ヒミズ(観なければ良かった映画)
次第に復活しつつありますので、追加記事を映画中心に書きます。
自分の打たれ弱さ、体調とシンクロ中です。
おそらくフリーパスがなかったら見なかった映画。
震災後の映像を何のために使ったのか。
イメージ戦略なのか、ストーリー展開にどこまで必要だったのか。
登場人物の壊れ方は現代の様相を表現するためなのか、
震災前後の日本そのものを凝縮させたかったのか、
登場人物の中学生が、この状態でいいものなのか。
演技力という点で言えば、男の子は上手だった。
女の子は、声を張り上げすぎた演技過剰さで疎ましかった。
それよりも何よりも、この作品の中に散りばめられた暴力と罵倒が、
見る者の心を蝕む迫力でもって、隠れた悪意や破壊衝動を、
これでもかこれでもかとねじ込んでくるおぞましさにうんざりした。
監督はこの手の作品ばかり作っているのだと、
こういうタイプの驚かせ方見せ方にこだわる人なんだと、
何作も観ている同僚は後から言っていたけれど、
私は二度とこの監督の作品は見たくないし、
こういう演出は決して好きにはなれないと思った。
ヒミズ、火と水のことかと思っていたけれど、
違うらしい。どちらにしろ、この映画を見てから長い間、
どうしても感想を書く気になれなかった。
人間の心を否定し、一番見にくい所だけを肯定し、
とってつけたようにラストだけを明るい結末に見せかけた、
商業ベースに載せるための話題作り、衝撃的な展開、あざとい演出、
演技力を増幅させる手法を、あれこれ作って、
少年少女の世界を膨らませる、大人世界の、社会の矛盾と悪意を、
気まぐれな優しさを、様々な角度から絡ませて、
手品のように見せて、人を驚かせる。
こんな映画を見ずに、別のことをしていれば良かったと、
2ヶ月近く経っても思う。(3/24)
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