Festina Lente2

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君はペット

日本漫画が原作なのは知っていたが、読んだことはない。
題名からして、何となく自分好みではない。
韓国映画だから見たかったわけでも、日本漫画とドラマのリメイクだからでもなく、
フリーパスのある1ヶ月間に、シネコンで掛かっているものは見てしまおう精神で、
チャレンジした作品なので、仕事を終えての夕刻、
驚くべきことに映画館には誰もいなかった。
全く一人で映画館独占状態で鑑賞。
ちゃらちゃらしたかわいげのある男優目当てに鑑賞するような、
そんな韓流オタクはこの近辺には住んでいないのか、時間帯のせいか。
余りにもがら空きの状態に、驚いた。
さすが田舎の都会のシネコン


まあ、時間潰しにはいい作品だし、画像は悪くない。
漫画を実写化したという雰囲気はありありだが、一昔前のトレンディドラマ。
恋愛も仕事も、でも上手くいかない。癒されたい。
そんな設定にぴったりの作品なので、どちらかというと女性好み、
それも日常生活を癒されたい感の強いOLなどには共感を呼ぶ作品か。


パンフレット売り場の1000円に驚くと、顔なじみになったにーちゃんが、
これはチャン・グンソクのファンブックの仕立てなので、中身が写真集、
だから肖像権もあってお高いみたいなんです、との弁。
買いもしない私に中身を見せてくれた。なるほど、ファンブック仕立て。
私には全くお呼びでないシロモノ。


にーちゃんが解説していうことには、この映画、韓国では主人公の女優に焦点、
キム・ハヌルを際立たせることが主眼だったそう。
なので、チャン・グンソクは美味しい役ドコロではあるものの、
彼のキャラクターや外見を生かした作品ではあるものの、意外性は無いのだとか。
新しい側面発見でもなく、開拓でもない。
従来の魅力をそのまま発揮しただけなので、筋金入りのファンには物足りないのだとか。

「きみはペット」オリジナル・サウンドトラック

「きみはペット」オリジナル・サウンドトラック


そんなにーちゃんの解説を聞きながら、なるほどねえ。
ファンといっても色々あるよねと、うなずいてしまう。
自分が知っている、熟知している、でも、やっぱり関連商品は何でも買いたくなる。
そんな人もいれば、新しい「なりたてファン」で、これから・・・という人も。
だから、この1000円という高価格設定のパンフレットは、従来からのファン用、
チャン・グンソクの写真が載っているのであれば手に入れたい人用、なのだそう。


従来映画のパンフレットは粗筋や役者の説明、メイキングなど、
時には小さな親切余計なお世話の解説者の記事などあったりして、
読み応えのあるパンフレットもあれば、単なる写真集でしか無く、
今時のDVDが手に入る時代に、写真だけで蘊蓄のある記事もなくパンフレットで、
ドンだけ手抜きの・・・と怒り心頭ものから、様々。
記念になるんだったら何でもいいという時代ではないのだが、
旧態然としたパンフレット作りに終始しているものもあれば、
HPがあるんだからそっちを見たらいいでしょ的な、
つまり、HPの内容を全く変わらないものがパンフレットになっている、
少々腹立たしいものも多いのが現状。


高い映画を見て、高いパンフレットを買うのは余程映画好きなはずで、
パンフレットはその時食い入るように眺めても、後はまとめて捨てられることが多い。
(そうしないから、家の中は混沌を極める状況になっているのだが)
私は古い人間なので、画像ベースで見る認識よりも、紙ベースで見る方がしっくり来る。
ページをめくったり見返したり、そういう動作の中で記憶の中に刻み込み、
感動や情景を反芻する時間が好きなのだ。
しかるに、ファンブック仕立ての映画とは関係ないシーンの写真集では、
余計な経費も掛かるだろうし、高価にもなるだろうとは思うが、
それでも採算が取れると踏んで作ったのなら・・・。
今日の夕方のがら空き状態は? と、他人事ながら危ぶんだりしたのだった。


大人の見る映画とは思えないけれど、暇つぶしにはいいかも。
10代から20代向けか。30代でこれを見て本気で喜んでいるようじゃ、
逆シンデレラ願望も少々問題な精神状態かも知れない。
年下の男性をペット代わりに同居させて、かつての飼い犬の名「モモ」と呼ぶ。
そういう現代ファンタジーなのだというお遊びの状況設定を、
「さもありなん」「かくあれかし」と思うようでは、危うい。


やっぱり私には『チャングム』『イ・サン』『トンイ』の方がずっと面白い。
歴史物の、時代劇の中の人間関係、政治、愛憎と画策、権謀術数、純愛、
そういったものの持つ迫力の方が好きだなと、改めて再確認した夜。
フリーパスがなければ絶対見なかった、チャン・グンソクなる男優の、
顔と名前が初めて一致した夜。
ちなみに、キム・ハヌルは若かりし頃の藤原紀香を連想させた。


それにしても今月見た韓国映画のギャップが大きすぎる。
『マイウエイ』と『君はペット』ではねえ。

きみはペット DVD-BOX

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きみはペット(14)<完> (KC KISS)

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