛想というか、呼び込みはするが接客はしない。
飲茶といいながら到底飲茶とは言えない。
いや、きっと昔ながらの店もあるのかも知れない。
しかし、どう見ても殺伐とした雰囲気、味、一見さんだから?
何も知らない観光客相手に一期一会を期待しないから?
目の前で作っている店が唯一美味しかった焼き小籠包。
大根餅は冷凍っぽくて買う気がしなかった。


    
    
    
  


美味しい中国茶があっても、客がいようがいまいが携帯で話し続ける。
言葉がわからないから何を喋っても平気だと思っているのか。
日本人の接客からはほど遠い雰囲気に、食べても飲んでも疲れるばかり。
美しい茶器も薫るお茶も興ざめするような雰囲気。
ただひたすら湯を足されるばかり、自分たちのペースで飲み、楽しめるわけでもない。
通り一遍の解説と殺伐としたサービスに、心萎えるものがあった。
二度と来ない観光客だから? それともこれが普通の接客?


  


自分が年を取ったのか。かつて何度か訪れた神戸中華街とは違う、
そのことに落ち込んで帰宅。世代交代したから? いったい何が違う?
震災前とは違う? そういうこと? それとも自分が変わってしまった?
とにかく、心寂しかったプレ春節の午後。
しばらく訪れることはないだろう、この場所。

春節(中国のお正月)の音楽 (Chinese New Years Music)

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