洗濯機壊れる
家中の汚れ物の洗濯を一手に引き受けて15年足らず、洗濯機が壊れた。
実家の洗濯機は白物家電としては結構優秀。
天寿を全うしたといえばそうだが、一時期調子が悪くなったとき、
部品を買ってきてあれやこれやと修理し、何とか長持ちさせてきたのだが、
モーターというか、脱水機というか、回らなくなってしまった。
機械に詳しい人ならば、脱水への回路をどうにか復活させられたのか。
洗濯はすれど脱水はしない洗濯機に、お手上げ。
というわけで、実家の老父は電気屋に洗濯機を探しにいったようだ。
家中の汚れ物を一気に引き受けてきた洗濯機。
そう、それは、私がダウンしている間の出来事。
私が元気であれば実家の洗濯機の一つや二つ、自分で探し出してきたものを。
かわいそうに、ひたすら汚れ物を洗い続けて幾星霜。
娘の赤ん坊の頃のオムツも、保育園での汚れ物も、
何でもかんでも健気に洗い続けてきた君は、とうとう力尽き果てたか。
「倒れて後止む」の精神で頑張り続けてきたのに、ね。
私が心の澱をどんよりと積もらせて、とうとう臥せっている間に、
シンクロするかの如く動かなくなってしまった。
心身からストレスを上手に追い出すことが出来ないまま、免疫地を下げ、
注意していたにもかかわらず、よりにもよってインフルエンザ。
娘は一気に熱を下げ、すこぶる元気になるのも早く、
家に居なさいとドクターに言われた日数を持て余し気味だったのに、
私ときたら、あと一ヶ月は休みたい心境でへとへとのどろどろ。
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そんな気持ちを洗濯するほどの余裕は無いと、戦友に見切られたかのような思い。
洗濯機だけが先に戦線を離脱するなんて、ありえない。
いや、洗濯機に思いをぶつけても仕方がないか。
白物家電のような耐久性のあるものを選び間違えないといいが、老父が心配。
えてして老人の買い物は、売りつけて何ぼの商売人にだまされる。
今までも使えそうにないた買い物を押し付けられゴミにしたことは幾たびか。
その轍を踏まないで欲しいと願いつつ、熱に浮かされているかーちゃん。
なんでも自分で仕切りたがる老父は、プライドはあれど電気屋に勝てるはずもない。
どんな新製品を押し付けられてくることやら、気が気でならぬ。
大体電気製品は一時に壊れる。
仕事も自分自身もここ一番だったり、気を抜いてほっとしたりするとコケる。
後もう少しというところでくじけそうになる。
春の大掃除が近づいてくる前に、
能力不足を嘆いてお役ごめんを一足先に買って出たのか、
洗濯機に先を越された思い。
ああ、あたしも今の職場から足を洗いたい。
もうこれ以上ここに居たくないのよと、声を大にして叫びたい。
自分には自分をどうすることも出来ないのに、洗濯機だけが昇天していく。
その潔さが羨ましい。天国でも洗いものに精を出すことだろう。
大物洗いも何のそのだったそのばりきで、天国の白さに磨きを掛けろ!だな。
そんな馬鹿な妄想が渦巻く熱発中の頭で、週の半ばを迎える前日。
ああ、体中の元気が抜け落ちてどこかに蒸発していくよう。
気力も体力も、熱意もやる気も何もかも。
洗濯きの渦の中に自分も落ち込んで行きたいような、妄想の中。
脱水できなくなった洗濯機にわが身を重ねて思う。
振り払うことが出来なくなった、余分なものをそぎ落とすことが出来なくなった、
疲れて動きを止めてしまった、そんな洗濯機の最後に今の自分を重ねてしまう。
やれやれ、物憂い如月の最終週。
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