大阪大学いちょう祭にて
4月30日の出来事をアップしている。
母は製本、娘は「りなま」が本日のテーマ。
自分が行きたくても行かれなかった憧れの学舎、そぞろ歩き。
この日、所用があって1日親子3人で過ごすことが出来なかった。
せめて半日なりと駆け足で出かけたが、親子それぞれみたい物は別、
かーちゃんはかーちゃんで、娘はとーちゃんと、共に過ごすことに。
同じ場所に出かけながら・・・と思うかも知れないが、致し方ない。
図書館の見学ツァーもバラバラ。そこまでして私が参加したかったのは、
このワークショップ。専門的な解説は出来ないので、写真のみどうぞ。
手先が器用ではない私だけれども、本の保存や修復作業など憧れの世界。
和綴じにする資料など持ってはいないけれど、趣味でこういう本を作る方も
世の中大勢いることだろう。
(最近ジャケ買いならぬ表紙にこだわる出版業界は、日本の名作を
和風の表紙で飾り、クラシックな雰囲気を醸し出している)
製本について説明を受けながら、その模型に当たるミニ本を見る。
大学時代だった。製本について栃折久美子の本に胸を弾ませたのは。
『製本工房から―装丁ノート」はもう手に入らない本のようだ。
若い頃、書物は自分の世界を広げるもの。
そして、皮の匂いのする古書や和綴じの本に触れられる大学図書館は、
どこか秘密の香りのする別世界だった。
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『薔薇の名前』の映画のように、知的な作業は修道院で営まれた中世。
挿絵も写本も製本も、豪華一点物の世界。修道士として生き、
本の職人となって書物に埋もれた人生を送った人は、少なからぬ筈。
一冊一冊著者印の押された裏表紙、糸で縫われてバラバラにならぬよう、
必死に閉じられている本。金箔の書物名。誰かの蔵書印。
それは子ども時代からの憧れの世界だった。
時代を追うにつれ、手書きの負担から印刷が成し遂げた飛躍的な知の世界の拡大。
大量印刷の本の扱われ方は、それまでの手の掛け方とは当然異なる。
そして紙そのものも羊皮紙のような貴重な1枚ではなく、
保存しにくい紙に変化していく。
その点、日本の和紙は非情に優れもので保存修復に欠かせない貴重な物。
改めてその良さを解説を聞きながらしみじみ。
わずかな実習にも長い繊維の絡まる「こうぞ・みつまたの世界」を実感。
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図書館の案内の中で、私たちがかつて学んだ頃とは異なる恵まれた環境、
進化した図書室の中で過ごす学生たちの一員になってくれたらいいなあと、
親ばかは娘の将来を夢見る。
空調管理された向こうにある貴重本を垣間見、次の予定に向かう私。
とーちゃんと娘はおよそ半日を、理学部や基礎工学部の実験ブースで楽しんだ。
何度も経験している液化ヘリウム実験、葉脈の栞作りなど。
ブロッコリーからDNA抽出なんていうのもチャレンジしてみたらしい。
クイズ形式で遊びながら学び、理工系の世界に興味関心を持って貰おうと、
色んな企画があったようで、「りなま」の世界は面白かったよと、
上機嫌の娘。「りなま」? 理学部生物学科かな?
普段見ることの出来ない実験器具、珍しい世界。
おにーさん、おねーさんに囲まれて楽しかったよう。
前回サイエンスカフェに来た時は、新入生と間違われた冬コート姿の娘。
今回はちゃんと子ども扱いされ、満足だったのかな?
かーちゃんだって理科系は数学は駄目だったけれど、
生物化学は得意だったんだぞ・・・と心の中で呟きながら、
とーちゃんが写してくれた写真の中の娘を眺める夜。
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