Festina Lente2

Festina Lente(ゆっくりいそげ)から移行しました

大山崎中国茶会20回目記念 その2

(写真は全て大きくなります)
昨日日曜の大山崎山荘、春の中国茶会の続き。
土曜日には中国の皇帝が愛飲したとされる浙江省の銘茶や湖北省玉露
雲南省の紅茶、四川省ジャスミン茶など10種類が振舞われたそう。
日曜はまた別のお茶が10種類、20回目の記念として両日合わせて20種類、
豪華な中国茶の祭典である。詳しくはこちらを→


  


隣国中国の地理をどれだけ知っているか? (台湾は確実だが)
残念ながら、学生時代の暗記力はとっくに消え失せ・・・。
それはともかく、今回出品された20種類お茶は
次の地方から取り寄せた銘茶だそうな。
文字だけ見ていると、見覚えがあるのだが位置関係がどうも。

浙江、湖南、安徽、四川、重慶、福健、雲南、湖北、広東、広西、
貴州、江蘇、江西、陜西、河南、山東西蔵、甘粛、海南、台湾


  

  

    


スタンプを押しながら場所と地名を確認しつつ歩き回っているのだが、
それと一対一対応でお茶名まで覚えられない哀しさ。
沢山ありすぎて、味わうだけで精一杯。
お手前の場所の横にあったこれは?
まるでお習字の練習、筆払いの解説のようなものが。
日本にも水書道のものがあるけれど、それの中国版?
それとも台湾版? 
茶の味、名前、飾られた花々、茶器、あれもこれも・・・。


  

  

  

  


字を見ればわかる、茉莉飄雪(まつりひょうせつ)、ジャスミン茶。
填紅(てんこう)、紅茶。体を温める作用があるらしい。
青もみじ庭園や芝生の東屋、至る所で繰り広げられる中国茶の世界。
さっぱり味の葉に白い毛のある白毫銀針(びゃくごうぎんしん)、
黒茶(へいちゃ)の六堡茶(ろっぽうちゃ)の癖のある味わい。
重慶沱茶(とうちゃ)は燻した黒茶で丸く椀型に固められたお茶。
土曜日のお茶の解説を見てはあれこれ物思う。


  

  


小さなお茶器に湯をかけて頂いく白葉単叢(はくようたんそう)、
今年の新茶、西湖龍井(さいころんじん)、鉢に入れた葉の色の変化を楽しみ、
小さな柄杓で汲みわけるお手前。今日も柄杓を使ったお手前、見たはず。
黄山毛峰(こうざんもうほう)、君山銀針(くんざんぎんしん)、
恩施玉露(おんしぎょくろ)、などなど四文字熟語の世界が…。


  

  

  

  


橡木茶屋の福鼎白茶餅(ふうでいばいちゃぴん)、
お茶の葉を加工せず、そのままお正月の鏡餅みたいに丸く固めてある。
お菓子の豆板は昔懐かしい仙台駄菓子を思い出させる。
茶器も座布団も、全て丸みを帯びたもので構成された小さな世界。
暗い茶室の中、明るい絵の軸と落ち着いた生け花、
そして辰年にちなんだ龍の絵柄の敷物。


  

  

  


お茶室に入る整理券の時間を待つ間、娘が初めて訪れた大山崎山荘を観て回る。
折しも蘭の展示。以前工事中だった場所が綺麗に整備され、池の景色も美しい。
いつの間にか自分と同じくらい大きく成長した娘。
春の日差しの中で父親と並んで立っているのが眩しい。


  

  

  

  


最後から2番目の席に滑り込めた「彩月庵(あん)」でのお茶席は、
その名も唐代末茶席。中国のお茶の本
唐時代に陸羽によって記されたお茶についての書物「茶経」に従い、
古式にのっとって、塩で味付けしたお抹茶を味わう。
塩の匙加減で微妙に変化する中国茶、如何なるものぞ?


  

  

  

  

  



普段味わうことの出来ない多種多様なお茶を家族で賞味し、
緑滴る新緑を愛で、時間はあっという間に過ぎていく。
さて、お茶は美味しいけれど、洋風のティータイムも楽しめる大山崎山荘。
せっかく来たのだから、娘には見晴らしの良いティールームも楽しんでもらいたい。


  

  

  

  


シードルの向こうにも緑が透けて見える。
ひとたび下界に降りれば、山崎の駅を行き交う電車。
この日から1ヶ月後、家人に内示が降りて
再び転勤族の憂き目に遭うことを、写真の中の私たちは知らない。
家族の貴重な5月のとある1日となった、中国茶会の日。

  

  


緑茶の世界―日本茶と中国茶

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