Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

城南宮 曲水の宴

(写真は全て大きくなります)


「地元の迷路よりも詳しくなった」と娘が豪語する、伏見名水スタンプラリー。
何故この京阪沿線に執着しているのか。ただただ伏見スタンプラリーのせい。
酒も飲めない未成年ではあるが、名水巡りには興味津々の娘。
漫画の影響で「京都」の魅力を知り始めたよう。
昔とは異なり、京都の町そのものは観光地として進化。
外国にアピールする、もしくは歴史で学ぶありきたりの京都ではなく、
メイン以外にも色んな楽しみ方が出来る、そういう企画が目白押し。


  


まだ娘が小さかった頃、スタンプラリーは街の地下鉄や電車が中心、
歩いて回る企画にはなかなか乗れなかったが、今や、
不本意な怪我のために、長距離歩くのをリタイヤしている家人を残し、
母と娘、親子旅ならぬ親子スタンプラリーに興じる1日。
普段一緒にいてぶつかることは多い。されどラリー中は一時休戦、
プチトリップの道中とあっては、結束せざるを得ない関係。
(食事やお土産の財布はかーちゃんが握っているしね)

    

  


目的地へのバスの待ち時間、まずは歩き慣れた町並み、
中書島界隈の長建寺の閼伽水を求めて参拝。


    

    

    


ということで、本日の本命スタート地点、やっとの思いで
病気平癒に効くという城南宮の菊水若水なる名水を求めて来てみれば、
何と今日はかの有名な「曲水の宴」当日。あちゃー。これは想定外。
不便な場所なのに思いのほか人が多いのはこのせいか。
まずは、本番前の予行を眺めることに。


    

   

    


優雅に流れていくのは、本番ならば御神酒の入った杯を載せた鳥の模型、
羽觴(うしょう、おしどりの姿を象った盃台)の実物を見るのは初めて。
平安時代の優雅な遊びの一幕。和歌を詠むための歌人も今は平服だが、
本番ではさぞかし煌びやかに違いない。


  

  


ランチで休憩、再び人垣の隙間から衣装を改めた本番を見物。
通しで本番を眺めるのは諦めた。場所取りが大変だし。
それにしても酒の杯が流れてくるまでに和歌を詠むのは知っていたが、
思いのほかその庭園が狭いので、ちょっと驚いた。
これじゃあ、一首捻り出す間もなく杯が流れて来ちゃうよ・・・。
いや、宴に招かれたからには既に幾首か用意しているのが当たり前か。
当時のように即興の題詠、という訳ではないだろうし。


    

    

    

    

  


平安時代の雅び、かつて栄えた和歌に漢詩に楽に舞。
衣装も麗しく、教養を競う華やかな舞台の演出は、往事を偲ばせてくれる。
もっともこの行事のためにどれほどの準備をして、この日の望んだか、
通りすがりの観光客の目には勿体ないことなのかも。
花は自然に蕾を開くが、行事は意識して人が行う仕掛け事。
万事上手く取りはからうことがどれだけ大変か、
裏方をすぐに思いやって、ため息をついてしまう性分の私。


    

    

    

    


よく手入れされた源氏物語の庭と称される庭園は、大勢の人がカメラを構え、
常連さんなのか、場所を取り角度を吟味してあれこれと激写する方々。
ひたすら曲水の宴だけに集中される人々。人の流れは様々だが、
よくもまあ、この不便な場所にこれだけ立派な所が。
あ、鄙びた場所だからこそ美しく保存できるということか。


  

  

  

  


ランチと曲水の宴本番前後、有名な城南宮の庭園を散歩、美しい花々、
桜が終わったあとの主役、躑躅や藤の花を愛でながら時間を過ごした。
少々庭を鑑賞するのに時間を取りすぎたかも知れない。
方違えで有名らしいが、もはや十三参りをすることも叶わない年齢になった娘、
御守りを頂くこともなく、参拝を済ませて中書島に戻るバス停へ向かった。


    

  

    

  


目指すはスタンプラリーの中心地、三十石舟の乗り場。
果たして間に合うか。

城南宮の四季―水野克比古写真集 (京・古社寺巡礼)

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方忌みと方違え―平安時代の方角禁忌に関する研究

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