Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

龍山寺に詣でる

(写真は全て大きくなります)

台湾最終日。朝食後、乗り慣れた地下鉄で向かう場所は龍山寺
集合時間までは自分たちの足で回るに限る。どうせ安いツアー、
バスに回収されたら免税店に連れて行かれるだけ。
それよりも、ふらふら好きなところを歩き回っていたい。
少し望んでいたマッサージも足揉みも体験することなく、
お参りだけは済ませておきたい、旅行らしい旅行、
自分たちでふらふら歩き回る旅をしたい。


  

  

  


寺院は土曜日の朝から混んでいる。道端には花売り。
その雰囲気は、四半世紀前に訪れたバリ島の寺院を思い出させる。
そして何故か平和の使者、鳩が地面をつついているのだが・・・。
グレー系ではなくブラウン系の羽の色で、綺麗ではない外見。
寺院はすぐに内部に入って行き難い、というか、勿体無い。
外壁というか入り口付近をためつすがめつ眺め回して、しばし。


    

  

  


台湾らしい台湾、ディープな台湾、どこをどう見ればいいのか、
どこの何を以ってしてそれらしいと思えばいいのか、
とにかく、宗教的世俗的な信仰対象を見るに限る。
政治絡みの衛兵が守るような場所や為政者が変わるたび、
展示内容が変えられて、対日感情を逆撫でして煽るような、
そういう場所にはなるべく無関係でいたい私。
だから線香の煙も生もうとする龍山寺で、家族の無事を祈る。


    

   
 
  


古色蒼然とした渋い色合いの日本の寺院とは異なる迫力と熱気に満ちた、
下世話な言い方をすれば、巣鴨に溢れる年齢層の人々の信心深さが、
老若男女に溢れている台湾の寺院といいた感じ。
カンカン音を響かせながら、自分にとって納得のいくお告げが出るまで、
占いに使う器具を投げては落とし、拾い上げては解釈を求め、
お参り、お祈りに気合が入っているところが新鮮だ。


  

  

  


長い長い線香、立ち込める煙、行ったり来たり絶えることの無い人の波、
ご本尊は観音菩薩様だが神様のデパートと称される龍山寺には、
日本とは異なる真剣さで祈る人々に立ち混じるのが、少々申し訳ない。
出来るだけ急いでお参りを済ませないと、ますます混んできてしまう。
お参りの仕方はこちらに詳しい→http://www.taipeinavi.com/miru/19/


  

  

  


八百万の神様ではないが、ここいらっしゃる沢山の神様、
道教の神様、諸星大二郎の漫画で覚えた眼光娘娘、三国志の関公、
華陀膏で有名な医師の華陀膏、縁結びの神様月下老人(月下氷人)、
学問の神様…と、神様のデパートと称されるだけあって、
色んな神様がてんこ盛り。一体どこをどうお参りすればいいのかと、
途方に暮れるくらい神様が沢山いらっしゃる。


  

  

  


なんでもそれぞれ得意分野があるから、お願いする方面別にお参りするのが
いいらしい・・・。というか、全部の祠に行き渡る分、
最初に線香を頂ける所が凄い。万遍なくお参りすれば事足りる、
そういうシステムだと理解した方が早いみたい。


  

  

  



丁寧にお参りしていると確かにここだけで午前中は終わってしまう。
ツアーの人々はほんのちょっと眺めてお土産を買って終わり、
駆け足で一周、勿体無い。そこは自由のきく家族旅行、思う存分眺めて、
ディープなお参りを楽しんだ。さすがに占いをする時間は省略。
昔読んだ古典の名作の知識がお参りの最中に切れ切れに浮かぶ。
そう、三国志も中国故事物語も聊斎志異も捜神記も、
この一瞬にも似たお参りの時間にひらめく、雷光の如く心に蘇る。


  

  

  


お礼に参る人々の捧げる花やお菓子や様々な品々にも、バリ島での祭礼や、
日本の墓参りの生活用品に密着した供物を想起する。
神様にどんなものをお礼にすればいいのか、自分の好物を、縁起のいいものを、
あれこれと盛り合わせ詰め合わせにしたものを並べる、見繕う、取り揃える。
そんな景色を眺めるだけの素通り。せめてお守りの一つか二つを手に入れよう。 


  

  

  


沢山観光客が訪れても、盆と正月ぐらいしか熱気のこもらない日本の寺院、
それに比べて必死にすがり、祈り、ご利益を求め、お礼にお参りする、
そんな世界が妙に眩しく、エネルギッシュで、頼もしい。
その気に当てられたような感じさえする。

  

  

  


門前の鯉を眺め、駅に戻る途中で売っていた饅頭を味見し、
老人が多勢憩う通りが、あたかもどこぞの○○地区のような感じさえして
少々怖い雰囲気さえしていたのだが、慣れてくるとこんなものか。
ぐるぐる歩いている内に、喉も渇きおなかも空いて、
お土産を失くして凹んでいた気持ちが、ここでめげてなるものかと
アグレッシブになってくる。台湾での最終日、
お寺参拝一つだけで終わってなるものかと。


  

  

  

台北 (ララチッタ)

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トラベルデイズ 台湾 (旅行ガイド)

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