Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

鬱々と横たわる

待ち望んだ土曜日だが、鬱々と横たわっている。
何もする気がしない。
以前はこの日が来れば、心晴れ晴れと達成感に包まれ、
それとなく4月空の未来への展望に心を弾ませながら、
仕事を片付ける段取りをしているのだろうと思っていた。
そんなことを能天気に考えて年度末を待ち望んでいた頃が懐かしい。


待ち望んだ土曜日、この日がやってきたのが嘘のようだ。
どうして全てのくびきから解放されて、のんびりと寛げる、
そんな土曜日がやってくるなどと思っていたのか。
仕事を終えて退職する予定の人を送り出すのも、
組織を率いて肩から重荷を下ろした人も、
縁の下の力持ちとなって支えて人も、
新人として投入されて右左もわからぬまま突っ走ってきた人も、
それなりのけじめをつけたはずの昨日、私は写真を撮らなかった。


同じメンバーで集うことなど二度とないとわかっていながら。
私は写真を撮らなかった。撮る気力もなかった。
若手が力を付け、自分たちのやったことに対し自信を持ち、
次の世代として育っていけばいい。
自分の子供ほどの年齢の世代だ。
多少のことは目をつぶって、伸びるに任せればいい。
そんなことはわかっている。
しかし自分は?


しかし自分のような人間、世代はどうやって行けばいいのだろう。
何をやっても当たり前、出来て当たり前、人以上に働くのも当たり前。
人のずるさや脆さをわかっていて、手抜きや裏切りを見て見ぬ振りして、
組織の人間として生きていく、それが毎日の営みの一部。
そこからしばしでもかいほうされて、のんびり出来る日が来る。
そんな風に夢見ていたけれど、体中がだるい。


娘のインフルエンザは順調に回復し、水木金土日、明日になれば五日目。
月曜日から学校に行けるようになる。熱もとっくに下がり、家の中でガサゴソ。
その娘もかーちゃんの脱力虚脱状態にはいささか疑問のまなざし。
仕事人間だったかーちゃんがバーンアウト
という言葉が適切なのかどうかわからないが、どよーんと崩れ落ちている、
その様子にいささか? な様子。


飲むでなし食べるでなし、布団にこもって起き上がる気配もなし。
弛緩した身体には弛緩した心、土でーんど良ーんの状態に、
困惑気味なのは申し訳ない。そう、君は残業にもめげず、
コンビニ食でとりあえずカロリーのみ摂取して、コタツで倒れて爆睡、
再び朝出掛けるかーちゃんの後姿しか知らない。
土曜日、待ち望んでいた土曜日に晴れ晴れとしているかと思えば、
超どんよりのかーちゃんに、君はどうしていいかわからずにいる。


そう、予想外の週末の展開に、君は少々戸惑っている。
家人も少々戸惑っている。
そう、家族のために元気に、いや元気な振りして毎週過ごしてきたけれど、
本当は疲れきっていたかーちゃんは、もう自分の体を現状維持するのがしんどい。
どんよりどろどろに溶けていってしまいたい心境。
そんな、どんよりどろどろに疲れ切った土曜日。
鬱々と横たわる土曜日。

土曜日は灰色の馬

土曜日は灰色の馬

グレゴリアン・チャントの神秘~安らぎの天声 III エネルギー充電の聖歌

グレゴリアン・チャントの神秘~安らぎの天声 III エネルギー充電の聖歌