Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

通院とランチとダメージと

娘も調子が悪いという。まさか、先週B型を克服したというのに、
かーちゃんのA型がうつったのではあるまいな。
冗談ごめんだが、取るものもとりあえず診察を受ける。
私の場合は口内炎も出来ていて、インフルエンザ以外に別の薬も、
娘も今度はただの風邪の薬を処方してもらう。


  


その後全くありがたくない電話のお陰で、地球の裏までとは行かずとも、
ずどんと落ち込んだが、こういう時は食べるに限る。
それも残すと勿体無いような店に行き、気合を入れて食べる。
食べれば回復は早くなるはずだ。
作って食べさせる元気もないので、娘を連れてランチ。
ああ、こんな贅沢な時間。親子共々風邪でダウンでランチ。
神様、罰当たりな私たちを許して。


  
  

というわけで、どんよりしている私を気遣いながらも、
娘もせっせとランチを食べる。
初めての店にびっくりしている様子だが、これはこれで、
かーちゃんの隠れ家的お店。お気に入りの一つではあるが、
早々しょっちゅう来るわけにはいかない。
何しろ平日に凝れるはずもない。仕事しているから。
というか、三日間も休んでいること自体緊急事態。
プロジェクトが終わっているから何の支障もないが。


  


必要とされていないのだから、休んでいてもいいのだが、
有意義に時間を使うことも出来ずに、熱に破壊された頭で、
ボーっと食事をしていること自体が、勿体無くも哀しい。
殆どの人はランチを終え、人が居なくて貸切状態。
いやあ、風邪ひきさんがこんな所で何を。
母と娘の時間がこれではわびしすぎるものの、どうしようもなく。


  


人事面では待ち望んだ異動があるどころか、
同僚であり親友が去ること、苦楽を共にしてきた数人の異動もわかり、
私にはただただ新しい仕事が振られるだけ。
何のメリットもないまま年老いていく1年が、また始まろうとしている来月。
誰も引き受けない役職を任され、規定よりも長く持たされ、
その上に別の仕事も重ねてやらざるを得ない立場となり、
体を壊し、それ以上を要求され・・・。


  


「頑張れば何か報いがあるのではないか」という
妄信的な救いを求める幻想に踊らされた、虚しい日々。
職域が広がったなどという言葉ではごまかされなくない。
都合のいいように使い回しをされただけ。
自分がNO!と言えば、誰かが引き受けざるを得なかったことを、
お人よしにも被ってしまい、自ら苦労を買って出ただけのこと。
それだけのこと。
若い頃の苦労は買ってでもというが、私はもう若くはない。
それだけを十分意識させてくれた、この5年間、
ただ働きだったとさえ思わせる虚しさを確信させてくれた、この5年間。
仕事の憂さから逃れようと、せっせと書き散らしてきた丸5年半、この6年間。


  


子どもの成長は早い。頑張れば頑張るほどひしゃげていく母親を見て、
娘は随分いびつに育ってしまった。
素直な微笑みは、純粋な知的好奇心は、親と過ごして楽しいと思える時間は、
何もかも犠牲にして、得たものは無い。実感できない。
必要に駆られて研修、研究会、勉強会、その向こうには架け橋があると信じて、
あれこれやってきたものの、結局は実を結ばないまま、
チームも、他の部署も、入れ替えの時期が来て交換部品のように去っていき、
短い年度末の引き継ぎが終われば、廃墟のような場所で、
またゼロから企画、全く知らない世界の仕事をやらされることになる。


  


私はもはやインクの紙魚だらけの吸い取り紙、
これ以上何を吸い取れというのだろう。