Festina Lente2

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春分の日の憂鬱

昼と夜との時間が同じだと言われても、ぴんと来ない。
だって、サービス残業の日が続いているので、平日は夜が長い。
明るい内に帰る事が無いから、景色が良くわからないまま日が暮れる。
日が暮れてから建物を出るのが当たり前になってしまって、
明るい時間、明るい景色、夕暮れがどんなものか、
夕方の時間が醸し出す雰囲気がどんな風だったか、
心の中からすっかり消えてしまっている。


処理能力の落ちた、スペックの悪いロボットになった気分。
もっとも、性能という言葉は「良かった」ことを前提とする。
いつ「良かった」ことがあったのだろうと思うくらい、
この年度の後半は落ち込むことが多く、こなすことに流され、
納得の行く事が少なかった。


仕事は念入りに丁寧にすることを求められる時代ではなく、
多くの量を大雑把でもどんどん積極的に受け入れ、
ぱっぱと手際よくこなしていくことが求められる。
そんな芸当が出来る年齢ではないなあと、つくづく思う。
思い知らされる。
あ、芸当以前に性格の問題か?


出世欲や権力欲に支えられない、個人的な遣り甲斐一辺倒の、
達成感満足感に裏打ちされない物事の側面は実に脆い。
自己満足の域を出ない砂上の楼閣に陣取っているようなもの。
他人がそれなりに評価してくれなくても構わないと、
胡坐をかいているわけにも行かず、
無視されても平気だとうそぶく訳にも行かない。


責任のある仕事をしてきたとは思えるが、
隙間を埋めることを任されただけ、適材適所というよりも、
誰も引き受けての無い雑用を一手に背負わされただけ、
そういう気持ちが年々強くなって行く中で、
モチベーションを保ち続けることは難しい。


年度末、やっと解放される役職と引き換えに、
新しい仕事が待っている。部署替え、異動、引越し、
片付けの山を見ながら、少々途方に暮れないでもない。
仕事仲間がどんどん減っていく中、
気心の知れた同僚が次々と去っていくこの時期、
新しい場所へ雄飛できる人間はいい、いつもそう思いながら、
取り残される悲哀に沈み込む自分を、鼓舞するきっかけを探す。


大人だから、割り切って物事受け入れてこなす。
それが当たり前のこと、求められる要領のよさ、
上にも下にも風通しの良いように、適当に情報を流し、
集約し、留め置き、自分の陣地、地所、地盤を固め守ること。
専門的なことを惜しげもなくさらけ出したりせずに、
専門職としての技を磨き続けること。


しかし、そうしたところで求められる仕事に応じているだけ、
それは自分のしたい仕事ではなかったりする、その連続に疲れているのに。
…疲れているのに、仕事だから仕方がないと思っているうち、
あっという間に一日が終わって、何をして何が出来たのか、
家に居ても外に居ても、何も思い出せないまま一日が終わって、
終わって、終わって、壊れたレコードのように擦り切れた気持ちのまま、
昼と夜が同じ時間の日だなんて、信じられないまま、
一日が終わって、あっという間に職場での朝になる。

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